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第二十話 「終焉皇オロチ」

第二十話

「終焉皇オロチ」

――邪王鬼神、敗れる。

七将合体・天守覇王の放った《真・守護大断》を受け、巨大な身体が大地へ膝をついた。

幸村が拳を握る。

「やった……!」

命も笑顔を見せる。

「勝ったんだよね……!」

しかし――。

邪王鬼神が、ゆっくりと顔を上げた。

《まだ……終わらぬ》

低く、重い声。

その瞬間。

全身から、膨大な黒い歴史因子が溢れ出した。

ゴゴゴゴゴゴ……!

空が裂ける。

海が逆巻く。

天城市全域に激震が走った。

命が震える。

「な、何が起きてるの……!?」

大和博士がモニターを見て顔色を変える。

「違う!」

「邪王鬼神は倒されたんじゃない!」

「奴は最初から――」

邪王鬼神が、ゆっくりと頭を垂れた。

《我が主》

《復活の時です》

そして。

巨大な身体が黒い霧へ変わる。

霧は空へ昇り――

巨大な扉の中で黒い繭となった。

天守覇王を遥かに超える。

山々すら覆うほどの巨大な扉と繭。

幸村が呟く。

「なんなんだ……あれ……」

突然!

歴史魔城・天統城が現れる。

最上階。

邪神天統が、一人静かに立っていた。

穏やかな表情で。

黒い繭を見上げている。

幸村が叫ぶ。

「邪神天統!!」

「全部、お前の仕業だったのか!!」

天統はゆっくりと振り返った。

その顔には怒りも憎しみもない。

ただ――深い悲しみがあった。

「私は知っていた」

「人は争い続ける」

「歴史は繰り返す」

「悲しみは終わらない」

巴が悲しそうに言う。

「だからって……!」

「全部終わらせるなんて間違ってます!」

天統は静かに首を振る。

「私は邪神ではない」

「私は――」

黒い光が身体を包む。

「終焉皇オロチを復活させるために作られた」

「器なのだ」

「何っ!!」

幸村たちが驚愕する。

大和博士も目を見開いた。

「天統自身が……」

「オロチを復活させる器だったのか!」

ドクン。

ドクン。

ドクン――。

黒い繭が脈打つ。

邪神天統が両手を広げる。

「終わりにしよう」

「争いの歴史を」

その身体が崩れていく。

黒い粒子となって。

ゆっくり空へ舞い上がり――

巨大な繭へ吸い込まれていった。

《融合開始》

ゴオオオオオオオ!!

天が裂ける。

黒い雷が世界を覆う。

海が荒れ狂う。

そして――

巨大な繭に亀裂が走った。

バキッ!!

バキバキバキィィッ!!

繭が砕け散る。

現れたのは――

八本の首。

八つの巨大な翼。

漆黒の鎧を纏う神。

額には、

六文銭。

三日月。

木瓜。

毘沙門天。

桔梗。

風林火山。

桜紋。

そして――

銀色の家紋。

《我こそは》

《終焉皇オロチ》

八つの首が一斉に目を開く。

胸には――

邪神天統の顔が浮かんでいた。

《そして》

《邪神天統》

《歴史の終焉なり》

巨大な咆哮。

その衝撃だけで、

天守覇王が吹き飛ばされた。

「ぐああああっ!!」

命が叫ぶ。

「エネルギーが増え続けてる!!」

《測定不能》

《危険度――計測不可》

大和博士が青ざめる。

「これが……」

「終焉皇オロチ完全体……!」

終焉皇オロチが右手を上げる。

《歴史はいずれ終わる》

《人は争う》

《滅びへ向かう》

《ならば》

《私が終わらせる》

圧倒的重圧。

天守覇王が膝をつく。

幸村が叫ぶ。

「くっ……!!」

信玄も歯を食いしばる。

「強すぎる……!」

謙信の結界が砕け散る。

信長も険しい顔になる。

「これが終焉か……!」

その時だった。

天守覇王の胸。

神皇龍コアが激しく輝いた。

ゴオオオオオ!!

七色の光が天を貫く。

命が驚く。

「神皇龍が反応してる!!」

大和博士が叫ぶ。

「まさか!」

「神皇龍が自ら姿を現すのか!」

天が裂けた。

雲を突き破り――

巨大な神獣が降臨する。

龍。

鳳凰。

虎。

その全てを宿した神。

《神皇龍》

全長数百メートル。

七色の翼を広げ、

終焉皇オロチの前へ舞い降りた。

オロチが初めて驚く。

《神皇龍……!》

《まだ眠っていなかったか》

神皇龍は咆哮する。

その胸。

七つの家紋の奥で――

小さな銀色の光が輝き始めた。

命が驚く。

「なに!?」

大和博士が立ち上がる。

「銀星紋!!」

「封印されていた第八の家紋が!」

天守神社。

地下最深部。

巨大な封印空間。

そこに一人の男が立っていた。

銀の鎧。

白銀のマント。

腰には一本の刀。

静かな瞳。

だが。

誰よりも強い意志を宿していた。

男がゆっくりと目を開く。

「長い眠りだった」

神皇龍が鳴く。

七つの家紋が共鳴する。

幸村が呟く。

「誰なんだ……?」

男は静かに答えた。

銀色の炎が舞う。

「私は――」

「初代守護者」

「銀星将神威」

「戦極システムの始まりにして」

「終焉皇オロチを封印した者だ」

大和博士が震える。

「銀星将神威……!」

「伝説は、本当だったのか……!」

終焉皇オロチが怒りの咆哮を上げる。

《銀星将神威!!》

《まだ存在していたのか!!》

神威は静かに頷く。

「何度もお前を封印した」

「だが」

「封印だけでは終わらないと知った」

そして。

幸村たちを見つめる。

優しく微笑んだ。

「だから君たちに託す」

「歴史の未来を」

幸村は強く頷く。

「ああ!」

「俺たちが守る!!」

神威が刀を掲げる。

《銀星紋、解放》

《最終覚醒条件確認》

《真・天守神皇》

《起動準備開始》

天守覇王の胸に――

八つ目の家紋が刻まれる。

赤。

青。

黄。

緑。

紫。

橙。

桜。

そして――銀。

八色の光が、

夜空を貫いていく。

終焉皇オロチが叫ぶ。

《やめろォォォォ!!》

しかし。

光は止まらない。

新たなる伝説が、

今、始まろうとしていた――。

次回 第二十一話

「真・天守神皇 覚醒!」

八つの家紋、奇跡の完全共鳴!

銀星将神威の想いを受け継ぎ、 サムライジャー最強最後の守護神――

真・天守神皇、ついに覚醒!!

終焉皇オロチとの、 歴史を懸けた最終決戦が今、始まる――!

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