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第十五話 「束の間の休息」

第十五話

「束の間の休息」

(妖桜鬼を倒し、巴が仲間となった後――)

命が抱きつく。

「巴ちゃん、おかえり!」

巴は少し照れながら笑った。

「ただいま」

その笑顔は、記憶を失っていた頃よりも、ずっと優しかった。

舞い散る桜。

幸村は、その光景を見ながら大きく頷く。

「これで七人――いや」

「ようやく全員が揃ったな」

信長が笑う。

「戦国の英傑がこれほど集まるとは」

「天下統一も夢ではないな」

「お断りします」

光秀が即座に返し、周囲が笑いに包まれた。

そして――。

数日後。

天城市には、久しぶりの穏やかな時間が流れていた。

(風が吹く商店街)

幸村は八百屋の手伝いをしていた。

「幸村くん、こっち運んで!」

「任せてください!」

大量の野菜箱を軽々と持ち上げる。

おばちゃんたちが拍手した。

「さすが赤い侍!」

幸村は照れくさそうに笑った。

「いやぁ、それほどでも!」

ゲームセンター。

政宗はクレーンゲームに夢中だった。

「よし、そこだ!」

ガコン。

失敗。

「くそっ!」

隣で命が笑う。

「もう十回目だよ?」

「戦なら負けねえのにな……」

結局、大きなぬいぐるみを取れず、店員に慰められていた。

その頃――

信長はハンバーガーショップにいた。

「ほう……」

巨大バーガーを見つめる。

「現代の兵糧か」

豪快にかぶりつく。

「うまい!!」

二個。

三個。

四個。

店員が驚く。

「お客様、食べ過ぎでは……」

信長は笑った。

「天下人たるもの、食も豪快でなくてはな!」

公園。

謙信は子どもたちと遊んでいた。

「謙信先生ー!」

「鬼ごっこ!」

「……分かった」

だが。

鬼になった謙信は速すぎた。

「あっという間に捕まったー!」

「手加減してよ〜」

子どもたちが大笑いする。

謙信は困った顔をした。

「む、難しいな……」

図書館。

光秀は大量の本を抱えていた。

「戦後史」

「量子力学」

「人工知能入門」

「宇宙論」

幸村が驚く。

「全部読むのか?」

光秀は当然のように答える。

「はい」

「現代を知ることも、守ることの一つです」

信長が呆れた。

「真面目すぎる」

商店街・武田堂。

ジュウジュウと音を立てながら団子が焼かれていた。

信玄が豪快に笑う。

「ほらよ!」

「焼きたてだ!」

子どもたちが群がる。

「しん兄ちゃんの団子、大好き!」

信玄は嬉しそうに笑った。

「戦よりこっちの方が向いてるかもな!」

その言葉に。

店の奥から謙信が現れる。

「そうかもしれんな」

信玄が吹き出す。

「おい上杉!」

「今いいこと言っただろ!」

「認めろ!」

「……少しだけな」

二人のやり取りに、商店街が笑いに包まれた。

一方――

命と巴はショッピングモールへ来ていた。

「巴ちゃん!」

「これ似合う!」

命が桜柄のワンピースを見せる。

巴は微笑む。

「可愛いですね」

「でも命ちゃんの方が似合いますよ」

「ええー!?」

二人は笑い合う。

アクセサリー店。

雑貨店。

クレープ。

普通の女の子みたいな時間。

巴はふと足を止めた。

窓ガラスに映る自分を見る。

戦国時代では得られなかった時間。

穏やかな日々。

命が隣で笑っている。

巴は静かに言った。

「私……」

「この時代に来て良かった」

命は満面の笑みで答えた。

「私も!」

「巴ちゃんと会えてよかった!」

巴の胸が、温かくなった。

――しかし。

その平和を。

遠くから見つめる者がいた。

地下深く。

巨大な黒い城。

歴史魔城・天統城。

玉座に座る邪神天統が、静かに笑う。

「束の間の休息を楽しめ…ハッハッハ…」

その前には。

五つの黒い炎が浮かんでいた。

獄炎。

独眼零。

魔心魔王。

裁天。

闇暗鬼。

倒された幹部たちの歴史因子。

天統が両手を広げる。

「ならば」

「絶望も、より深くなる」

五つの炎が融合する。

その中心から。

燃え盛る巨大な武者が姿を現した。

高さ――八十メートル。

全身を黒炎で包み。

巨大な刀を握る歴史魔神。

《我が名は――》

《巨大獄炎》

赤い瞳が開く。

邪神天統が命じる。

「行け」

「街も」

「この、偽りの平和も」

「全て焼き尽くせ!」

巨大獄炎が咆哮した。

その瞬間――

天城市全域に警報が鳴り響く。

《超巨大歴史反応確認》

《危険度・最大》

《対象、天城市へ接近》

大十字ラボ。

命の顔色が変わる。

「な、何これ……!?」

大和博士が険しい表情でモニターを見つめる。

そこに映っていたのは。

ビルより巨大な黒炎武者。

大和がゆっくり言った。

「始まったか……」

「巨大歴史魔神との戦いが」

幸村が拳を握る。

「巨大な敵……!」

信玄が笑う。

「面白ぇじゃねえか!」

巴も薙刀を握る。

「みんなで守りましょう」

だが。

大和博士の表情は険しいままだった。

「いや……」

「今のサムライジャーでは勝てない…」

大和は静かに言った。

地下深く。

巨大な城門がゆっくりと開き始める。

その奥で。

五つの巨大な影が、静かに目を覚ましていた――。

次回予告 第十六話

「巨大獄炎、襲来!」

倒された幹部が巨大な姿で復活!

戦極システム最大の秘密――

炎紅騎! 蒼月砲! 覇王城! 緑龍守! 影忍機!

五体の戦極メカ、ついに出撃!

そして――

五将合体! 天守王、誕生!!

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