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第十二話 「闇暗鬼 ―本能寺の真実―」

第十二話

「闇暗鬼 ―本能寺の真実―」

《なぜ本能寺を起こした》

《答えてみろ、明智光秀》

闇暗鬼が叫ぶ。

紫の炎が天を覆う。

《貴様は裏切った!》

《主君を殺した!》

《歴史はそう記した!》

光秀は黙っていた。

何も言わない。

答えない。

その横顔は苦しそうだった。

《見ろ》

闇暗鬼が手を掲げる。

紫の霧が広がる。

映し出される幻。

燃える本能寺。

炎。

崩れる柱。

逃げ惑う人々。

そして――

信長。

命が息を呑む。

風間も言葉を失う。

「これが……本能寺……」

《貴様は何も語らなかった》

《だから裏切り者になった》

《違うか!?》

光秀は拳を握る。

返せない。

何千回も。

自分自身へ問い続けた言葉だった。

その時だった。

「くだらんな」

信長の声。

全員が振り向く。

オウゴンイエロー。

織田信長。

腕を組みながら前へ出る。

《何?》

闇暗鬼が睨む。

信長は鼻で笑った。

「貴様」

「ずいぶん勝手に決めつける」

《何だと》

「光秀が何を考えていたか」

「貴様は聞いたのか?」

闇暗鬼が黙る。

信長は続けた。

「我ですら分からぬ」

「本人の心など本人しか知らん」

光秀が驚いた顔をする。

「信長様……」

信長は振り返らない。

「だがな」

少しだけ笑う。

「光秀は面倒な男だった」

「信長様!?」

政宗が吹き出す。

幸村も思わず肩を震わせる。

「理屈ばかり言う」

「考えすぎる」

「融通が利かん」

「否定できませんね」

光秀が苦笑する。

「だが」

信長の声が低くなる。

「忠義だけは本物だった」

空気が変わった。

光秀が目を見開く。

「信長様……」

「だからこそ」

信長は静かに言う。

「我は今ここで戦っておる」

闇暗鬼が睨む。

《信じるのか》

「当たり前だ」

即答だった。

「四百年以上前の話を」

「今さら蒸し返してどうする」

信長は大剣を肩に担ぐ。

「今の光秀を見れば十分だ」

光秀は言葉を失う。

戦国の世で。

一度も聞けなかった言葉。

信じる。

その一言が胸に刺さる。

命が笑う。

「ほら!」

「信長さんもこう言ってる!」

幸村も笑う。

「俺も信じるぞ!」

政宗。

「疑うのは得意だがな」

「今回は信じる方を選ぶ」

謙信も頷く。

「仲間だからな」

光秀は静かに目を閉じる。

そして小さく笑った。

「参りましたね」

闇暗鬼が後退る。

《なぜだ》

《なぜ信じる》

光秀が刀を構える。

「人は一人では生きられないからです」

「信じることで傷つくこともあります」

「裏切られることもあります」

「失うこともある」

紫の炎が揺れる。

「ですが」

光秀は仲間たちを見る。

幸村。

政宗。

信長。

謙信。

命。

「それでも信じる」

「それが人だからです」

闇暗鬼の瞳が揺れた。

《愚かだ》

《裏切られるぞ》

「そうでしょうね」

光秀は微笑む。

「ですが」

「疑ってばかりの人生よりは遥かに良い」

その瞬間。

桔梗コアが輝いた。

紫の光。

だが以前とは違う。

温かい光だった。

《認めない!!》

闇暗鬼が咆哮する。

紫の炎が暴走する。

本能寺の幻が巨大化する。

街を飲み込もうとする。

「変身!」

五人が光に包まれる。

戦国戦隊サムライジャー出陣。

闇暗鬼の攻撃は凄まじかった。

疑念の炎。

不信の霧。

心の弱さを映し出す幻影。

幸村には仲間を失う未来。

政宗には孤独な未来。

謙信には守れない人々。

信長には誰にも理解されない天下。

だが。

誰も立ち止まらない。

「一人で背負うな!」

幸村が叫ぶ。

「仲間だろ!」

「そういうことだ」

政宗が援護射撃を放つ。

「義は共にある」

謙信が結界を展開する。

「ふははは!」

信長が笑う。

「貴様の敗因を教えてやろう!」

《何!?》

「仲間を知らんことだ!」

黄金の斬撃が闇を裂く。

「今です!」

光秀が跳んだ。

紫の光が集まる。

影分身刀〈桔梗〉が輝く。

闇暗鬼が叫ぶ。

《信頼など幻想だ!》

光秀は静かに答えた。

「いいえ」

「信頼とは」

「選ぶものです」

無数の影分身が現れる。

闇暗鬼を包囲する。

「桔梗奥義――」

仲間たちの光が重なる。

赤。

青。

金。

緑。

紫。

「真影連刃!!」

巨大な五色の閃光。

一直線に闇暗鬼を貫いた。

静寂。

紫の炎が消えていく。

闇暗鬼は崩れながら光秀を見る。

《なぜ……》

《そこまで……》

光秀は静かに微笑んだ。

「私は一人ではないからです」

闇暗鬼の瞳が揺れる。

《そうか……》

《それが……お前の答えか》

光秀は頷く。

「ええ」

闇暗鬼は初めて穏やかに笑った。

《少しだけ……》

《羨ましいな》

その身体が光へ変わる。

《信じられる者がいるというのは……》

最後の言葉を残し。

闇暗鬼は消滅した。

戦いは終わった。

夕日が街を照らす。

信長が光秀の肩を叩く。

「面倒な男よ」

光秀が苦笑する。

「褒め言葉として受け取っておきます」

「違う」

信長が笑う。

「最大級の評価だ」

光秀は少し驚き。

そして静かに笑った。

その頃。

黒き城

邪神天統の前。

最後の幹部席が空席となる。

獄炎。

独眼零。

魔心魔王。

裁天。

闇暗鬼。

全て敗れた。

しかし。

邪神天統は笑っていた。

《よくぞ乗り越えた》

《だが試練は終わらぬ》

玉座の背後。

巨大な歴史の歯車が回り始める。

《次なる舞台は――》

《歴史そのものだ》

邪神天統の瞳が赤く光るのだった…。           次回予告

第十三話

「失われた虎」                記憶を失った武田信玄は、武田信として商店街の団子屋で働きなが、生活していた…だが、突如として現れた歴史魔人に襲われ記憶を呼び覚ます!唸れ!《風林火山!》

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