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MagiaLostFantsia  作者: 葛葉龍玄
竜の住処

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絶対絶命


「まずいかな」

 エグゼがつぶやく。

 少し離れた所からその戦況を見守っていたのだ。

「一応私が近くまで行き、どうしても勝てないようなら……」

 ビスタもハルバートを手に取り、戦場へ向かう。

「そうだね、負けられない戦いだ。何かあったら、頼むよ」

「分かった」

 そういって、ビスタは戦場に駆けて行った。




「くそ! まさか逆に罠に嵌められるとはっ!」

 ダビデがほえる。

 ダイモスもココロの回復に向かいたいが、敵が邪魔でうまく動けないでいる。

 とりあえず、回復薬をココロの足元にほうっておいたため、目が覚めたら自分で使うであろう。

 ダビデが眼前のオークの群れへ。

 ジェイクが後方のボスオークへ、それぞれ牙をむく。

 ダビデ前方のオークたちは、未だに目潰しから、回復していない。

 これなら、俺一人でも!

 ダビデは流れるような剣技で、敵を切りつけていく。

 手に持つは、天才鍛冶師たたら作の名剣だ。

 分厚い脂肪の下に、強靭な筋肉の鎧をまとったオーク相手では、普通の剣など簡単に弾き返してしまうだろう。

 しかし、その名剣はオークの装備している皮の鎧ごと、いとも容易く切り裂いてみせる。

 「2、3っ!!」

 何匹切り倒したところで、刃こぼれ一つ、脂染み一つ着きはしない。

 しかし、ここで油断するほどダビデは愚かでもなく、自身の腕も過信もしていなかった。

 眼の見えないオークの大振りは、かすっただけでもクリティカルになることだろう。

 後方からは、ダイモスも弓矢で応戦してくれていいる。

 後方支援の役目は、何も飛び道具だけではない。

 後方からしっかりと戦況を把握し、指示を飛ばし、時にはアイテムで支援をする。

 ダビデとジェイクの間で、ダイモスは冷静に頭を回転させていた。

 ボスオークに効くかどうかは分からないが、矢に毒を塗る。

 その毒は致死性ではないが、矢に少量塗っただけで、大型の獣をも痺れされる優れものだ。

 様々な毒草や、蟲の体液などを調合して作り出した傑作である。

 ジェイクはすばやい動きでボスオークを翻弄している。

 巨体に見合ったすばやさしか持ち合わせていないが、その怪力は侮れない。

 もし通常の武器だったら、と思うとぞっとする。

 この武器だからこそ、ボスオークとも対等以上に戦えているのだ。

 末端部、手や足などから攻撃を仕掛ける。

 右手の腱を狙い、足の筋を断ち切ろうと、槍のリーチを生かしながら、敵を翻弄する。

 しかし、攻撃する傍から、小さい傷はたちどころに回復してしまう。

(魔法が使えなくなってから、オートヒールも出来なくなってるはずだが)

 ジェイクは考える。

 今までも、造魔ーーミハエルの軍勢ーーは魔法が使えるのではないかという疑惑があった、とエグゼから聞いている。

 もしかしたら、今戦っているオークも、もしかしたら魔法が使えるのかも知れない。

 そうでなくても難敵なのだ。

 持久戦に持ち込めば不利だろう。

 ありがたいことに、ダイモスが射掛けた毒矢が効いているのか、動きが鈍くなってきた。

 ここは一気呵成にせめてもよいだろう。

 ダビデも6、7匹と順調に倒している。

 しかし。

 一匹のオークが、ココロの頭をつかみ、戦場に引きずり出す。

 奴らは知っているのだ、人質をとれば、敵が動けなくなることを。

 ダビデが一瞬躊躇する。

 しかし、その逡巡が命取りだった。

 オークの攻撃をまともに喰らってしまうダビデ。

 一撃必倒のクリティカル。

 弾き飛ばされれ、2回、3回と地面を転がるダビデはそのまま動かなくなった。

 死んではいなさそうだが、戦線復帰はもう望そうにない。

 オーク3匹、ボスオーク1匹。

 人質も取られ、絶対絶命のピンチに陥ってしまった。

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