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異人  作者: 蒼蕣
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大人も子供も

「と、いうのが私の案なんですが、どう思いますか」

「やはり、課長の商品は説得力が違いますね」

「自分も一生懸命考えたつもりだったんですけど…」

「今の時代にぴったりともいえるでしょう」

「共働きでもリモートワークが流行っていて家にいる時間が多いですから。休憩がてら子供と遊ぶのもいいですよね」

彼らの出したアイデアは今一世を風靡する人気アニメの武器を再現したものや、英語が義務教育となった今の時代にぴったりといえる英語を楽しく学べるおもちゃ、そして一つで様々な遊びが楽しめるボードゲームなどそそられるものはあったが、彼らは皆私のが一番いいと押してきた。賛否両論かと思ったが、満場一致。上司だから気遣っているのか、私なんかの顔を立てているのかと疑ったが、どうやらそうでもないらしい。

結局私のアイデアを発展させることに決め、次のステップに進んだ。

それは具体的にどんなボードゲームにするか。

大人と小さい子供どちらも楽しめるボードゲームとは一体どんなものか。これまで存在するボードゲームといえばチェスやオセロなど対戦方式のもの、しかしこれだと私の考えるする対象年齢では難しすぎる。

パズルだと子供も大人も楽しめる絶妙なものを選ばなければならない。形が複雑すぎず簡単すぎず、ピースの数も多すぎず少なすぎないものを。研究のしがいはあるといえよう。

サイコロを使うすごろくなどもいいかもしれないが、式学率の低い幼い子供ではつまらないかもしれない。

ここでも難を極めた。やはり大人と幼い子供の両方を対象年齢にするのは無理があったのだろうか。やはりどちらかを譲歩しないと。

「従来のものではなく新しいボードゲームを企画したほうがいいんでしょうか」

静まり返った会議室で声を発したのは平松くんだった。

「そうだな〜しかし新しいゲームと言っても受けるかどうかはわからない。逆に従来のものを改良したものであれば誰でも知ってるから手に取りやすいと思うんだが…」

百武さんも悩みながらそう答えた。

「やはり対象年齢を幼児だけにして大人たちは子供に教える形で参加させるのはどうでしょう? それでも十分大人たちは楽しめると思いますよ」

木下くんが提案した。

「どう思いますか、円城寺くん」

私は隣で顎を触理ながら手元を凝視している円城寺くんに話しかけた。

「はい、私も同意見です。大人たちの遊び心を燻らせるにはやはりちょっと複雑なゲーム、頭を使って戦略を立てたりするのが鉄則、もう少し対象年齢が高ければ子供と大人どちらも楽しめるなぞなぞや水平思考ゲームが使えるんですが…正直言って大人たちは遊んでいる、笑っている、遊びながら何かを学んでいる子供達を見るだけで十分て感じがしますよね」

「城さんがそうおっしゃるんならじゃあその方向で行きましょうか…」

円城寺くんは私の次に期待され、誰からも慕われる存在であるため、彼が言ったことに対し従うことが多い。

実質私も「その線で行こう」ということが多々あり、今までのヒット商品の根底には彼の考え方が仕込まれている。

しかし今回だけは違った。

「そうか、それだ!」

何か重大な証拠を見つけ、犯人特定にたどり着いた探偵のようなセリフを私は思わず吐いてしまった。

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