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異人  作者: 蒼蕣
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プレッシャー

私は緊張などしない。と言うよりかは経験がない。

他のみんなは学校の入学式、学校の試験、学芸会、就職時の面接、もしくは好きな人に告白する時など緊張する場面は幾度となく経験してきたはずだ。

しかし私はと言うと小学校の入学式などは記憶になく、施設などの進級試験は別に点が悪くても誰にも咎められないのだからと気楽にやっていた。この会社に就職する時も別にこの会社に入れなくても他があると思っていたし、新商品を発表する会議でも事前に同僚や部下に見せた時好評だったので別に他の人たちに見せたところで同じ反応をするだろうとタカをくくっていた。

特にあの施設での生活や進級試験は自分の命がかかっていたので緊張を通り越して恐怖で怯えていた。

そんな時に適度な緊張を味わえる機会が巡ってきた。

それが合同新製品発表会だ。

これは自社のみならず、弊社と似た製品を売っているライバル社も同時に新商品を発表する場。

そこに参列するのは我々商品を手がける会社だけでなく取引先や部品製造を頼んでいる会社など五十社以上だそうだ。

そんな大発表会を五ヶ月後ホテルのイベント会場で行うことが決まった。そこに我ら企画部も出席し、発表することになった。

もちろんそこで好評であれば自社製品は爆発的に売れるだろう。しかし逆に酷評であれば売り上げは著しく低下する。

つまり極端な話をすれば自社の存亡をかけた戦いというわけだ。まあ商品が一つや二つ売れなくなったからと行って、会社の経営が傾くことはあっても、一気に倒産とまではいかないだろう。

しかし我が社の企画部には三班存在する。三班全員が出場するのではなく、そのうちの一班が会社代表として公の場に立つのだ。そこでまずは三つの班が新商品を企画し、一番好評だった班のものを発表会に出すということで、我が班だけでなく企画部全体が盛り上がりを見せていた。

我が班はもちろん、他の班の誰も勝負する前から敗北感や劣等感の意を示していなかった。

企画部内での新商品発表の期限は二ヶ月。しかしそこで勝者は決まらず、開発部と合同でその商品の実物を作る。その工程に一ヶ月半。その後もう一度会議を行い、そこで決まった新商品一つを三班合同で必要なら改良し、イベントで発表するという流れだ。

新商品の企画は通常構想に一ヶ月、開発部に頼んで実物を作るのに最低でも一ヶ月はかかる。そこから商品となって店頭に並ぶとなると全て合わせて三ヶ月と言ったところだろう。

今回は自社だけでなくライバル社や製品を売る取引先まで見に来るのだ。今まで以上に力を入れなければと余計に緊張するのだろう。わが社がこの業界最大手として格と威厳を見せなければと皆プレッシャーを感じながらも意気揚々としていた。

それにつられてか私の心拍数が平常より早くなり、握った拳にも力が入った。

みなさん、ご無沙汰しております。いかがお過ごしですか。今回が今年最後の投稿となります。一年間ありがとうございました。徐々にではありますが、確実に読んでくださっている人数が増えており、非常に嬉しい限りです。来年以降も励んで行きますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします。それではよいお年を。

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