↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
親友の代わりに待ち合わせしていたら、片思いしてた騎士が現れました  作者: 翠川ニナ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
4/6

暴かれた秘密

それからの数日間、エナはまるで魂が抜けたかのように過ごした。


セシルからは、翌日に「無事に彼と会えたわ! 本当にありがとう、エナは私の命の恩人よ!」という、喜びの弾んだ手紙が届いたが、エナはそれに短い祝辞を返すのが精一杯だった。


ガイヤが愛しているのは、三年前の自分。


けれど、彼が求婚しているのは、侯爵令嬢のセシル。


この歪んだ三角関係の中で、エナはただ一人、秘密の重さに押し潰されそうになっていた。


一週間後。事態は急展開を迎える。


ヴィルロワ子爵邸の応接室に、青ざめた顔のセシルが飛び込んできたのだ。


「エナ! 大変なことになってしまったわ!」


セシルは部屋に入るなり、エナの手を握りしめてガタガタと震えた。


「どうしたの、セシル? 落ち着いて」


「落ち着いてなんていられないわ! レオンハルト公爵家からの縁談の件よ。お父様がね、先方から『セシル嬢の体調はいかがか。あの雨の日以来、心配している』というお手紙をいただいたの。でも、私はあの日に風邪なんて引いていなかったし、お父様には『その日は会えなかった』と言い訳していたから……お父様、不審に思って私を問い詰めたのよ!」


エナは心臓が止まるかと思った。


「それで……どうなったの?」


「私、怖くなって、つい白状してしまったの……。あの日はエナに身代わりになってもらったって。お父様は激怒して、今、レオンハルト公爵邸に謝罪に向かっているわ。身代わりを立てて騙すような真似をしたのだから、この縁談は破談よ。それはいいの、私は嬉しいけれど……でも、エナ、貴女にまで迷惑が及ぶかもしれないと思って……!」


セシルは涙を流してエナに謝罪した。


エナは、セシルを責める気にはなれなかった。いつかは露見する嘘だったのだ。ただ、ガイヤがどれほど傷つくだろうかと思うと、胸が張り裂けそうだった。彼は三年間、あのハンカチの少女を想い続け、ようやくその相手と結ばれると思った矢先に、すべてが嘘だったと知らされるのだ。


「……セシル、貴女は悪くないわ。元々は私が身代わりを引き受けたのが原因だもの」


「エナ……」


その時、応接室の扉が激しく叩かれた。


家令が血相を変えて入ってくる。


「エナお嬢様! 大変です、レオンハルト公爵家の……ガイヤ様が、当家に直接お見えになりました! もの凄いご様子で、お嬢様への面会を求めておられます!」


「えっ……!」


セシルが悲鳴を上げる。


エナは、ついに覚悟を決めた。彼が怒るのも当然だ。騙した罪を、自分がすべて被ろう。


「セシル、貴女は奥の部屋に隠れていて。私が、すべてをお話しするわ」


「でも、エナ……!」


「大丈夫よ。行って」


セシルを隣室へ避難させると、エナは深く息を吸い、背筋を伸ばした。


「ガイヤ様を、ここへ通して頂戴」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。