第7話 もう一度、あの世界へ
翌朝、エルンは公園に持っていくお弁当の用意をしていた。
勿論、両親の分も作っておくのだが、公園に持っていく分も二人分作っていた。
エリルが様子を見に来た。
エリル「あら、美味しそうね。でも一つ多くない?誰の分?て、まさか!?」
エルン「何も食べてなさそうだったから、少し差し入れしてあげようと思ったのよ!悪い?」
エルンのそんな態度にエリルはハッとした。
エリル「エルン、貴女まさかその人のこと…」
エルン「何とも思ってません!ただ何となくよ、なんとなく!あ、もう九時!そろそろ行かないと!」
エルンは急いでお弁当二人分をバスケットの中に入れた。
エリル「そんなに急がなくても、忘れ物無い?懐中時計持った?」
エルンは懐中時計を服の上から手で確認した。
エルン「大丈夫、ポケットに入ってる!じゃあ、行ってきます!」
エリル「気をつけてね」
エルンは玄関を出てドアを閉めて公園へ出掛けた。
エリル「…そういう年頃よね」
そして、エルンは公園に着いて、いつものベンチに座った。
周りを見たがあまり人は居ない。
正面の離れた所にある噴水の方も見たが誰も居なかった。
エルンはバスケットから読みかけの本を取り出して読み始める。
噴水の方が気になり時々チラチラ様子を見るが人は居なかった。
エルンはしばらく本に集中する事にして読んでいた。
何ページか読んで、ふと前を見た。
すると、正面の噴水の座れる縁にルドアードがこちら向きに座っていた。
エルンはバスケットに本を仕舞い、ルドアードのところへ駆けて行った。
ルドアードは立ち上がり、エルンを迎えた。
ルドアード「戻って来てくださったのですね」
エルン「昨日はごめんね。私も色々考えたんだけど、本も好きだけど、あの世界も面白そうだなって思ったの。だから、もう一度行ってみたい。お願い、もう一度連れて行って」
ルドアード「ありがとうございます。貴女ご自身がそうお決めになられた事、私は何より嬉しく思います」
ルドアードはエルンの傍へ少し近づく。
ルドアード「では今からあの世界へ貴女をお連れ致します」




