表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/9

第5話 神武東征と、薄すぎる天皇たち

今回は神武東征です。

九州から大和へ進み、鳥に案内され、豪族を倒し、初代天皇が誕生します。

その後しばらくは記述が急に薄くなります。古事記編集部、たぶん資料不足です。


第六章 ~ 神武東征 ~ 初代天皇のロードムービー ~


カムヤマトイワレビコ(以下、神武)は日向(宮崎)にいた。


ある日、兄の五瀬命イツセと相談した。


「この国の中心はもっと東にあるはずだ。東に行こう」


「いいね、行こう」


ノリが軽い。


こうして神武の東征が始まった。軍を率いて九州から東へ。


途中、各地の豪族に歓迎されたり戦ったりしながら進む。


問題が起きたのは浪速(大阪)に着いたとき。


待ち構えていたのは登美能那賀須泥毘古トミノナガスネビコ。名前が長い。地元の有力者である。


激戦になった。兄のイツセが矢を受けて負傷。


「くそ……太陽の子孫なのに、太陽に向かって(東に向かって)攻めたのがまずかった……」


冷静な分析をしながら、イツセは傷がもとで死亡。


神武は方針を変えた。


「回り込んで、東から西に攻めよう。太陽を背にして」


紀伊半島をぐるっと迂回。熊野から攻め上がるルートを取った。


第七章 ~ 熊野の森 ~ 毒気で全滅しかけて鳥に救われる ~


熊野の山中は過酷だった。


巨大な熊(実は神)が現れ、神武軍は全員意識を失った。


そこに一人の男が駆けつけ、一振りの太刀を神武に差し出した。


高倉下タカクラジと申します。夢でアマテラスとタケミカヅチから『この剣を届けろ』と言われまして」


物流が夢経由。


太刀の力で全員が目覚めた。この剣が布都御魂フツノミタマである。


だが熊野の山道は複雑で、進めない。


するとアマテラスが遣わした八咫烏ヤタガラスが現れた。三本足のカラス。


「こっちだよ」


ナビゲーション開始。


八咫烏の案内で山を越え、吉野を通り、ついに大和の地へたどり着いた。


余談だが、この八咫烏は後の世でサッカー日本代表のエンブレムになる。カラスも出世したものである。


第八章 ~ 大和平定 ~ 策略と歌と、ちょっとした虐殺 ~


大和に入った神武だが、敵はまだ多い。


まず兄師木・弟師木エシキ・オトシキを倒した。


次に兄猾・弟猾エウカシ・オトウカシ兄弟が待ち受けていた。


兄の方は罠を仕掛けて神武を殺そうとしたが、弟が裏切って密告。兄は自分の罠にかかって死亡。


自爆。


そして最大の敵、再びナガスネビコ。


ナガスネビコは自分が仕えている神・饒速日命ニギハヤヒもまた天津神の子孫だと主張した。


「俺の主君も天から来たんだが? お前だけが正統じゃないだろ」


なかなかの正論である。


しかしニギハヤヒ本人が「この人が本物っぽい」と神武側に寝返り、ナガスネビコを殺した。


主君に裏切られて死亡。 一番かわいそうなやつである。


こうして神武は大和を平定し、橿原宮で即位した。


初代天皇、誕生。


即位後、美人の伊須気余理比売イスケヨリヒメを皇后にした。


出会いのきっかけは「川で見かけて可愛かった」。


この一族の嫁の選び方、初代から一貫してブレない。


第九章 ~ 中間の天皇たち ~ 暗黒のダイジェストゾーン ~


ここから数代の天皇が続くのだが、古事記の記述がびっくりするほど薄い。


第二代・綏靖天皇すいぜい:兄を殺して即位。以上。


第三代・安寧天皇あんねい:即位した。以上。


第四代・懿徳天皇いとく:即位した。以上。


第五代・孝昭天皇こうしょう:即位した。以上。


第六代・孝安天皇こうあん:即位した。以上。


第七代・孝霊天皇こうれい:即位した。以上。


第八代・孝元天皇こうげん:即位した。以上。


第九代・開化天皇かいか:即位した。以上。


手抜きか?


これを「欠史八代」という。歴史学者の間では「実在しなかったのでは」と言われている。


古事記編纂者も書くことがなくて困ったのだろう。気持ちはわかる。


第十章 ~ 崇神天皇と垂仁天皇 ~ やっと仕事する天皇が出てきた ~


第十代・崇神天皇すじん。ようやくまともにエピソードがある天皇。


在位中に疫病が流行り、人口が半分になるという大惨事が起きた。


原因を占うと、大物主神オオモノヌシが怒っていた。


「俺を祀る子孫が冷遇されてるんだが?」


大物主の子孫・意富多多泥古オオタタネコを探し出して神主にしたところ、疫病がぴたりと止んだ。


神、わりと自己主張が激しい。


続く第十一代・垂仁天皇すいにんの時代には、面白い話がある。


皇后・沙本毘売命サホビメの兄・沙本毘古命サホビコが反乱を起こした。


サホビコは妹に短刀を渡して言った。


「天皇が寝ているときに刺せ」


サホビメは短刀を持って天皇の寝所に行った。天皇は膝枕で寝ている。


三回、短刀を振り上げた。


三回とも、泣いて刺せなかった。


涙が天皇の顔に落ちて、天皇が目覚めた。


「なんか顔が濡れてる……雨? あと夢で小さい蛇が首に巻きついてた」


サホビメは全部白状した。


天皇は軍を出して兄を討ちに行ったが、サホビメは兄のもとへ走り、火の中で兄と共に死んだ。


古事記、ここだけ急にシリアス。


さらに垂仁天皇の時代、田道間守タジマモリが「常世の国から不老不死の実を持ってこい」と命じられて旅立った。十年かけて持ち帰ったが、天皇はすでに崩御していた。田道間守は墓の前で泣き死にした。


ギャグ路線なのに泣かせにくるな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ