表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Rose Code ― 感情未定義都市 ―  作者: Laica
第4クール「選択の都市」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
44/48

第44話 赤い中枢

挿絵(By みてみん)

巨大鉄壁が、

背後で閉じていく。


轟音。


振動。


地下搬入口が、

完全封鎖された。


シオン達は、

中央区内部へ転がり込む。


空気が違った。


静かすぎる。


白い壁。


白い床。


冷たい照明。


下層区の油臭さも、

錆の匂いもない。


無機質だった。


アスターが小さく呟く。


「……病院みたい」


グレンが苦く笑う。


「墓場だよ」


ローズはまだ不安定だった。


歩けている。


だが時々、

身体が小さく止まる。


制御ノイズ。


内部命令が衝突している。


シオンは、

そっとローズの手を支えた。


冷たい。


でも。


握り返す力が、

ほんの少しだけあった。


その時。


中央区全域へ、

低いアナウンスが響く。


『適正化プロトコル進行中』


『非適正区域の封鎖を開始』


『住民は待機してください』


静かな女声。


感情がない。


アスターが怯えて、

ルカの手を握る。


ルカはぼんやり前を見ていた。


「……始まった」


グレンが眉をしかめる。


「何がだ」


ルカは小さく答える。


「選別」


空気が重くなる。


その時。


遠くのガラス窓の外で、

閃光が走った。


爆発。


シオンが息を呑む。


中央区のさらに下。


下層ブロック。


炎が上がっていた。


エヴァが低く吐き捨てる。


「マジで始めやがった……」


都市が。


自分の住民を切り捨てている。


シオンの胸が冷える。


その時。


ローズが突然立ち止まった。


銀色の瞳が、

正面通路を見る。


「……来る」


次の瞬間。


白い通路奥で、

一斉に照明が赤へ変わった。


警報。


金属音。


壁面が開く。


そこから現れたのは、

人型機動兵。


黒い装甲。


無表情の白い仮面。


複数。


統一動作。


エヴァの顔色が変わる。


「中央防衛群……!」


グレンが舌打ちする。


「最悪の歓迎だな」


人型兵器達が、

一斉に武器を展開する。


レーザー照準が、

全員へ向いた。


シオンの身体が強張る。


だが。


その瞬間。


ローズが前へ出た。


静かに。


まるで。


自分の役目を思い出したみたいに。


シオンが息を呑む。


「ローズ……?」


ローズは振り返らない。


ただ、

小さく言う。


「下がって」


その声は。


前より少しだけ、

柔らかかった。


次の瞬間。


中央防衛群が一斉突撃する。


ローズが消える。


銀色の残光。


轟音。


一機の首が宙を舞った。


エヴァですら目を見開く。


速い。


だが以前と違う。


ただ破壊する動きじゃない。


守るために戦っている。


ローズが空中で回転する。


蹴り。


衝撃。


二機目が壁へ叩き潰される。


だが。


敵は止まらない。


通路奥から、

さらに防衛群が現れる。


赤い照準光が、

空間を埋めていく。


グレンが怒鳴る。


「数が多すぎる!」


その時。


中央区全域へ、

再びアナウンスが響く。


『中央演算体より通達』


『管理者権限異常を確認』


『旧管理コードを排除します』


空気が変わる。


アベルの表情が、

初めて凍った。


シオンが見る。


アベルは前方を見つめたまま、

小さく呟いた。


「……私を、

切り捨てるのか」


静寂。


シオンは理解する。


都市は今。


アベルすら、

不要と判断した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ