表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Rose Code ― 感情未定義都市 ―  作者: Laica
第2クール「未定義感情」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
22/48

第22話 反逆者

挿絵(By みてみん)

赤い警告灯が回っていた。


地下通路へ警報音が響く。


ローズの銃口は、

まだシオンへ向けられている。


シオンは動かなかった。


怖い。


喉が乾く。


でも目を逸らさない。


ローズの瞳が激しく揺れていた。


赤。


青。


ノイズ。


まるで二人いるみたいだった。


『対象排除』


機械音声みたいな声。


でも次の瞬間。


「……ちがう」


ローズ自身の声が混ざる。


身体が震えている。


銃口が揺れる。


シオンはゆっくり一歩近づいた。


グレンが通信越しに怒鳴る。


『やめろ! 撃たれるぞ!』


シオンは聞かない。


ローズだけを見る。


「ローズ」


ローズの指が引き金へかかる。


シオンの呼吸が止まる。


でも。


撃たない。


ローズの腕が震えている。


必死に止めていた。


シオンはもう一歩近づく。


「戻って」


ローズが苦しそうに息を吐く。


『命令優先』


「違う!」


シオンの声が地下へ響いた。


涙が滲む。


「ローズは命令じゃない!」


ローズの瞳が揺れる。


赤が乱れる。


警報音。


ノイズ。


頭を裂くみたいな電子音。


ローズが苦しそうに壁へ身体を打ちつけた。


銃が床へ落ちる。


金属音。


シオンが駆け寄る。


ローズは頭を押さえたまま、

低く呻いた。


「……離れて……」


「嫌」


「危ない……!」


シオンはローズの腕を掴む。


冷たい。


でも震えていた。


シオンは泣きそうな声で言う。


「私はここにいる」


ローズの呼吸が乱れる。


シオンは続けた。


「一人じゃないから」


その瞬間。


ローズの瞳から、

赤が消えかける。


だが。


突然。


地下通路の扉が爆発した。


轟音。


熱風。


シオンが振り向く。


煙の向こう。


武装部隊。


黒い装甲。


複数。


そして。


その中央を、

エヴァが歩いてくる。


白いコートだけが、

異様に静かだった。


シオンの顔が強張る。


ローズもゆっくり顔を上げる。


エヴァは二人を見る。


床に落ちた銃。


苦しむローズ。


シオンの手。


全部を一瞬で理解した。


エヴァの表情が僅かに曇る。


「強制同期……」


低い声。


ローズが掠れた声を出す。


「来るな……」


エヴァの目が揺れる。


でも後ろの兵士達は銃を向けた。


『執行官エヴァ』


機械音声。


『対象ローズを再制御してください』


エヴァは答えない。


機械音声が続く。


『排除対象シオンの処分を許可』


シオンの背筋が凍る。


兵士達の銃口が向く。


ローズが反応しようとする。


だが動けない。


同期ノイズ。


エヴァは静かに目を閉じた。


数秒。


本当に数秒。


それから。


ゆっくり銃を抜く。


シオンの呼吸が止まる。


兵士達も止まる。


エヴァは前へ出た。


白いコートが揺れる。


銃口が上がる。


向けられた先。


兵士だった。


発砲。


轟音。


先頭の兵士が崩れ落ちる。


地下通路が凍りつく。


誰も動けない。


エヴァが低く言った。


「……もう戻れないわね」


次の瞬間。


銃声が一斉に炸裂した。


エヴァが兵士を撃ち抜く。


火花。


悲鳴。


ローズの目が見開く。


シオンも息を呑む。


エヴァは迷わなかった。


もう。


完全に。


組織へ銃を向けていた。


エヴァが叫ぶ。


「ローズ!」


その声は初めて、

執行官じゃなかった。


「早く行って!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ