第六章 ゴールと夕べ 〜歓喜の先にあるいつもの夕べ〜
ゴールを決めた試合後の、我が家のいつもの夕べを描いた。
女性サッカーチーム戦の後半である。
前半はDFだったが、後半はFWを任された。ハーフタイムが終わり、後半が始まると、私は左FWのポジションについた。
案の定、相手のスピードはそれほどではなく、マークも激しくなかった。何回かプレイしていくうちに、味方選手が私のプレイスタイルをつかみ、要求する場所にパスしてくれるようになった。
後半15分過ぎに「それ」は訪れた。外側にポジションをとっていた私の足元に、ゲームメイカーからのパスがきた。私は、ボールを右足でワントラップし、フェイントをかけ、傍にいた相手MFを抜き去った。そのまま、ゴール目掛けてドリブル。すると、相手DFが鬼の形相で迫り、ボールを奪い取ろうとしてきた。そこで、内側に切り込むふりをして、左足にボールを持ち換え、縦に突破した。
ついにGKとの1対1。冷静に相手の動きを見て、タイミングをずらすため、右足のトーキックで「トン」とシュートした。虚を突かれたGKは「あっ」という言葉を残しただけでほとんど反応せず、ボールはゴールの網を揺らした。うれしさより安堵感で満たされた。味方からも祝福され、照れ臭かった。
試合後は、クールダウンのストレッチもほどほどに、自宅へ急いで帰った。「ただいま」もそこそこに、リビングルームに入り、ゴールのことは勿論、試合の様子も嬉々として家人に語った。
ここで一句
あっそう、と 背中で返事 隙間風
その後、風呂に入り、汗を流し、身体を十分に温め、強張った筋肉をほぐした。風呂から出てから、遅い昼飯をとり、2時間ほど昼寝をした。
目が覚めて、トイレに行こう、と布団を脚で跳ね上げた途端、右脚太もも裏に激痛が走った。攣ったのである。思わず、「イタタ……痛い!痛い!」と大声で叫んでしまった。
ここで一句
阿鼻叫喚 あげたところで 沙汰もなし
一人でベッドの上でもんどり打ち、必死に痛みをこらえ、右足のつま先を掴んで引っ張り、太ももの裏を伸ばした。何とか痛みが和らいだところで、湿布を貼り、トイレに行って用を足した。
夕刻になり、大相撲を観戦し、家族と夕飯を食べ、大河ドラマを観て、就寝した。
ここで一句
今日もまた 何事もなき 夕べかな
ある公募先に応募した時の最終章である。その後、サッカーをやる度にネタが増え、その都度書いていたので、この章を第六章とした。
第七章は、第一章の減量内容の続きの章である。




