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第五章 バックステップ 〜試合中に起きた爆笑のシンクロ〜

 シニアサッカーあるあるの話で、やらかした本人もびっくりの笑い話である。

 私は、シニアサッカーの県リーグと市リーグで、別のチームに所属している。今回は、市リーグ戦での出来事である。

 市リーグは県リーグと比べて、スピード、技術、強度などすべてにおいてレベルは高くない。そのため、市リーグの試合は、余裕をもったプレイができるのでありがたい。だが、試合会場は、県リーグのような整備された競技場ではなく、河川敷グラウンドのため、芝らしき草の生えたピッチはボコボコである。これは、怪我のリスクが高まるので、ありがたくはない。

 今節の対戦相手は、女性チームだ。(市リーグは、女性チームも参加できる。女性の年齢制限はない)30代の若い選手が多く、我々爺さんチームよりも運動量や技術はある。だが、スピードや強度がない分、比較的楽な相手であるといえる。さらに、今日はゲームメイカーを含め、主力選手がいない。しめしめである。

 試合が始まり、開始早々味方があっさりと得点。これでチームの緊張感、集中力が一気にダウンした。センターバックをしていた私から見て、明らかに中盤のマークが甘くなった。そして、試合が進むにつれて、相手にボールを支配される時間が増えた。

 試合開始15分ほど過ぎた頃、ハーフウェイライン付近で、味方選手が不用意なプレイでボールを奪われた。ボールを奪った相手選手は、すぐさまドリブルで攻撃を仕掛けてきた。カウンター攻撃だ。味方がボールを奪われることを予測していなかった私はあせり、相手との距離を保とうと、バックステップで自陣のゴールに向けて素早く下がった。

 その刹那、相手が急に視界から消え、青空だけが見えた。芝の切れ目につまずき、仰向けに倒れてしまったのである。「やはい」「恥ずかしい」と思い、とっさに左側の味方DFを見た。

ここで一句

やばっコケた 横を見遣れば お前もか


なんと、味方のDFもまったく同じ姿勢で仰向けに倒れていたのである。ハーフタイムのベンチで2人とも笑いのネタになったのは、言うまでもない。

 転倒は、シニアサッカーあるあるではあるが、あれほどのシンクロ率はない(笑)たまに担架で運ばれる怪我もあるが、今回はそこまで深刻な怪我とはならなかったのはよかった。

次の日は、普段筋肉痛にならない両腕や首が痛んだ。

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