第三十九章 弱点克服? 〜 それともたまたま? 〜
久しぶりの試合だった。2週間前は、インフルエンザに罹った家人の看病で、ドタキャン。先週は、雨で会場が使えず試合がキャンセル。そんなこんなで、約1ヶ月ぶりの試合となった。
この試合は、公式戦ではなく、高校時代の先輩が東京の西多摩で代表を務めているチームとの親善試合である。我がチームの代表者がその先輩と同期で、2人で話を進めて実現した試合である。会場が、我が市から約100kmも離れた北東の河口湖町のグランドだったため、我がチームだけでは参加者が2、3人しかおらず、4チームほどの寄せ集めチームとなった。
寄せ集めチームでもやはりDFを任された。しかも最近やってないセンターバック (CB)である。自チームでは普段サイドバックなので、一抹の不安があった。それは、「ヘディング」である。CBでは避けてはならないプレイではあるが、サッカー選手として復帰してからずっと苦手意識が払拭できていない技術である。(学生時代は得意技であった。第一章参照)
その大きな原因の一つは、視力である。普段から眼鏡を外してプレイをしているが、裸眼で0.2程度しかないので、ボールが顔の直前まで来ないと、はっきりと見えない。そのため、怖くてヘディングを思いっきりできないのだ。サッカー用度付きゴーグルを着用すれば、と思われるだろうが、あれは結構高額で、私には手が出ない。
ここで一句
ゴーグルや 私にとって 高値の花
だが、そんなことは毛ほども見せずにプレイしなくてはならない。試合が始まった。一進一退の攻防でどちらもゴール前に迫るが、ゴールネットを揺らすことはなく試合は進んだ。
試合は、20分を3本の形式で行われた。1、2本目はスコアレスドロー。3本目は両チームともに2得点し、試合は2対2で終了した。
ところで、懸案のヘディングであるが、結果から言うと、なんとシニアサッカーを始めてから一番良い出来であった。
ヘディングは合計3回。1本目は、相手中盤から放たれたロビングキックをヘディングした。2本目は、味方サイドバックが相手と競り合って浮いたボールをヘディングした。そのどちらも味方への成功パスとなった。まぐれではなく、ヘディングする前に味方を確認してのヘディングパスだった。
3回目は、3本目の試合だった。相手のシュートが味方に当たり、ボールはGKの頭上を越え、無人のゴール前へふわりと浮いた。詰めてきた相手が、反則覚悟で突っ込んで来るかもしれない恐怖を振り払い、相手からのチャージに備えて身体を固めながら思いっきりヘディングでクリアーした。どのヘディングも今までの私には出来なかったプレイだった。
ここで一句
北東の 河口湖にて 鬼門破り
いま思い返しても、なぜうまくヘディングが出来たのかよく分からない。特に練習した訳でもない。兎に角、弱点を一つ克服できたのは、公式戦に向けての大きな収穫であった。次回の試合で同じようにヘディングできるかは、知らんけど……。




