第三章 試練 〜それでもやめない脳筋のサガもしくはサーガ〜
「試練=肉離れ」。肉離れに襲われた人ならばよく分かるかと思うが、痛くてたまらないものである。ただ、痛いのは身体だけではない。
シニアサッカーを始めてから筋力痛に苦しめられた。試合時間は前後半30分、計60分である。始めたばかりの頃は、両脚のふくらはぎが攣り、開始15分で交代する体たらく。毎回、脚を引きずっては、クルマに乗り込んだ。
なぜそんなにも筋肉痛になってしまうのか?それは、私がサロメチール信者ではないから。ではなく、シニアサッカーを始めるまでは、クルマを趣味にし、休日はいつもドライブに出かけていたからだ。30数年間、自分の脚ではなく、タイヤで走っていたのだ。鈍るはずである。(当時は、MT車に乗り、AT車を密かに馬鹿にしていた。)
県リーグ戦が何試合か消化し、秋口にもなると、そのふくらはぎ痛は出なくなり、少し身体がキレ始めた頃、今度は、肉離れに襲われた。その後4回も。しかも、すべて違う箇所だ。(肉離れも転移するのか?)
肉離れになると、試合会場からクルマを停めてある駐車場まで歩くのが、辛いこと、辛いこと。試合前の道程より数倍も長く感じる。そこに階段でもあれば最悪。平坦な道を歩くよりも遥かに激痛に襲われる。二足歩行を放棄して四足歩行にしたくなる。まさに「這々の体」で、クルマに転がり込む。
これで一安心と思いきや、そこからが新たな地獄が始まるのだ。それは、ペダル操作だ。アクセルならば軽く踏むからよいが、ブレーキを踏むのが痛い。今はAT車なので、クラッチがなくてよかった、とつくづく思う。
ここで一句
乗ってみて 初めてうれしや AT車
さらに、ふくらはぎならばそれだけで済むが、太ももだとそれだけでは済まない。シートに座らなくてはならないからだ。太ももがシートに当たり、圧で内出血が酷くなってしまうのである。
やっとの思いで家に戻ると、家族は心配した。だが、3回目からは懲りない年寄りを白い目で見るようになった。
ここで一句
シートから 這い出て座る 針むしろ
第四章は、肉離れに関連した特撮ヒーローのような話である。




