第三十五章 真夏日1本目 〜暑い日のプレイは、省エネで〜
8月中旬の日曜日の午前中にシニアサッカーの練習試合が行われた。試合形式は、ハーフタイムなしの25分1本を3試合。25分の中程で給水タイムを設け、そこで、選手の入れ替えをする形式で行われた。
当日は、幸いなことに曇りがちで炎天とはならなかったが、やはり真夏日は年寄りには辛かった。
ロッカールームで着替えを済ませ、アップをしようと思った。だが、外は暑いため、ロッカールームの床でストレッチをした。
ストレッチが済むと汗が吹き出してきた。水分を摂り、意を決して帽子を被ってグラウンドに出た。
カンカン照りではないが、さすがに暑かった。軽いジョギングから始め、いろいろなステップをしてアップを続けた。持病の股関節痛は最近鳴りを潜めている。今日もそのまま大人しくしていてほしい、と思いながら。
監督が今日の試合出場のオーダー表を作戦板に貼った。予想よりも随分試合に出ることになっていた。1本目は、25分フル出場。2本目は、給水後の12分。3本目は、またフル出場。ここのところ、1週間に1回軽いジョギングしかしていないため、3試合とも半分の12分でいいと思っていたので、少々戸惑った。
監督にその点を聞くと、当日のドタキャンが2名いるためだと言うのだ。こんなに暑いのに予定よりも多く出場するのはつらい。しかも、夕方には、隣組の家で葬式が出たので、通夜に参列しなくてはならない。少しでも体力を温存しなくてはと思い、同じポジションで交替し合う仲間に、3本目の後半を譲った。
1本目の試合のために、ピッチに入り、右サイドバックの位置についた。すると、なぜだか、左サイドバックが2人重なり、左サイドハーフがいなかった。そこで、監督が
「若高さん、左ハーフに行って。」
というので、位置を変えた。
いつもであれば、DFよりもMFの方が嬉しく思うのだが、この暑い中、上げ下げの激しいサイドハーフは正直やりたくなかった。そこで、練習試合なのだから最小限の動きでやり過ごそうと思った。
案の定、相手のカウンターでポジションを下げるのを怠り、同じ右サイドバックの裏を取られ、そこから失点してしまった。右サイドバックを守っていた監督は、自分の相手マークの甘さが原因だと思い、頭を掻いていた。だが、私は自分の緩慢な動きがマークを甘くさせた原因であることは分かっていた。だが、他の味方は、中央の相手選手がフリーになり、自由にパスを出させたことを失点の原因として指摘したので、自分の過失は黙っていた。
原因は ここにもいるが 知らん顔
結局この試合は、我がチームがその後、2点を奪っていたため、勝つことができた。
次の2本目の間に他のチームの試合が3本入っているため、1時間半ほどの休憩が挟まった。その間に、冷房の入っている控室で火照った身体をクールダウンさせながら、他のチームの試合を眺めていた。自分たちが試合をしている時よりも関係ないチームの試合時間経過は、とても長く感じた。
そうこうしていると試合開始まで30分。一度激しく動かした後、冷房で冷やした筋肉に気を配りながら、アップを始めた。




