第二十八章 オフサイド 〜社会でもサッカーでも待ち伏せプレイはダメですよ〜
6月中旬から熱中症防止対策として、県リーグが中断されていた。そこで、大会中断のコンディション作りとして、7月の土曜日から市内4チームによるナイターのフットサル大会が開催された。4チーム総当りを4節行う大会である。
この大会ルールは、8分ハーフ。GKなしの5対5。有効シュートは、楕円のペナルティエリア内。そして、オフサイドなし、という特殊なものであった。このルールがどんな試合展開をもたらすのやら……。
今夜は第1節。我がチームの参加者は10名。前後半で総入れ替えの布陣とした。
私は、1試合目は前半に出場した。久しぶりの試合で、実は3kgほどリバウンドしていたので、動きに不安があった。そのため、初めから無理せず、今節はコンディション作りを主眼としてプレイしようと考えていた。
第1試合は、対戦相手は70代のチーム。そのため、ハンデとして、このチームは6人出場OKだった。
試合が始まった。フットサルなので、全員守備、全員攻撃ではあるが、下がり目のポジションをとり、機会を見計らって前線に上がるプレイをした。
相手が6人なので、フリーの選手が必ず1人はいる。そのため、70代チームとはいえ、なかなか試合を支配できなかった。
前半中盤、味方選手が、敵味方を間違えて、ゴール前にいた相手選手にバックパスしてしまい、このまま無人のゴールにシュートされ、失点してしまった。アタタタである。
その後、これはいかんと、気を入れ直して、パスをつなぎ、味方選手がゴールを決めた。そして、前半が終了した。
休憩なく、そのまま後半が開始された。後半のメンバーは総入れ替えなので、私もベンチで応援した。
試合が始まり、すぐに味方ゴール前から前線にロングパスが出た。すると相手ゴール横に味方の1人が残っており、どフリーで無人のゴールに蹴り込んだ。
あまりに呆気ないゴールだった。味方の選手やベンチの選手は、盛り上がっていたが、私は釈然としなかった。その後も、同じようなゴールが続き、この試合は大勝した。だが、私の胸中には「なんだかな〜?」という思いがあり、素直に喜べなかった。
試合外の選手たちが休憩するゴール裏のベンチで次の試合を観戦した。片方のチームには120kgはあるであろう相撲取りのような選手がいた。「走れるのか?」と思いながら見守っていると、案の定、相手陣地の奥深くコーナー辺りに居座ってそこからまったく動かず、味方からのパスを待ちた続けていた。何回もその巨漢選手にパスが通り、何度も得点につながった。
会場内に彼の巨漢とプレイに嘲笑が広がったが、私は、自チームも似たり寄ったりの待ち伏せプレイをしていたため、笑えなかった。
ここで一句
あそこにも ここにも 石川ひとみ有り
やはり、サッカーにはオフサイドは必要なルールであると実感した。
次の試合は、1点差で負けてしまったが、その試合で、ゴール前にいた私に来た右からのパスをシュートする振りをしてボールをスルーするプレイが見事にはまり、私の左にいた味方選手が、どフリーでゴールを決めた。そのスループレイは、会場内を沸かせたのだった。待ち伏せではなく、味方を生かすプレイの方が、私は好きである。




