第二十七章 ゴッドハンド 〜神の御手はありがた迷惑?〜
今回はピッチ外の番外編。シニアサッカー次の週のことである。
昼間に御殿場のリストランテで極上のイタリア料理をいただき、アウトレットで買い物をしてから帰宅した。ソファに座り、大河ドラマを観ていた。ドラマが終わったので、風呂に入ろうとソファから腰を上げた。
「イタタタ…。」
腰に強く鈍い痛みを感じた。「魔女の一撃」と呼ばれるようなギックリ腰ではないが、痛くて背を伸ばすことができず、腰を曲げたへっぴり腰状態になってしまった。
ここで一句
代休に 舌鼓打ち 腰を打ち
自力で歩けたため、とりあえず風呂に入り、その日は直ぐに寝た。
次の日、目が覚めて痛みが治まっていれば…と思ったが、その願いは無駄だった。ただ直立していれば痛みはないが、床にある物を取ろうとすると、両側の腰骨も痛いのだ。そのため、怖くて恐る恐るゆっくりとしゃがんで取り、またこわごわ膝を伸ばして立ち上がるような状態だった。それでも、仕事を休むことができないため、以前腰を痛めた時に購入したコルセットをして勤務していた。
コルセットをすれば何とか仕事はできたので、2日ほどその状態で勤務した。だが、自宅でコルセットを外すとまだ痛みがあり、おっかなびっくり家事などをしている始末だった。
そこで、数年前にお世話になる接骨院に行くことにした。だが、明日は木曜日なので休みだとネットに書いてあった。仕方なく、金曜日の朝、年休をとって接骨院に行った。
少し離れた駐車場にクルマを置き、接骨院に近づくと、なんと看板に「木、土曜8:30-11:30」と書いてあった!
「なんだ!昨日やってんじゃんか!」
と思ったが、後の祭りである。接骨院のホームページを見ればよかったと後悔した。
院内に入り、マイナンバーカードと診察券を出し、待合席で問診票に必要事項を記入した。ラッキーなことに、院内に待っていた患者さんは私以外で1人だった。その1人も問診票を書いている間に、治療室に入って行った。問診票を受付に出し、スマホをいじっていると、治療室のドアを開けて接骨師が出てきて、私の名前を呼んだ。待ち時間は15分ほどであった。
治療室に入って、寝台に腰掛けるように言われ、そこに座った。
「どうされたんですか?」
「私、サッカーをやってまして、試合の次の日にソファから立ち上がったら、腰を痛めました。」
「筋肉が疲れてたところで、柔らかいソファに座ってから急に立ったので、筋肉が驚いて痙攣したんですよ。」
と言いながら、すりこ木のようなスティックを右腰に当てて、身体をそれに寄りかかるように指示し、首を右に左に向かせながら、グリグリとスティックで押してきた。それを左にも同じように施術した。その後、座った状態で手を臀部と脚の付け根の間に入れて後ろに引っ張った。それも左右に施した。
「はい、終わり」
所要時間3分間!たったそれだけ……。
ここで一句
黄金の手 たった3分 帯いらず
待ち時間の5分の1である。その後、テーピングと冷感シップを施し、完全終了。その後、コルセットも必要なくなった!分かってはいたが、相変わらずのゴッドハンドには驚かされた。これでは、午前中に職場に行けてしまうではないか。
この接骨師さんは、県立総合病院のリハビリステーションのトレーナーさん達の講師だそうだ。




