提案
「──で、あんたはあんなもののけの類と戦うことになったと...くだらねぇな...」
「す、すいません...」
まぁあの後この娘っ子の名誉のため詳細は言わないが座り込んでいたあいつの足元には大きな水たまりができていたわけだ。
まぁそれを家で乾かしてやるついでに話をしたんだが一般人のまま終わりたくなかっただぁ?
正直乱世を生き抜いてきた俺からするとそんなもの愚かな行為の一言でしかない。
平和でぬくぬくと暮らしているならそれでいいじゃねぇか。今の時代の人間考えにゃあ時たま理解に困るなぁ......
実際のところ俺的には戦わざる負えない状況だからあんなことをやってるのかと思っていたのだが......例えばお袋が急病でとかお金がなくてだとか、今の時代じゃあないだろうが暴漢から自分または家族を守りたい的なのを期待していたんだがな。
〜〜〜
「嬢ちゃんもう悪いことは言わねぇから身を引きな......あんな調子じゃまた同じ目に合うぞ」
なんで私小学生に説教されてるんだろう?
この子も魔法少女だったりするんだろうか......?
魔法っぽいの使ってなかったけど、なんならゴリゴリ物理に見えたんだけど......
でも普通に考えてこんな小学六年生がいるはずがないよね。
あの化け物を見て一切物怖じしないどころかそこら辺の木の枝で撃退しようだなんて正直助けてもらって悪いがイカれてる。
あともっとイカれてるところが一つ、今私は......まぁ、ちょっとした粗相をしてしまったため彼女の服を借りて着ているわけなのだが勿論サイズは小さいんだよ?そりゃあ2学年も離れてるわけだから当然だ。でも......
そして私は今着ている服を見る。
──ぶかぶかである。全体じゃなくて主に胸辺りが......
正直今どきの小学生ってここまで発育いいものなんだろうか。正直私にもちょっとでいいから分けて欲しい......
小学生に女性の魅力で負けてしまい落ち込んでいると、
「おい、俺の話聞いてんのか? もうこれ以上戦うのは止めておけ」
残念だけどそれは無理な話だ。
多少躊躇いがちに言葉を絞り出す。
「えっと、その事なんですけど......なんて言うか......その......」
「なんだぁ? あまりまどろっこしく言うんじゃねぇ! なんか問題でもあんのか? 」
私がモジモジ答えかねていると痺れを切らしたのか目の前の少女はややキレ気味に聞いてくる。
「それがですね、あの......もう手遅れといいますか......戦わざるおえないと言いますか......」
「は? 」
怖い、怖いよ!
目が目が完全に人殺しの目してるよ。小学生ができていい目じゃないって!
だってしょうがないじゃん!
魔物は魔力を持つものを優先的に襲う......そして魔法少女は契約と同時にそれらの魔物を討伐する責務を負う。
魔法少女が戦う意志を見せなかったとしてもあいつらからすればそれは抵抗しないただのおいしい餌でしかない......ってのがマスコットから聞いた話。
「で、契約は解約ってもんがついてセットだろ? できねぇのか? 」
「そ、それはね......魔法少女の契約は魔物がこの世界からいなくなるまで続くの。だから解約するには魔物を全部倒さなきゃいけなくて......」
そういうと少女は頭を抱え呆れたようにため息をつくと、ある提案を持ちかけてきた。
「......しょうがねぇ。でもせっかく助けたのにすぐ死なれちゃあこっちとしても気分が悪い。困ったら俺にかけろ、ほれ電話番号だ」
「あっはい......」
「お前名前は? 」
「えっと、合戸紗良です......? 」




