地底人友好協会 その1
でのお話しを無理やり思い出すのもつらいことですから新しい章を進めていきながらおりをみてこれまでの話を振り返ったり事情を探ったりする機会もキチンともうけるつもりでおりますので途中から読み始める人がいたとしても前の章を読んでいなかったりしても気にする必要はありません。
お話はペロリスト村にあるとある建物からスタートします。ううん〜。ペロリスト村という土地を皆さんはご存じでしょうか。これはなかなか聞きなれない名前の村であります。これは外国のどこかの村の名前に思えますが実はこれは日本ある村の名前であります。
この村には小さきながらも立派な役所の建物があります。消防署もあります。三階建ての警察署のビルもあります。病院もあります。そしてこの村には工場もありたくさんの人がそこで働いています。そして商店街もあります。学校も高校と専門学校まであります。
そういうわけでペロリスト村は町と呼んだ方がむしろよく似合う人里離れた集落であります。まあ人里離れた集落というのは厳密に言えば正確ではない。ペロリスト村は都会のど真ん中に存在しているからです。
都会も都会! ペロリスト村の門から渋谷駅まで早足で五分くらいの距離にあります。渋谷駅から歩いて五分ばかりの距離にあるというのにペロリスト村の存在が日本人のみならず渋谷に仕事場がある人、渋谷に暮らす人、あるいは渋谷に遊びに来る人に全く知られていないということはペロリスト村の住人の特徴のない控えめなふるまい性格によるものなのでしょう。しかし実はこれは最近生粋のペロリスト村民と呼べる人たちがめっきり数を減らしていることが原因なのであります。
確かに最近ペロリスト村の住人は様々な事情や理由から村を離れ、あるいは忽然と姿を消していき気がつけばペロリスト村の生粋の住人の家が空き家になっていることが多いのです。
ペロリスト村の住人家族数所帯がすんでいた木造の建物は正面の軒下に『快晴アパート』という大きな看板が掲げられていたのですが今ではペロリスト村の住人家族は姿を消し、以前には見られなかったような他の人たちが出入りしています。そして『快晴アパート』という大きな看板の上にこの看板を完全に覆い隠すように特大の看板が掲げられています。
そしてこの看板には『地底人友好協会』という文字が看板いっぱいに書かれています。
とある日の午後のことです。郵便配達員がバイクでやってくるとたくさんのダイレクトメールと一通の肉筆の文字で住所が書かれた封筒を『地底人友好協会』のポストに押し込んでいったのです。




