それゆけ、開発部男性2!
前半開発部男性視点。後半木下デシン視点です。
「おいおい、あれ誰だよ」
ここは、カプセルコーポレーション開発部入口。世界の最先端を開発している部署。セキュリチィーは厳重。指紋認証と眼球認証、顔認証の3パターンをクリアーしないと入室できない。
開発部入口で、短髪、茶色い肌、細マッチョのワイルド系イケメンが立ち往生。
指紋認証と眼球認証はクリアーしたが、顔認証で引っ掛かったようだ。
警備員に連行された行ってしまった。
「おはようございます。あれ?代表来てない。昨日、無人島から脱出したはずですが…。」
「俺もそう聞いた。始業時間始まってるのに遅いな。時間には正確な人なのに…。」
ウイーン
開発部の入口が開いた。
そこには、さっき警備員に連れていかれたワイルドイケメンと、セバスチャンさんが立っている。
「「・・・・。え!?代表!!!」」」
「みなさん、助けて下さい~」
ー・-・-・-・-・-・-・-
【それゆけ、開発部男性陣!】
伊東:それでは、第35回、作戦会議を始めます。では代表お願いします。
木下デジン:初めに、彼女へのブリザードフラワーの贈り物好評でした。ありがとうございます。
俺のわがままで始まった無人島生活2か月の間、俺の仕事のサポートありがとうございました。
無事に彼女と和解でき、次に会う約束をとりつけました。
俺は次に会った時、彼女に告白し、お付き合いを申し込もうと思っています。
伊東:代表はどのようなデートプランをお考えですか?
木下デジン:やはり恋人同士になるにあたり、体の相性は大事だと思うのです。そこで事前に学ぼうと思います。
みんな:ん?
木下デジン:やはり実践を通して学ぶべき!
みんな:ん?ん?
木下デジン:アダルトビデオの撮影スタジオに観覧予約を入れました。そしたら、セバスチャンに全力で止められまして、どうすればいいのか途方に暮れています。
みんな:壁際に立っているセバスチャンを見た。親指を立ててグッジョブ‼。
伊東:えー。代表、私達に相談してくださり本当に、本当にありがとうございます。
そしてセバスチャンさんナイスです。私達が責任もって告白デートプランを計画します。
では、セバスチャンさんから見た彼女の特徴を教えて下さい。
セバスチャン:彼女は常識ある普通の女性です。会社務めで、勤務態度も問題ない。あまり豪華な食事や贈り物は苦手なようです。彼女がよく見るサイトは、家庭料理やキャンプ動画が多く、アニメや海外の映画などもネトフリで観ています。
伊東:えー。彼女が何を観覧しているか、チェックしていると?
セバスチャン:執事として当然です。彼女がインターネットで購入した物も把握ずみです。
みんな:(怖~。この主人にしてこの執事だわ)
伊東:えー。気を取り直して、それでは、豪華ではなく、二人でじっくり話せる空間で、彼女が代表に惚れるシュチュエーションを考えましょう。
◇◇◇
「あの、今日はどちらに?本当に普段着でよかったですか?」
昼前に彼女の自宅に迎えに行き、高級車に乗り込んだリザさんは、白いT シャツに、ジーパン。黄色いカーデガンを羽織り、髪をおろしている。少し顔がこわばっているリザさんは、おずおずと聞いてきた。
「今日は、公園に行きます」
「公園…。」
彼女は、車の後部座席に置かれている、お重の入った手提げ袋を見て、不思議そうにしていたが何も言わなかった。それからリザさんと、ぎごちないながらも取り留めのない会話ができた。
驚いたことに、公園デート。お金をまったく使っていないデートは、前より好評だった。
公園に到着したのが昼過ぎ、空腹だったらしいリザさんはおしぼりで拭いた手を、すぐにウキウキした様子で弁当へ伸ばした。
咀嚼しながら、へにゃりと笑みを浮かべる。
「すごく美味しいです」
どうやらリザさんの口に合ったようで、どこで買ってきたんですかと問われ、おずおずと自分で調理した物だと告げた。
「え!」
と小さく呟き、大きく目を見開いた後、二度ほど弁当と俺に視線を彷徨わせた。
「マジですか」
金がかかっていない物を出すなんて、断罪を待つ気分で視線を反らすと、リザさんの声は嫌悪というより、感心の混ざる音で告げた。
何度も作り、味を調節しただけあって、自分でも納得の味だが、実際に食べてもらうまで不安でいっぱいだったのだ。
他愛のない会話をしている間にも、躊躇いなく俺の手作り弁当を完食していた。
最初のデートとは違い、木陰でリザさんものびのびしたようで、始めに比べると、かなり会話も弾んだように思える。
なにより、美味しい、と幸せそうに笑っていた。
今まで見せた事のない、へにゃりと崩れた笑みを浮かべているのが本当に嬉しかった。
頬をなでる風が少し冷たくなり、公園で遊んでいた子供たちが帰り支度を始めて頃、
「そろそろ、私達も帰りますか」
このまま彼女を返したくない。
彼女との次の予約を、次の次の予約も、ずっと先の予約も、恋人として隣に居たい。
「リザさん、好きです。俺と付き合って下さい」
口から心臓が出てきそうなほど高鳴りが止まらないが、彼女の声をかき消さないように、懸命に落ち着つかせなければならない程。
その薄くて柔らかそうな唇から、俺と付き合ってもいいと、一秒でも早く聞きたくて。
指一本も動かせないまま、視線を彼女の唇に吸い寄せられていた。
「なぜ、私なのでしょーーーーー本音が知りたいです」
ん?あれ?
予想とはまるで違うリザさんの言葉に逆に俺の方が意図を理解できぬまま、「本音ですか?」と、オウム返ししていた。
白河・DG・夜舟様から頂きました
木下デジンと公園へ出発
やっと告白できました。
開発部のデート計画は「胃袋を掴もう作戦」です。
木下デジンは、物作りに関してのみ、右に出る者はいません。




