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お金で殴る彼氏と普通の私  作者: ロミ


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2/9

俺が一目惚れした彼女

小太りの男性視点です。

 


「ハア、ハア、苦しい」


 俺は痩せる為、自宅から、30キロ先にある会社までクロスバイクで走って来たが、運動不足のこの体。

 1時間ほど走ったら、息切れと、気持ち悪さで走れなくなった。


 近くの街路樹の下に座り込む。


「はあ、はあ、はあ、きつい」

 動悸が収まらない。飲み水も何も持ってこなかった。


 俺の前を、何人もの人が通り過ぎるが、誰一人、俺に声をかけない。


 汗が止まらないし、なんだか、頭がもうろうとしてきた。


「あの、大丈夫ですか」

 低い女性の声、顔を上げると、薄紫のワンピースを着て、髪をハープアップにした、20代後半の綺麗な女性が、心配そうに俺を見ていた。


「はぁ、はぁ、大丈夫です」

 俺は、咄嗟に答えた。


「これ、ここに置きます。蓋は開けてないので、よければ使ってください」


 綺麗な女性は、緑茶のペットボトルを置いて立ち去った行った。


 俺はもらったペットボトルと、女性の後ろ姿を見送りながら、あの人と話してみたい。お近づきになりたいと初めて思った。



 それからの俺の行動は早かった、早速セバスチャンを呼んで迎えにきてもらい、彼女の情報収集を開始。

 彼女は、横断歩道の反対側のビルに入って行った。


 このビルは、イベント会場のビル。今日行われるイベントと彼女の服装をみれば、どのイベントに出席している想像がつく。

 教育セミナーではないだろう。着物発表会でもないはず。残るは婚活パーティー。


 婚活パーティー会場に女性の部下を潜入させ彼女を特定。近づき情報収集。婚活男性が彼女とカップルにならないように邪魔をした。


 婚活パーティーが終わるタイミングで、地下鉄入口で待ち伏せ。

 セバスチャンに接触してもらう。


 俺?半引きこもりの俺に、初対面の女性に声をかける事ができるはずがない。おれのコミュニケーション能力の低さを甘く見てはいけない。


 セバスチャンは彼女との接触に成功。

 予約を取り付けた。


 俺は、悩みに悩んだ。

 女性とデートしたことがない。女性が喜びそうな事がわからない。

 どんなに考えても、彼女とコミュニケーションを取っている自分が想像できない。

 餅は餅屋。女性を喜ばせるなら、プロに任せればいいのではないかと思いついた。



 さっそく、人気のあるホストクラブを予約。

 ホストクラブの事務員に勧められるまま、シャンパンのマウンテンや、シャンパンタワーを予約。

 金ならいくらでもある。彼女を喜ばせる事ができるなら、いくらかかってもかまわない。




 デート当日

 興奮で前日は眠れなかった。今は緊張で喉がカラカラ。


 彼女がセバスチャンのエスコートで、車に乗り込んだ。


 彼女はこの前と同じ薄紫のワンピース。髪型はハープアップで、唇はプルンと淡い赤。綺麗だ。


 車が走り出してから、

「この前は、ありがとうございました」

 言えた。しっかりお礼を言えた。


「いいえ、いいえ」

 彼女は少し緊張している


「「‥‥。」」


 彼女を前にすると、事前に、脳内シュミレーションはしてきたはずなのに…。言葉がでない。

 彼女をチラチラ横目で見ながら、脳内であれこれ考え、話しかけれないままホストクラブに到着。


「え!ここですか」

 彼女がびっくりしている。


「そうです、ここです」

 俺は自信ありげに胸を張って、ホストクラブへ歩き出した。


「「「いらっしゃいませ」」」

 従業員総出でお出迎え、早速VIPルームに通され、この店の代表と、NO1、2、3のホストが彼女と俺を接客。

 喉が渇いていた俺は、がぶがぶシャンパンをがぶ飲み。


 少しほろ酔い気分。

 ホストに促されるまま、どんどんシャンパンを開けていく。

 彼女はホストと笑顔で話している。


「楽しいですか」

 俺は彼女に思いきって聞いてみた。彼女は曖昧に微笑んだだけだった。


 楽しんでない?大丈夫。まだ、メインイベント、シャンパンタワーが待っている。


 彼女と一緒にシャンパンタワーの前に立つ。

 次々とシャンパンがグラスに注がれ、大騒ぎするホスト達。店内のボルテージは最高潮。

 彼女を見ると、呆気に取られていた。


 酒に強い俺だが、シャンパンをけっこう飲んだので酔った。足がふらつく。ホストに支えられ、車へ。


 彼女も車に乗り込んだ。

 彼女が本当に楽しめたが、喜ばす事ができたのかわからない。彼女をじっと見つめていると


「な、なんですか」

 彼女からの問いかけ、これは本音を聞くチャンス。


「今日は、楽しめましたか?あなたに楽しんでほしくて、女性の扱いのプロに頼みました。俺ではあなたを楽しませる事なんてできないから…。」

 自分で言ってて虚しくなってきた。


「ん~。どうでしょ。初めての体験ばかりだったのでいい経験になったな~とは思います」


「楽しめなかったですか…。ホストの中で、気に入った人はいなかったんですか?気に入った人がいたなら、お金は出すので通って下さい」

 俺は、必死だった。彼女が楽しんでなかった事に焦る。俺では彼女を満足させれない。悔しいが他の男性でも構わない、彼女が楽しんでもらえれば、俺がお金を出すんだから、俺が楽しませているのと一緒ではないか。


「綺麗な顔の人ばかりでした。まるで作られたお人形のようで、現実味がないです。それにうるさい所は苦手です。ん~。もういいかな。次はないです」


 彼女からの全否定。

「そうですか‥‥。」

 俺はあからさまに落ち込んだ、お酒も入っているから、感情が制御できない。


「え~と、楽しくなかったとは言ってませんよ」


「リベンジさせて下さい。リベンジ!このままでは俺の印象が…。お礼になっていません。また日を改めて誘わせて下さい」

 俺は必至だ、顔が涙と鼻水でぐちゃぐちゃでも、このまま彼女を返すわけにはいかない。彼女を放すわけにはいかない。俺の手に力が入る。


 俺は、彼女と交渉を重ね、自宅に送り届ける頃には、次の約束を取り付けた。


 よし、次こそリベンジだ。









挿絵(By みてみん)

白河・DG・夜舟様より頂きました

ヒロインの福井リザ






次は、2回目のデート?

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― 新着の感想 ―
 ロミさん、こんにちは。 「お金で殴る彼氏と普通の私 俺が一目惚れした彼女」拝読致しました。  30キロを、クロスバイクで。(頑張ってますね)  息切れ。たどり着けない。(まだ、会社までは遠いん…
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