↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
淡々三国演義  作者: ンバ
第三回 温明に議して董卓丁原を叱し、金珠を贈りて李粛呂布を説く
PR
26/135

六、魔王からの招待状

 その日のうちに一行は洛陽へと帰還し、少帝と何太后は再会が叶ってともに声を上げて泣いた。


 その後、宮中の点検が行われたが、宮室に代々伝えられてきた「伝国の玉璽《ぎょくじ》」が失われていた。


 董卓は城外に兵を留め、鉄騎兵を引き連れて市街を我が物顔で練り歩いた。これが毎日のように続くため、百姓は戦々恐々としていた。


 董卓は入廷の際にも何一つとして憚ることがなく、後軍校尉の鮑信《ほうしん》は袁紹に見えて、


「董卓には二心がある、早めにやつを除いてしまった方がよいのではないか」


 と述べたが、袁紹は、


「まだ新政権が発足したばかりの時期に、むやみに騒動を起こすのはまずかろう」


 として取り合わなかった。鮑信はそこで司徒の王允《おういん》に同様の相談を持ち掛けたが、


「後で話し合ってみよう」


 と、やはりにべもない返答しか得られない。諸人の危機感の無さに呆れてしまった鮑信は、手勢を纏めて縁故の地である泰山《たいざん》へと去って行った。


 董卓は洛陽入りの際、何進兄弟に属していた兵を抜け目なく招致し、その悉くを統制していた。

 機ここに至り──そう考えた董卓は、とうとうその野心を露わにして謀臣の李儒《りじゅ》に諮った。


「わしは、帝を廃して陳留王を新たに擁立しようと考えておるのだが、如何か?」


「今、朝廷には確固たる指導者がおりませぬ。この機会に乗じて行動を起こさねば、すなわち変事が起こってからでは遅いというもの。明日、温明園に百官を集めて、帝の廃立を宣言いたしましょう。従わぬ者どもは見せしめとして斬り殺してしまえば、誰も公に逆らおうなどとは考えますまい。権威を一手に握るのはまさに今日、この時ですぞ!」


 李儒の進言に喜色を浮かべた董卓は、翌日直ちに大規模な宴席を設え、文武百官を招いた。百官は董卓を恐れており、敢えて欠席しようと考える者は誰一人としていなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。