2人の愛の物語 1
レティーツィアとハルトムートの愛の物語です。
長くなってしまったので、1と2の、2つに分けました。 これは、1つ目です。
次回で完結です。
ハイデマリーとの結婚式ギリギリ間に合うように、ヴァルトラーナお父様にはハイデマリーの元に向かってもらった。
ヴァルトラーナお父様が牢屋から見つかってから、ほとんどの王城騎士はすでにほとんどがヴァルトラーナお父様の指揮下にある。
だが、やはりハイデマリー側に寝返ってしまっている者もいるから油断はできない。
「レティーツィア、私はクラウディア以外と結婚などしないのだぞ? ハイデマリーとの結婚は放棄する。」
「まぁ、ヴァルトラーナお父様。それではだめです。ハイデマリーとヴァルトラーナお父様の結婚式を生かして、ハイデマリー側に寝返った者を全て捕まえなければなりません。結婚を放棄しただけではすまないのです。」
「うっ……、手厳しいな。」
「すみません、ヴァルトラーナお父様。これも、カシノニア王国なのです。」
クラウディアお母様から離れたくないヴァルトラーナお父様は、苦渋を舐めたような顔をしている。
「――だが、やるしかないのだな。寝返ってしまった者を捕まえねばならない、というレティーツィアの意見はもっともだ。」
「はい。ヴァルトラーナお父様には嫌なことを頼んでしまってすみません。」
「いや、よい。これも、私の失態が招いてしまった結果なのだから。混乱を招いてしまったカシノニア王国の国王として、私は責任を取らねばならない……だが、レティーツィア。私から1つお前に頼みたいことがあるのだ。」
「? なんでしょうか?」
「……あぁ、それはな、――――」
「「「「!!!!」」」」
ヴァルトラーナお父様の信じられないような言葉を聞いて、レティーツィアは驚いて固まった。
それは、レティーツィアだけではなく、ヴァルトラーナお父様の言葉を聞いていたクラウディアお母様やベネディクトお兄様、私の側近達も同じだった。
誰も彼もが、言葉を発したヴァルトラーナお父様の様子を窺っている。
――――『まさか、冗談なのではないか』、と誰もが思った。
でも、ヴァルトラーナお父様の、カシノニア王国の国王としての決断は揺るがなかった。
私たちは誰も言葉を発することができず、そのあとの部屋の中は嫌に重い沈黙しかなかった――
―――――
見るからにハイデマリーはイラついた様子で結婚式の衣装を着付けられていた。
「――それで、ヴァルトラーナお兄様の行方は?」
「お許しください、ハイデマリー様。現在、王城騎士が懸命な捜索をしているのですがまだっ――」
「もうっ!! いつまで待たせるの!? ……まったく役に立たないじゃない!」
「ヒッ……! お、お許しください……」
ヴァルトラーナお兄様の行方が一晩たってもわからないと聞いて、ハイデマリーは側仕えに八つ当たりをした。
八つ当たりされた側仕えは萎縮してしまい、震えてただただ困っている。
(今日は、わたくしとヴァルトラーナお兄様の待ちに待った待望の結婚式だというのに、どういうことなのよ!? 他のサクノミヤ王国をはじめとする4つの国からも使者が送られてきているというのに――――このままじゃ、わたくしも、カシノニア王国も、恥になってしまうわ!)
「――必ず、式までにはヴァルトラーナお兄様を見つけて連れてきなさい!!」
「はいっ!」
そう言い残して、高いヒールの音を響かせながらハイデマリーは式の控え室に移動した。
―――――
ハイデマリーの心配をよそに王城騎士はヴァルトラーナお兄様を結婚式の直前に連れてきてくれた。
良かったわ。これで、ヴァルトラーナお兄様と結婚できる。
「ヴァルトラーナお兄様、ご無事でしたか? 昨日ヴァルトラーナお兄様が行方不明になられてから、ずっと心配で……」
「……」
「わたくし、ヴァルトラーナお兄様に何かあったのではないかと、心配で、心配でたまらなかったのです! わたくしの大切なヴァルトラーナお兄様に何かあったら、わたくし耐えられませんわ!」
「……そうか」
おや、ヴァルトラーナお兄様が冷たい?
どうしたのだろうか。
いつもなら、わたくしがこのように目を潤ませて可哀想に伝えれば、気にかけてくださるのに。
「あの、ヴァルトラーナお兄様?」
「なんだ」
「えっと、その……何か怒っているんですか?」
「…………」
「ヴァルトラーナお兄様。この扉が開いて、誓いの言葉を誓い合ったら、わたくし達は夫婦になるんですよ?――わたくし達の間に、隠し事はなしなんですからね?」
「…………そんなことより、皆が私たちを待ってる。早く中に入ろうではないか。」
「――へ?」
間抜けな声を出しながら、ヴァルトラーナお兄様に連れられてハイデマリーは結婚式場の扉を開いて、会場に入っていった。
嘘でしょ……
『そんなことより』って言った?
このわたくしが気になっているって言ってるのに、『そんなことより』って言ったわよね。
――ありえない。新婦に向かってそんな口の聞き方をするなんて。
でも、いいわ。
ヴァルトラーナお兄様との誓いの言葉さえ済めば、わたくしは正式にカシノニア王国の王妃になるんだから!
そんな呑気な考えで、何も知らないハイデマリーは、結婚式の会場に入場した途端に王城騎士に押さえつけられた。
「いたっ!! あなた達! 王城騎士ともあろう者たちが、仕えるべき主に逆らうというの?!!」
ハイデマリーは身体を床に押さえつけられながらも精一杯叫んだ。
一体何が起こっているの?
なぜ、わたくしの晴れの舞台である結婚式で主役のわたくしが押さえられているの?!!
「わたくしは、カシノニア王国の王妃なのよ! 王城騎士ともあろう者達が、血迷ったの?!!」
「――お前が王妃だと? 笑わせるな! お前など、我ら王城騎士が仕える価値もないっ!」
「なっ、……なんですって?!!」
王城騎士の分際で、こいつらは何を言っているのだ?
わたくしが王妃じゃない?
仕えるべき主じゃない?
昨日までわたくしに使えていた分際で、一体何をほざいているのかしら?
わたくしが王妃じゃないなんて、そんなのヴァルトラーナお兄様が許さないわよ!!
「ヴァルトラーナお兄様、助けてください! わたくしを押さえつけている、この無礼な王城騎士を捕まえてください!」
「――それは、できない。」
「え、……ど、どういうことですか! ヴァルトラーナお兄様!!」
「ハイデマリー、其方は罪人だ。――国家転覆を試みた内乱罪だ。」
――内乱罪ですって?
それは、カシノニア王国で死刑になる重罪の名前じゃない……
「ヴァルトラーナお兄様ぁあ!」
「無礼だぞ。私は、カシノニア王国の国王だ!」
「うそ、……そんなの」
ハイデマリーは、青白くなるほど顔が青褪めている。
「それからな。勘違いされては堪らんから伝えておく。我がカシノニア王国の王妃はクラウディアだけだ!――私が愛するのはクラウディア王妃以外ありえん!」
「う、うそよ! そう、うそに決まって……」
ハイデマリーには何もかも信じられなかった。
何が起こっているのかわからない。
王城騎士はハイデマリーに逆らって押さえつけてくるし、ヴァルトラーナお兄様も私のことを虫けらのような目で見つめてくる……
なぜ、どうしてなの?
昨日までうまく言ってたのに!
行方不明になって戻ってきてから、ヴァルトラーナお兄様は変わってしまったわ……
「罪人ハイデマリーを拘束して地下牢へ連れて行け! そして、クラウディア王妃とベネディクト、それからレティーツィアを呼んできなさい!」
ハイデマリーを押さえつけていた王城騎士がハイデマリーを拘束したまま、地下牢へ連れて行こうとする。
「え、なに……クラウディアとベネディクト?……それに、レティーツィアですって?」
レティーツィアが生きてるの?
王城騎士達に引きずられながら、信じられない、といった目でハイデマリーは、入場してくるクラウディアとベネディクト。
そして、レティーツィアを見つめた。
クラウディアが姿を表すと、サクノニア王国の国王、つまりクラウディアの父親が立ち上がった。
「お父様!」
「あぁ、クラウディア! よかった、無事に生きていてくれて良かった! ベネディクトとレティーツィアもよくぞ無事だった!」
サクノニア王国の国王は、娘のクラウディアと、孫のベネディクトとレティーツィアを愛おしそうな顔で呼びかけている。
「はい、お父様。 ハイデマリーから3ヶ月も牢屋に入れられましたが、無事です! ヴァルトラーナとベネディクトが守ってくれましたし、レティーツィアも婚約者ともに、わたくしを牢屋から救ってくれましたの!」
「おぉ!さすがは我が孫達じゃ! ベネディクト、レティーツィアや。其方達はよくやったぞ!」
サクノニア王国の国王は、ベネディクトとレティーツィアに優しい笑顔で2人を褒めた。
そして、わざとなのか、ヴァルトラーナお父様のことは口に出さなかった。
「「はい、お祖父様!」」
「――――レティーツィアの筆頭文官のエイバルとかいう男から、お前たちの無事を知らされたのだが、あやつは底が読めん。
何を考えておるのかさっぱりわからん。だが、お前たちが無事で儂は安心したぞ。」
…………なんだこれは。
感動の家族の再会、ってやつなのかしら……
わたくしは?
わたくしはどうなるの?
わたくしとヴァルトラーナお兄様の結婚式は?
まさかこのままわたくしを牢屋に入れて、内乱罪で処刑なんて、傍系とはいえ王族のわたくしに対してありえないわよね!?
それに、――――エイバル!!
あなた、わたくしを裏切っていたのね……
「エイバルぅう!! あなた、わたくしを裏切っていたのねぇ?!!」
引きずられながら、ハイデマリーはレティーツィアの背後に付き従うエイバルに向けて叫んだ。
「――――おや、裏切った? これは心外です。 僕はレティーツィア様の筆頭文官です。 常にレティーツィア様のためにしか動きませんとも。」
「裏切り者が何を言ってるのよ!」
「僕は最初からお前の配下になどなっていない。 お前が処分しようとした、レティーツィア様に忠実な文官や側仕えを守るため、そしてお前の弱みを握ってレティーツィア様の屈辱を晴らすために、お前のそばにいただけにすぎない。」
肩をすくめながら、エイバルはなんてことないように苦笑いを浮かべた。
「――レティーツィアの文官と側仕えですって?あいつらは、いうことを聞かなかったから、王城騎士に処分させたはずよ?」
「そうですね。僕の同僚の側仕え達はあなたの命令で酷い目にあわされました。あなたの目を欺いて、僕が急いで助けたのですが、身体に傷も後遺症も残っていましたし、…………許せまんよねぇ」
最後の呟き、こわっ。
何なのこの男。
わたくしに使えていた時は、そんな怖い目線をわたくしに向けなかったじゃない!
「まぁ、それはいいです。側仕え達の傷と後遺症も、昨日のうちにレティーツィア様が解決してくださったのですから。――――さすが、我が主レティーツィア様です!」
「エイバル! わたくしを裏切ってタダで済むと思っているの!
レティーツィアの配下に戻るなんて、わたくしが許さないわ!
わたくしを助けなさいっ!」
「罪人の貴様が、我が主であるレティーツィアを呼び捨てにするなっ――――!!」
「ヒッ……」
思わずわたくしの口から悲鳴が出てしまった。
初めて人からこんなに殺意を向けて、怒鳴られた……
傍系とはいえ王族のわたくしにこんなあからさまに怒鳴って逆らうものなんて、今までわたくしの周りにはいなかったのに……
「女性であるパウラとリタ……僕の同僚にした仕打ちを忘れるな! レティーツィアが止めていなければ、お前など今この場でっ――!」
「ヒッ!」
殺される……!!
「エイバル、そこまでですよ」
「レティーツィア様……失礼いたしました、レティーツィア様」
「わかったのならいいのです。」
レティーツィアがあんなに恐ろしかったエイバルを言葉だけで止めた。
わたくしが1番可愛がっていて、――そして、最後にわたくしが崖から落として、死んだと思っていたレティーツィアが、憎らしいことに簡単に止めたの。
わたくしの配下になっていたとばかり思っていた元レティーツィアの筆頭文官のエイバル。
彼は有能で、今まではわたくしがわざわざ口に出さなくても、わたくしの意図を汲んで先に動いてくれていた。
歯向かわれたことなんてなかったのよ。
レティーツィアとエイバルの2人の様子を見れば、エイバルの言う通りなんだとわかった。
――――本当に、エイバルはわたくしの配下ではなかったのね。
レティーツィアを殺そうと崖から突き落としたわたくしがショックを受けるのは違うなんて、そんなことは百も承知だ。
エイバルは元々レティーツィアの側近なんだし、レティーツィアを裏切ったわたくしの弱みを握って、レティーツィアの役に立つためだけにいたのだと、――――やっとわたくしにも理解できた……
(なんなんだ、この世界はっ――! 何もかもうまくいかない!
今まで我慢してきて、やっとヴァルトラーナお兄様と一緒になれそうだったのにっ! わたくしはただヴァルトラーナお兄様が好きなだけなのに! ――どうして、何もかもうまくいかないんだろう…… )
「――――ハイデマリー、……このまま王城騎士に牢屋に連れていってもらうつもりだったが、勘違いされたままは良くないのでな、最後に一つだけ言っておく。」
ヴァルトラーナお兄様が失意にくれているわたくしの方を見つめる。
いやだ、そんな冷たい目をわたくしに向けないでっ!
もうヴァルトラーナお兄様の王妃なんて求めない。
クラウディアが王妃でも文句は言わないわ!
だから――だから、お願い。そんな冷たい目は、や め て……!
「私はな、ハイデマリー」
嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!
何も言わないで!聞きたくないわ!
「私はクラウディア以外を愛したことはない!」
お願い、もう何も言わないで!
「ハイデマリー、其方のことを妹以上に思ったことは今まで1度もない!!」
――――や め てぇええええええ!!!!!!!!!!
聞きたくなかった。
どうして、そんなヒドイ言葉を言うの!?
――ほんとはなんとなくわかってた。
ヴァルトラーナお兄様がクラウディアを愛してる、ってこと……
でも、――気づきたくなかった!
ヴァルトラーナお兄様がわたくしのことを妹としか思ってないことなんて、ほんとはわかってたのに――!
どうして、そこまでわたくしを追い詰めるの?!
妹だというなら、許してほしかった
わたくしだって、傍系に堕ちたとはいえ、王族に変わりはないのよ!
ゆるさない。
ゆるさないゆるさないゆるさないユルサナイ――……
そうよ、エイバルが裏切らなければうまくいったのよ。
エイバルも、レティーツィアさえいなければ、わたくしの忠実な配下でいてくれたにちがいないわ!
――――やっぱり原因はレティーツィアだわ。レティーツィア、やっぱり、あなただけは、ユルサナイ…………!!
「…………ゆ る さ な い」
「は? ハイデマリー、其方何をするつもりだっ!!」
「ユルサナイユルサナイユルサナイッ――――!!」
レティーツィアを崖から落としてからずっとわたくしの中にいてくれた、『ナニカ』がわたくしの感情に合わせて力を貸してくれるような感じがした。
そうだ。
この力を使えば、憎いレティーツィアも、何もかも、全部壊すことができるわ!
わたくしを中心に力が広がっていくのがわかった。
―――――
ヴァルトラーナお父様は、ハイデマリーとヴァルトラーナお父様の結婚式という場を逆手に取って、王城騎士達にハイデマリーの配下を捕縛するように命令を下していた。
私も、私の筆頭護衛騎士のアードルフと副護衛騎士のオーブリー、ルトバ達護衛騎士を派遣した。
「やめろ! 離せ! 私が誰だかわかっているのか! 私は王城騎士のリーダーなんだぞ!!」
「――黙れ。 お前が王城の騎士のリーダーのデニスか。 やっと見つけたぞ。」
「うわぁ、こわっ! アードルフ、その顔は怖いって。
けど、まぁ、僕たちの仲間であるパウラとリタを傷つけたのは君のせい、なんだろぉ? 許せないよねぇ。」
「ち、ちがう。ちがうのだ! そ、そうだ! ハイデマリーが悪いのだ! 私は、ただ従っただけっ――――」
「だから、黙れと言っただろう!!」
「そうだよ。 そんなバレバレの見えすいた嘘、僕たちにはバレバレなんだよぉ? 君が自らの意思で国王を裏切ったのは、わかってるんだからね。 君も君の仲間も、みんな、こうなるリスクがあることは最初から理解していたはずだよねぇ?」
ヴァルトラーナ国王の命令を受けた王城騎士に、王城の騎士のリーダーのデニスは囲まれていた。
だが、いまだに無様にも言い逃れをして、逃げようとしたが、レティーツィアの筆頭に護衛騎士のアードルフと副護衛騎士のオーブリーに追い詰められている。
アードルフの剣の先が、王城の騎士のリーダーのデニスの首筋に当たっている。
「やめ、やめてくれっ! 私のせいじゃない! イタッ――!!」
「往生際が悪い! 黙れないのならば、今ここで首を切り落とすぞ!」
王城の騎士のリーダーのデニスの首筋から血が一筋流れている。
謝りもせず騒ぐデニスの首に、アードルフの剣がほんの少し食い込んでいた。
まさか本当に切られると思っていなかったデニスの顔は、驚きと恐怖に染まっている。
――――元王城騎士リーダーのデニスは、嘘のように一気に静かになった。
「我が女神レティーツィア様のおかげで、傷と後遺症のあったパウラとリタの身体は元に戻った。 だけど、僕達レティーツィア様の側近はお前たち国王に逆らった裏切り者の王城騎士を、許さないからねぇ?」
「ヒィッ! 悪かった!だ から、許してくれぇ!」
「馬鹿だねぇ、君も。 内乱罪だよ? 何人の国民がすでに犠牲になっていると思ってるんだ! 許されるわけ、ないじゃないか。」
「――――うそだ。 この俺が内乱罪だと…………ありえない…………」
オーブリーがいつものレティーツィア様賛美をしながら、デニスを脅した。
デニスは、オーブリーから内乱罪だと知らされると血の気が引いたようだった。
そのあとは、ただ、「…………死罪」とぽつりと呟いただけで、抵抗する力すらなくしたようだった。
「――これで、パウラとリタの仇はとった…………」
「そうだねぇ、アードルフ。ようやく、仇を取れたよねぇ。これも、我が女神レティーツィア様が戻ってきてくださったおかげだねぇ。」
「あぁ」
「我が女神レティーツィア様は、我らの光だよねぇ。」
「そうだな」
「あれぇ?アードルフ、いつもみたいに照れて否定しないんだぁ?いっがーい。」
「オーブリー、うるさいぞ。お前だけでなく、私達にとってレティーツィア様が希望の光なのは間違いないからな」
「あぁ、そうだねぇ。けど、珍しくアードルフが素直のは気持ち悪いなぁ。」
「だまれ、オーブリー」
「あはは、はいはい。照れるなって〜」
「…………」
元王城の騎士のリーダーのデニスが連行されていったあと、アードルフとオーブリーは2人で感慨深そうに話していた。
その後ろ姿は、無惨に傷つけた仲間の仇をとれた達成感に満ちていた。




