牢屋から脱出
エイバルから、レティーツィアの側近を捕まえたと報告を受けたハイデマリーは久々に機嫌が良かった。
うふふ、今日はとってもいい日だわ。
カシノニア王国には、口には出さないがいまだにレティーツィアのことを支持している貴族達がいる。
彼らは口ではハイデマリーに従っているような素振りを見せているが、そんなのは上部だけだと、ハイデマリーだって気がついているのだ。
なかなか思うようにハイデマリーの言うことを素直に聞かない貴族達へハイデマリーのストレスは高まっていた。
そんな時にエイバルから、レティーツィアの側近を捕まえたと報告があったのだ。
『エイバルはわたくしに本当に従ってくれていたみたいね。 元々はレティーツィアの筆頭文官だった男だから警戒していたけれど、疑いすぎたのかもしれないわね。』と思い、ハイデマリーの顔はにんまりと緩んでいた。
エイバルからの報告を受けてからのハイデマリーは上機嫌で、もう明日に控えているのにまだハイデマリーの結婚式に反対して歯向かってくる貴族達をそれからまとめて懲らしめに向かったのだった。
『うふふ。 ようやくこれで、邪魔者は消えたわ。
レティーツィア、この世からいなくなってからも散々わたくしのことを邪魔してくれたようだけど、それももうおしまいなのよ。
だって……やっと明日、わたくしは愛しいヴァルトラーナお兄様と結婚することができるだもの………』
―――邪魔者を全て排除できたと、世にも恐ろしい笑顔を浮かべたハイデマリーは、鼻歌でも歌いたくなるような浮かれた気分で、大切な人が待つ牢屋へと1人向かったのだった。
これから向かうこの場所にハイデマリーの大切な人を隠していることは、ハイデマリー以外の誰も知らない。
なぜなら、ハイデマリーはこの場所の存在を誰にも教えなかったからだ。
ハイデマリーはレティーツィアを崖から落とした時から、ヴァルトラーナお兄様を高貴な方用の地下の牢屋に閉じ込めていたのだ。
……もう、ヴァルトラーナお兄様をどこにも離したくない。
それは、他の人から見たら異常な愛でしかない。 でも、ヴァルトラーナお兄様への長年のこじれた愛ゆえに、ハイデマリーには愛しいヴァルトラーナお兄様を高貴な方用の地下の牢屋に閉じ込めることに、何の抵抗もなかったのだった。
『これで、わたくしとヴァルトラーナお兄様はやっと一緒になれるのだわ………』
そんな思いを抱えながら、足取り軽くハイデマリーは高貴な方用の地下の牢屋へと足を進めた。
―――だが、ハイデマリーが向かった牢屋には誰もいなかった。
「……………ヴァルトラーナ、お兄様? お兄様、どこにいるのですか? 隠れているのですか? え、ウソでしょ…… どうして?どうして、ここにヴァルトラーナお兄様がいらっしゃらないの?!!
どこ? …………どこにいらっしゃるのですか?
ヴァルトラーナ、お兄様ぁああああああああああッ!!!!」
高貴な方用の地下の牢屋の中には、響き渡るようなハイデマリーの叫び声が響き渡っていた。
―――――
レティーツィアの耳に、
『ヴァルトラーナお兄様ぁああああああああああッ!!!!』と、大声で叫ぶ女の声が聞こえてきた。
その声に反応して、「……レティーツィア」と気遣わしそうに呼ぶのは、レティーツィアの父で、カシノニア王国の国王であるヴァルトラーナお父様である。
「………ヴァルトラーナお父様、気になさらないで下さい。
急いで、クラウディアお母様とベネディクトお兄様を助けないと……!」
「いや、そうなのだが、ハイデマリーをあのままにしておくのは………」
ヴァルトラーナお父様は、聞こえてきたハイデマリーの叫び声が気になるようで、声が聞こえてきた方に意識が向いているようだ。
―――ヴァルトラーナお父様は甘い。甘すぎる。
思わずレティーツィアはそう思い、イラつく気持ちが湧いてきた。
レティーツィアは、実の父であるヴァルトラーナお父様が大好きだ。
ヴァルトラーナお父様は家族への愛情に溢れ、誰よりも優しい。 レティーツィアにとっても、そんな優しいヴァルトラーナお父様の優しさは大好きなものだったのだ。
そう。そのヴァルトラーナお父様の優しさは、父としてはいいものかもしれない。
――だが、カシノニア王国の国王として、ヴァルトラーナ国王としては、この人は家族に優しすぎるのだ………!
国王としてヴァルトラーナお父様は優れた知識を持っているが、今のように平気でカシノニア王国の国民と、ハイデマリーのようなものでも家族を天秤にかけられてしまえば、この人は家族を選んでしまうくらい家族に甘い人なのだ。
カシノニア王国のヴァルトラーナ国王でいられるのは、カシノニア王国の国民あってこそなのに、何の躊躇いもなく家族を優先して国民を切り捨ててしまう。
ヴァルトラーナお父様は優れた国王としての知識はあるはずだし、レティーツィアにもカシノニア王国の国民を大切にしろと教えたはずなのだ。 それなのに、レティーツィアの父のヴァルトラーナお父様は、家族を天秤にかけられてしまえば国民を捨ててしまうのだ。
そして、国民を簡単に捨てた上で、無意識に国民からは捨てられることはないと思っている。
―――やっと今、レティーツィアはヴァルトラーナお父様のそういう、家族に甘すぎる所に気がついたのだ。
今、カシノニア国が荒れて食糧難も起こっている。
カシノニア王国の国民が困り果ててしまっているこんな時でも、ヴァルトラーナお父様は元凶のハイデマリーの叫び声を聞いたら気にかけてしまっている。
そんなヴァルトラーナお父様を見て、レティーツィアは言いようのない悲しさと悔しさを感じたのだった―――
―――――
レティーツィアが、ヴァルトラーナお父様を見つけて助けるまでにはこんな流れがあった。
まず、レティーツィアはハルトムートとハイデマリーの屋敷で秘密の隠し部屋を見つけた後、緊急時の待ち合わせ場所でギーゼラやルトバ達騎士達と合流したのだ。
そこでギーゼラから、アードルフとオーブリーが捕まってハイデマリーの所に連れ去られてしまったこと、そしてそれは筆頭文官だったエイバルが関わっていたのだと、涙ながらに悔しそうに伝えられたのだった。
「申し訳ありません、レティーツィア様!
わ゛たくしは、アードルフもオーブリーも救えず、ルトバを連れて、のこのこここまで逃げてきてしまったのです! 本当に、申し訳、あ゛りませんん……!」
「レティーツィア様、私も他の護衛騎士達を連れて逃げることしかできませんでした! アードルフやオーブリーを助けられずに、ここまで逃げるだけで精一杯だったのです……!」
「アードルフとオーブリーが…………そう、だったのですね。
ですが、わたくしは、それでもあなた達が無事でよかったと思います。
だから、ギーゼラ、自分を責めないで下さい。 あなたは、護衛騎士ではなく、側仕えなのです。 そんなにたくさん王城騎士がいたのでは、戦っても捕まってしまうだけです。
それは、ルトバ達護衛騎士達にも言えることです。 あなた達も自分を責めないで下さい。 あなた達もわたくしの、レティーツィア王女の護衛騎士なので優秀な護衛騎士なのはわかっていますが、王城騎士がそんなに沢山いては敵いません。
オーブリーが言う通り、その時に逃げてわたくしと合流してくれたのは賢明な判断だったと思いますし、わたくしはよかったと思います。」
「「「「「レティーツィア様……!!」」」」」
私の言葉に驚いたようで、ギーゼラとルトバ達護衛騎士が泣きながら、私の名前を呼ぶ。
「……で、ですが。 エイバルのせいでアードルフとオーブリーは捕まってしまいました。 これから、わたくし達はどうすればいいのでしょうか」
ギーゼラは困ったように眉を下げながら、レティーツィアに尋ねてきた。
「ギーゼラ、それは問題ありません。 どうやら、エイバルはわたくし達を裏切ったなどいなかったみたいなのですから。」
「え? けれど、エイバルは………」
ギーゼラが私の言葉に戸惑っているようです。
そうでしょうね。 だって、エイバルは上手くみんなのことを騙しているようですから。
私も危うくエイバルに騙され続けてしまう所だったよ……
「ギーゼラ、エイバルはわたくし達を裏切ってなどいなかったのです。だって、エイバルは言っていたのでしょう? 『僕なら高貴な方用の地下の牢屋から調べたと思うなぁ』、と。」
「え、えぇ。 そう言っていました。 ……ねぇ、そうよね、ルトバ?」
「はい、私達も確かにそう聞きました。」
「そうです。それが答えなんです。私達は、エイバルの言う通り、『高貴な方用の地下の牢屋』に行くべきなのです。
さぁ、みんな、『高貴な方用の地下の牢屋』に行きますよ。」
私は戸惑うギーゼラやルトバに、にっこりと微笑みながらレティーツィアはそう呼びかけた。
「「「「「「は、はいっ!」」」」」」
迷いなく歩き出す私を見て、戸惑いながらもギーゼラやルトバは良い返事をして頷いてついてきてくれた。
レティーツィアは、きっとエイバルの言う『高貴な方用の地下の牢屋』が、ヴァルトラーナお父様を閉じ込めているんだろうと仮定して、精霊魔法でヴァルトラーナお父様の居場所を特定したのだった。
ハイデマリーに仕えたフリをしているエイバルが、高貴な方だなんて言う人は、ヴァルトラーナお父様しかいない筈なのだ。 だから、レティーツィアにはエイバルはハイデマリーについて裏切ったフリをしながら、私達にヴァルトラーナお父様がいる居場所を教えているんだとわかったのだった。
場所を特定したレティーツィアは、その目的の場所までの行き方はわからなかった。 なので、王城の抜け道に詳しいギーゼラに尋ねながら進んで行ったのだった。
辿り着いたそこで、『牢屋とは名ばかりの鍵のついた豪華な部屋』に入れられたヴァルトラーナお父様を見つけた私達は、ヴァルトラーナお父様を助け出して、それまでの事情を聞いたのだった。
―――結論から言うと、ヴァルトラーナお父様はハイデマリーと共謀はしていなかった。 ただ、クラウディアお母様やベネディクトお兄様を人質に取られて身動きが取れなかったらしいのだ。
それで、なぜか『守護の宝石』のことを知っていたハイデマリーに、人質の命で脅されてしまい、『守護の宝石』を奪われてしまったそうだ。
……うん、たぶんハイデマリーは私とハルトムートが見つけた、ハイデマリーの屋敷のあの黒いモヤの発生源の秘密の隠し部屋で、『守護の宝石』の知識を得たのだろう。
そうじゃないと、傍系王族で王位継承者じゃないハイデマリーが『守護の宝石』だなんてトップシークレットな情報を知るはずのない。 それに、ハイデマリーの屋敷の秘密の隠し部屋には『守護の宝石』の情報もあったのだ。 間違いない。
そうして、ハイデマリーはヴァルトラーナお父様から『守護の宝石』を奪い、カシノニア王国の実質的な王国になってしまった、ということらしい。
ただし、王位継承者でもなく魔力もそんなにないハイデマリーには、当たり前だけど『守護の宝石』を使いこなすのには問題があったみたいだ。
どうやってもハイデマリーには『守護の宝石』の力を扱いきれなかったのだろう。 それで、ハイデマリーはきっと『守護の宝石』を使いこなそうのするのを諦めたのだ。
結果、カシノニア王国は『守護の宝石』が使われないので魔力が薄れて、土地が荒れ果てていってしまった、ということなのだろう。
―――ただし、ヴァルトラーナお父様はハイデマリーに伝えなかったみたいだけど、『守護の宝石』の半分は私が持っている。 ハイデマリーがヴァルトラーナお父様から奪ったのは、『守護の宝石』の半分だけなのだ。
もう半分の『守護の宝石』は、ヴァルトラーナお父様に渡されてからずっと私が持っていて、『守護の宝石』を使って力を注ぎ続けているのだ。
だから、ハイデマリーがヴァルトラーナお父様から奪ったもう半分の『守護の宝石』を使いこなせなくて、国が荒れていたとしても、私が持つもう半分の『守護の宝石』の力で、カシノニア王国の結界は守られていたのだ。 カシノニア王国の土地も国境沿いは荒れてしまっていたけど、王城の周りが荒れていないのは、私の持つもう半分の『守護の宝石』のおかげだったと言うことだ。
………それにしても。
もし私がハルトムートと出会わずに本当に死んでしまっていたら、私が持つもう半分の『守護の宝石』は機能しなかったはずだ。
全く………ハイデマリーに家族を使って脅されたとはいえ『守護の宝石』を渡してしまったヴァルトラーナお父様も、
奪ったもう半分の『守護の宝石』を使いこなせずに諦めてしまったハイデマリーも、ほんとに一体どうするつもりだったんだろうね?
―――最悪の場合は、『守護の宝石』の結界がなくなって、魔族が入ってきてしまうというのに。
結界がなくなれば、カシノニアの悲劇のように酷い惨状になるのは間違いないのに………
―――――
レティーツィアは、ギーゼラやルトバ達護衛騎士達同様にヴァルトラーナお父様にも飛行魔法をかけた。 そして、クラウディアお母様とベネディクトお兄様の気配を精霊魔法で探知しながら急いで向かったのだった。
その間、ヴァルトラーナお父様が
「……なっ! 飛んでいる、だ と?!!」と、言って驚いていた。
だが、今までのことでレティーツィアはヴァルトラーナお父様に少しイライラしていたところもあったので、特に返事はせずに助けに向かったのだった。 ……まぁ、とは言ってもやはり無視は良くないので、あとでヴァルトラーナお父様にフォローはしようと思うけれども。
目的の場所に行くと、ヴァルトラーナお父様から聞いていたとはいえ、クラウディアお母様とベネディクトお兄様の様子は酷いものだった。
まず、ヴァルトラーナお父様とは明らかに牢屋のレベルが違った。
ヴァルトラーナお父様は、『牢屋とは名ばかりの鍵のついた豪華な部屋』だったのに対して、
クラウディアお母様とベネディクトお兄様がいるのは、まさしく『牢屋』、そのものだったのだ。
冷たくて汚い石の壁と、隙間風が入ってくるような大きな柵の入った天窓がついた牢屋だった。 床には何も敷いてなくて、隙間風の酷い牢屋では、さぞ身体が冷えるだろう。
狭い8畳くらいの牢屋に、クラウディアお母様とベネディクトお兄様は2人まとめて入れられていた。 トイレも室内に置かれた壺にするのか、一応クラウディアお母様とベネディクトお兄様様にそれぞれ2つが部屋の両隅に置かれていた。
―――そして、なにより、クラウディアお母様とベネディクトお兄様は、一目瞭然で以前会った時よりも痩せてしまっていた。 特に、ベネディクトお兄様よりクラウディアお母様の方が痩せてしまっており、意識も朦朧としている様子だった。
あぁ……、クラウディアお母様とベネディクトお兄様はこんな劣悪な環境で過ごしていたのか。 きっと、元々王族としてしか過ごしたことがなかった2人には過酷な日々だったんだろう……
レティーツィアは2人の姿を見て胸が痛くなり、自然と涙が流れた。
そりゃ、そうだよね。
ハルトムートのプライベート空間で過ごしていたレティーツィアにとっては3日ぶりに会う感覚なのだが、実際のカシノニア王国では3ヶ月も時が流れてしまっているのだ。
もっと早く精霊魔法をマスターして、カシノニア王国に戻って来れたら、クラウディアお母様とベネディクトお兄様はこんな姿にならずに済んだのかもしれない。
そう思うと、レティーツィアは自分の力不足さが悔しかった。
レティーツィアは、2人の姿を見て涙が止まらなくなった。 すぐにでも2人を牢屋から出して助けないといけないのに、あまりに辛すぎて言葉も出なかった。
「クラウディア! ベネディクト! やっと、会えた! 」
牢屋の柵を掴んで揺さぶりながら、ヴァルトラーナお父様がクラウディアお母様とベネディクトお兄様に声をかけている。
「…………父上?」
ヴァルトラーナお父様の声に横になって倒れていたベネディクトお兄様が掠れた声で返事をした。
「あぁ! そうだ、私だ! レティーツィアと助けに来たぞ!」
ヴァルトラーナお父様はベネディクトお兄様が返事をしてくれたことで早く牢屋から2人を出そうと、牢屋の柵を叩きながらこたえた。
「父上! 母上を! 母上を、助けてください! 母上は熱があるのに、ロクな食事も、薬でさえも、与えられていないのです!」
「なに?! ハイデマリーは何をしているのだ!」
「ハイデマリーは何もしてくれません! わざと食事の量を減らしたり、レティーツィアが亡くなったと知らされて悲しむ母上に、レティーツィアのことを話して嫌がらせをしたりするだけです!」
「まさか、ハイデマリーがそこまで酷いとは………」
「お願いです!早く、母上に医者を呼んでください!ただでさえ、レティーツィアのことを聞いてから母上の心は壊れてしまったのに………、このままでは母上の命が危ないのです!」
「な に………ッ !!」
予想以上の酷い状況でレティーツィアがショックを受ける中、ヴァルトラーナお父様とベネディクトお兄様が2人で話している。
クラウディアお母様の病状が悪いということをベネディクトお兄様から知らされたヴァルトラーナお父様は、顔を青褪めさせている。
「………レティーツィア、大丈夫か?」
ハルトムートがレティーツィアを心配そうに声をかけてくれる。
「……ありがとう、ございます、ハルトムート。 クラウディアお母様とベネディクトお兄様を助けるのに一緒に協力してもらえますか?」
「ハハハッ! それくらい簡単だ! 私に任せるのだ! こんな牢屋、私にかかれば………!」
そうハルトムートが言うと、牢屋に優しい風がブワッと巻き起こった。
そのハルトムートが作りだした優しい風は、牢屋の柵を消したあと、クラウディアお母様とベネディクトお兄様の周りに留まった。
その風に触れられていくうちに、ベネディクトお兄様と、青褪めて横に倒れてしまっていたクラウディアお母様の顔色が、健康そうな顔色へとどんどん良くなっていった。
「なんだこれは……! 苦しさがどこかへ消えていく……」
ベネディクトお兄様が思わず、と言ったように呟いた。
そして、「………ベネディクト?」と言って、命の危機にあったクラウディアお母様が目覚めてくれたのだった。
レティーツィアやベネディクトお兄様、ヴァルトラーナお父様は、目覚めたクラウディアお母様にかけよって、「クラウディアお母様!」「母上!」「クラウディア!」と、それぞれ嬉しい悲鳴をあげて喜んだのだった。
―――その奇跡のような出来事は、ハルトムートにレティーツィアが頼んでから、あっという間の一瞬の出来事だった―――
ヴァルトラーナお父様が、ハイデマリーに脅されたとはいえ、カシノニア王国の国王なのに国民を顧みずに家族の方を優先して、国を実質ハイデマリーの支配下に置かれるような行動をしたのは良くないと思います。 ただ、ヴァルトラーナお父様は、カシノニア王国の王位継承者にしか知らせてはいけない知識(秘密の地下通路や、渡した守護の宝石の半分をレティーツィアに渡していることなど)はハイデマリーには教えずに守り抜きました。
もし、ヴァルトラーナお父様がハイデマリーに王位継承者のみに伝えられる秘密を教えていれば、レティーツィア達が秘密の地下通路に入った時に大勢の王城騎士達が待ち構えていたことでしょう。
……それにしても。ヴァルトラーナお父様はもっとカッコよく書きたいのに、なぜかどんどん違う方向に向かってしまっているような気がしてしまっています。




