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他の道


初めての感想をいただけて感動しました。

(本当にありがとうございます)

嬉しすぎて気合が入って、今回の話は少しいつもより文章が長めになってしまいました。(笑)

楽しんでいただけたら、と思います。


レティーツィアは、フロレンツィアの実を実らせてアードルフ達側近に食事を振るまっていった。


なんでも、国境沿い暮らしでは実家からの支援はなく、自分たちで狩りをしてお金を稼いでいたので、お金に余裕がなかったらしい。


だから、私が何のきなしにアードルフ達側近に「何でも食べたいものを言ってください」と言うと、すごく感動された。


特に感動が凄かったのは、ギーゼラである。


「レティーツィア様、こんなに甘くてふわふわのケーキが食べられるなんて!うぅ……夢みたいです。幸せすぎます……!」と、私の予想以上にギーゼラは感想してくれていた。



ギーゼラ曰く、訓練で野宿の経験のある護衛騎士達に任せていては、食べられるが筆頭側仕えのギーゼラの満足のいく料理にはほど遠い食べ物になるらしい。

なので、筆頭側仕えで料理経験も豊富なギーゼラが、私が合流するまでは料理を作ってきたそうだ。


アードルフやオーブリーら、護衛騎士達は護衛騎士の訓練を経験していて、もっと酷い食事や環境に慣れているので、ギーゼラの作るご飯に感動していたらしい。



――だが、ギーゼラは満足できなかったらしい。




護衛騎士と違って、ギーゼラは側仕えなので王城勤めをしていて、私と常にそばにいた。


私が護衛騎士の野宿などの訓練に参加しないのだから、側仕えのギーゼラも王城や貴族としての生活以外は未経験なのだ。




そんなギーゼラは、国境沿いでの暮らしがとても辛かったようだ。



周りは護衛騎士で男ばかりで、女性はギーゼラだけだ。

他の女性の側仕えはもういない寂しさもあり、ギーゼラは孤独になった。


しかも、国境沿いでの慣れない生活で辛いのに、護衛騎士達とは感覚が違うのでイマイチわかりあえない。


訓練で野宿などを経験している護衛騎士達からしたら、当たり前の狩りやサバイバル生活でも、ギーゼラには初めてでわからないので、護衛騎士達についていけないのだ。


せめてもと、料理担当を任せてもらったが、材料も器具もまともなものはない場所なので、当たり前なのだが手の込んだ貴族として王城で食べていた食事には程遠い物しか作れなかった。


それでも、訓練の野宿に慣れた護衛騎士達は、ギーゼラの作った料理に満足してくれたが、当のギーゼラ本人が満足できなかったのだ。





―――それなのに。

それなのに、レティーツィア様が帰ってきて、一瞬で状況が変わった。


ハイデマリーと国王との結婚を阻止するために動いたはいいが、ハイデマリーに監視されていたようで、すぐに王城騎士に捕まりそうになってしまった。



―――絶体絶命のピンチ。



それなのに、どこからか現れたレティーツィアがハルトムートというイケメンの男の人を連れて戻ってきて、あっさりと王城騎士を捕まえてしまった。


ギーゼラは驚いた。


レティーツィア様が生きて下さったことも、もちろん驚いた。

だが、あの強い王城騎士達をレティーツィア様が、精霊魔法というとんでも能力でいとも簡単に捕まえてしまったことにも、ギーゼラはとても驚いたのだ。



やはり、私の主のレティーツィア様はすごい……

ギーゼラはただただ感動した。





そして、レティーツィア様は私たちの状況と自分の状況を話し合って理解すると、すぐに「まずは食事をしよう」とさらりと言ってしまった。


困惑する私たちに食べたいものを聞くと、

『フロレンツィアの愛を実らせる』と言って、久しく目にしていなかった豪華な料理を作り出した。


私が食べたかった、グラタンやケーキも作ってくれた。

それに、アードルフ達護衛騎士達が食べたがっていたハンバーグやステーキもたくさん作ってくれた。



ギーゼラには、『フロレンツィアの愛を実らせる』ということがどういうことなのか、いまいち理解はできなかったけど、すごいことなのだとはわかった。

ギーゼラはこんなすごい技を見たことがない。


だが、ギーゼラはアードルフ達食べ盛りの護衛騎士達が食べたがる量の食べ物をそんなに作り出して、私の主は大丈夫なのだろうか、と心配だった。




「レティーツィア様。あの、そんなに作り出して魔力や身体は辛くないのですか?」



私は心配で私たちのために、『フロレンツィアの愛を実らせてくれている』レティーツィア様に尋ねた。



「ふふ、ギーゼラは優しいですね。でも、これくらいなんてことないですよ?魔力も……、うーん、どうなんでしょう。減ってる気はしませんし、大丈夫ですね。

それより。これから王城に行くということは、これが最後の晩餐になるかもしれないということですからね。みんなには満足のいく食事を楽しんでもらいたいのです。……それに、私はみんなの主人なのに、3ヶ月の間何もみんなにできなかったのですから、これくらいは何てことないですよ。」

と、困り顔のレティーツィア様がおっしゃっていた。



……あぁ、やはり私の主のレティーツィア様は素晴らしい。


こんな状況でも、自分のことだけでなく、カシノニア王国のことを考え、そして私たち側近のことも労ってくれるなんて。


私は、レティーツィア様の側近になれてよかった……!


ギーゼラは、レティーツィア様と合流するまでの辛かった国境沿いの日々を振り返り、レティーツィア様の側近で良かったと思った。








レティーツィア様は、さっき私たち側近からいきなりレティーツィア様の家族や側近の死を知らされた。


そのうえ、万が一、ヴァルトラーナ国王がハイデマリーと共謀してカシノニア王国を裏切っているなら、レティーツィア様がカシノニア王国を救うために実の父であるヴァルトラーナ国王を討っていただく決意までしていただくことになった。



実の家族や大切な側近を亡くした後に、優しいレティーツィア様にそんなことまで覚悟していただくのは心苦しかった。


だが、レティーツィア様は『私欲よりも、王族として生まれたからには大事なものがあるのだ』、と話しておられた。





「私が王族であるのも、カシノニア王国の国民がいてくれるからです。そのことを忘れてはいけないですし、カシノニア王国の国民が苦しんでいる今こそ、私は『ノブレス・オブリージュ』をはたさなくていけないのです!」

と、レティーツィアは覚悟を決めた顔で仰っていた。



……さすがレティーツィア様です!








他の護衛騎士達にも慈悲深いレティーツィア様が料理を作ってくださっているときに、レティーツィア様大好きの変人護衛騎士のオーブリーが私とアードルフに話しかけてきました。



「やぁ、アードルフ、ギーゼラ。少し話をいいだろうか?」


「あら、オーブリー。あなたやっと落ち着いたのね。レティーツィア様の前で、さっきは酷い有様だったわね。久々にレティーツィア様に会えたからって、さっきの泣いて涙で汚れたあなた顔を、私のレティーツィア様に見せるなんて……気持ち悪いからやめてよね。」



私は、さっきのオーブリーの暴走に少し嫌味をいって、釘を刺しました。



「それで、オーブリー。一体何を話したいのだ?」



アードルフがオーブリーに話とは何か尋ねた。



「あぁ。いやねぇ、大したことじゃないんだけどさ。

さっき、僕はレティーツィア様が望まれれば、君たちとは違う選択を提案して支持したかもしれないってことは、伝えといてもいいかな〜、なんて思ってね?」



お茶目な様子でオーブリーが私たちにウィンクをしてくる。



………うわ、オーブリーのウィンクが飛んできたわ。


ほんっと、オーブリーってレティーツィア様の前ではデレデレして気持ち悪いのに、それ以外の人の前じゃ全然態度が違うんだから。


自分がイケメンなのを理解していて、尚且つ、その顔やルックスを活かして、やたらとキザな行動をしてくるのだ。


やめてほしい。


ただし、オーブリーは大好きなレティーツィア様の前では壊れてしまうので、残念系キザボーイなのだが………


ドンマイ、オーブリー。



「なによ。もったいぶっちゃって。言いたいことがあるなら、はっきり言ってよね。特に、レティーツィア様に関わることなら、私たちに隠したりなんてしたら、許さないわよ!」


「ははは。ギーゼラ、落ち着いてったら。わかってるよ。

僕は裏切り者のエイバルみたいにはならないさ。アードルフとギーゼラに、レティーツィア様のことで秘密は良くないってわかってるしねぇ〜」


「そう、それならいいわ。筆頭文官のエイバルが抜けたけど、私たちの間に秘密はなしなのよ!

筆頭側仕えの私と、筆頭護衛騎士のアードルフ、それから副護衛騎士のあなたとの間では、情報を共有しておかないといけないのよ。」



そう、ハイデマリーの事件がある前から、

筆頭側仕え、筆頭護衛騎士、筆頭文官と、それぞれの副側仕えと副護衛騎士、副文官の間では会議や情報共有がされていた。


ただし、今は多くが命を落としたり、筆頭文官のエイバルがハイデマリー側に裏切ったので、今は筆頭側仕えの私と、筆頭護衛騎士のアードルフ、それから副護衛騎士のオーブリーしかいないけどね。



だけど、人数が減っても情報共有は大切なんだから!

レティーツィア様に関わることで、私たちに秘密があったらだめなのは、前も今も変わらないことだ。



レティーツィア様のために。レティーツィア様がより良くなるように。


私達の情報共有は、全てはレティーツィア様のだめなのだ。



「あぁ。ギーゼラ、怒らないで。それに、アードルフも僕を睨まないでよ〜。ちゃんと話すから。ね?」



「……ウィンクをしてくるな。早く話せ」



アードルフがちゃらかしてなかなか話さないオーブリーを睨んでいた。


ヘラヘラ〜としたオーブリーが、カッコつけて髪の毛をかきあげながらアードルフにウィンクをする。


だが、アードルフは嫌そうに注意をして、オーブリーの話の続きを促した。



うへぇ……髪をかき上げながらウィンクなんて、オーブリーも気持ち悪いことするな。

オーブリーたら、レティーツィア様がいないところでは、ほんといちいち仕草がキザボーイな奴なんだから!



「あぁ、わかったよ。僕はね、レティーツィア様にはカシノニア王国以外の道があるんじゃないか、って思うんだよねぇ。」


「どういうことだ?」


「その通りの意味だよ。

僕はね、レティーツィア様にこれ以上傷ついてほしくないんだよ。もし、カシノニア王国のヴァルトラーナ国王がハイデマリーと共謀して、クラウディア王妃やベネディクト様を殺害したのなら?

そして、ヴァルトラーナ国王が、その責任をレティーツィア様に着せて、ハイデマリーに指示してレティーツィア様を殺そうと崖から落としたのなら?」


「………」


「………そんなわけあるはずがないわ」



さっき私たちはレティーツィア様にいざという時はヴァルトラーナ国王を討つように覚悟を決めていただいた。


―――だが、それはあくまでも『万が一』のこと。



私たちは、心優しいレティーツィア様に実の父親であるヴァルトラーナ国王を討ち取って、心の傷をさらに増やすことなんてしてほしくないと思っている。



だから、あくまで、ヴァルトラーナ国王を討ち取るなんて状況にはほとんどならない、と想定している。


ただ、『万が一』は考えなくてはいけないので、レティーツィア様にもそう伝えただけなのだ。



「それなら、ギーゼラ。君はヴァルトラーナ国王がハイデマリーと共謀してないと、言い切れるのかい?」


「それは………」


「だろ?言い切れないだろう?……僕も、そうなんだよ。ヴァルトラーナ国王がハイデマリーと共謀してないとは言い切れない。

それなら、カシノニア王国を救うためには、我が女神であるレティーツィア様がヴァルトラーナ国王を討たなくてはいけなくなる。

だが、それでいいのかな?ヴァルトラーナ国王を討ってしまえば、必ず心優しい我が女神は傷つく。……それでいいのだろうか?」


「…………」



悲痛な顔でオーブリーは話した。




「……だが、オーブリー。さっきはお前も俺たちと同じように、レティーツィア様に万が一のときはヴァルトラーナ国王を討つように、と覚悟を促したではないか。それは、どういうことだ?」


「そうだよ?僕も君たちと、我が女神に覚悟を促した。

それは我が女神レティーツィア様が、クラウディア王妃とベネディクト様の殺害容疑者にされても、カシノニア王国と国民を見捨てない、心優しい方だからだ。あくまで、レティーツィア様の望み通り、カシノニア王国を救う前提で話をしただけにすぎない。」


「では、オーブリー。お前の考えるカシノニア王国以外の道とはなんだ?」



アードルフがオーブリーに真剣な眼差しで問う。



「カシノニア王国以外の道。それは、クラウディア王妃の故郷、サクノニア王国に行くという道さ。」


「……サクノニア王国、だと?

だがあの国は、クラウディア王妃が亡くなったと公表されてから、カシノニア王国には好意的ではない。

カシノニア王国が不作に陥り、食べるものが不足して出した支援要請も断ってきた国だぞ?

今更、レティーツィア様を受け入れるとでも……?」



アードルフは、疑いの目をオーブリーに向けた。



「あぁ、もちろん受け入れるさ!

逆に、サクノニア王国はレティーツィア様が生きているとわかれば、カシノニア王国から奪い返しに来るかもしれないねぇ。

まぁ、それくらい、サクノニア王国からしたら、レティーツィア様は手に入れたい人だってことだ。」


「!! オーブリー、あなた本気でそう思ってるの?」


「思ってるさ!

サクノニア王国の国王はレティーツィア様のお祖父様でもある。

娘のクラウディア王妃がカシノニア王国で亡くなったと知らされ、その息子ほベネディクト様もレティーツィア様の手にかかって亡くなった。 そして、逃亡中のレティーツィア様も崖から落ちて亡くなったと、公表されている。 だが、それが何なんだ!」


「……え、だから、クラウディア王妃とベネディクト様を殺したレティーツィア様を、お祖父様だろうとサクノニア王国が受け入れてくれるなんて、思えないってことよ!」



そう言うギーゼラを、オーブリーは呆れたような目で見つめてきた。



「どういうことだ、オーブリー。 サクノニア王国は、レティーツィア様を恨んでない、ということか?」


「あぁ、そうだ。 当たり前だ。 心優しいレティーツィア様が、クラウディア王妃と兄であるベネディクト様を殺すなんて、ありえない、とレティーツィア様を溺愛していたサクノニア王国の国王ならそう思っているだろうねぇ。」


「なぜ、そう思うのだ?」


「わかるとも。 サクノニア王国の国王と僕は同類だ。 まぁ、多少ベクトルは違うだろうけど、レティーツィア様への想いは似たような物だろうからね。 サクノニア王国の国王といえど、レティーツィア様への想いはわかるよ。」


「………」


「それにさ〜。 サクノニア王国はカシノニア王国に支援してこないよね? それも、サクノニア王国の国王は自分の娘のクラウディア王妃と、孫のベネディクト様とレティーツィア様を害されたから怒ってるんじゃないかな〜? しかも、溺愛してた孫のレティーツィア様に至っては殺害容疑までかけられてるわけだしねぇ。

……そりゃ、支援なんてしないよねぇ?」


「…………」



レティーツィア様大好き変態のオーブリーと、サクノニア王国の国王がベクトルの違う同類かどうかは、頭が痛いからとりあえず今は考えずに置いおこう。



―――ただ、サクノニア王国の国王が孫のレティーツィア様を溺愛していたのは本当だ。



あの方は、何を考えているのかわからないほど、頭がきれる聡明なご老人で恐ろしいが、レティーツィア様には優しかったのだ。



「おそらく、サクノニア王国も僕たちと同じなんじゃないかな?

レティーツィア様やクラウディア王妃、ベネディクト様の死の真相を探しているだと、僕は思うね。 だからこそ、今はカシノニア王国に支援なんてせずに、見極めてるんだと思うな。」


「そうかしら?」


「あぁ、きっとそうだよ。 それで、真相だけでなく、きっとレティーツィア様やクラウディア王妃、ベネディクト様を取り戻したいと考えてると思うんだよね。」


「取り戻す? けど、クラウディア王妃やベネディクト様はもう亡くなって……」


「そう、その2人もレティーツィア様も亡くなったと公表されている。 だが、サクノニア王国の国王は僕と同類だって言っただろう? 自分の身内がそんな疑わしい死に方をしたのなら、生きてなくとも、たとえ遺体だけでも手元に取り戻したいと思ってると思うんだよねぇ〜」


「まさか……クラウディア王妃はカシノニア王国に嫁いだ方よ?

ベネディクト様もレティーツィア様も、血の繋がったサクノニア王国の国王の孫とはいえ、カシノニア王国の王族。 まさか、遺体になったとしても、サクノニア王国の国王は取り戻したいと思っているってこと…………?」


「間違いない。 僕と同類のサクノニア王国の国王なら、間違いないよ。 娘のクラウディア王妃と孫達の死の真相を確かめるため。

そして、大切な者をそんな危険なカシノニア王国から安全な自分の国であるサクノニア王国に取り戻すため。 僕が彼なら、カシノニア王国内に支援なんて贈らずに、選りすぐりのスパイを送り込んで探してるんじゃないのかな〜って、思うけどねぇ。」


「…………!!」



クスクスとエイバルは笑いながら話した。

その考えを聞いて、私とアードルフもなぜか妙に納得できる部分があり、押し黙って考えこんだ。



オーブリーはやはりすごい男だ。


レティーツィア様が好きすぎて、レティーツィア様の前では壊れておかしくなるオーブリーだが、やはり普通の時は優秀なのだ。

だから、副護衛騎士でもあるわけだが。



「まぁ、レティーツィア様がカシノニア王国を救おうとされる限り、僕も今はカシノニア王国を救うことを考えているんだけどね?」


「あぁ……」



ケロッとした何気ない口調でオーブリーは私たちにそう言った。


衝撃を受けている私より早く立ち直ったアードルフがオーブリーに返事をする。



「ただ、僕たちはレティーツィア様の側近だ。レティーツィア様の意向に沿って動くのは変わらない。

ただねぇ〜、僕はこれ以上レティーツィア様に傷ついてほしくない、と思ってもいるんだよねぇ。 だから、アードルフとギーゼラにも、レティーツィア様にはカシノニア王国以外の道があるんだって、わかっておいてもらいたかったんだよ。」


「……そうか、お前の考えはわかった。」


「うん、そういうこと〜。 あ、けど、精霊魔法なんてとんでもないものを習得された我が女神レティーツィア様には、もしかしたら他の道もあるのかもしれないよねぇ。 まぁ、今はひとまず王城に向かって、カシノニア王国を救うんだけど。」


「そうだな。」


「…………つまり、オーブリー。 あなたは今はカシノニア王国を救いに行くけど、サクノニア王国や精霊魔法を習得されたレティーツィア様には他の道もある。 だから、レティーツィア様が傷つきそうな時は、私たちが守ろう、ってことよね?」


「そうそう、そういうことだよ。 あ、もちろん、レティーツィア様の意向が最優先だけどねぇ〜!」


「安心しろ。 俺がいる限り、レティーツィア様には傷一つ付けるわけがない。 ………今度こそ、必ずレティーツィア様を守り抜く……!」



アードルフが強い瞳でそう言った。



「えぇ、そうね!」


「そうだね。僕たちのレティーツィ様を守ろう!」



私とオーブリーも、アードルフに続いて頷いた。



私たちは、レティーツィア様が他の護衛騎士達に料理を作って下さっている片隅でこっそりと、『レティーツィア様を今度こそ守る』ために誓い合ったのだった―――













ハルトムートは、フロレンツィアの愛を実らせて料理を振る舞うレティーツィアの後ろで、影のようにくっついています。

側近達にレティーツィアがかわいい笑顔を振り撒くので、ハルトムートとしては嫉妬の嵐になっています。

ただし、レティーツィアが嫌がることはしたくないので我慢してますが。頑張れ、ハルトムート。(笑)


ちなみに、オーブリーはレティーツィア様大好き変人の残念系キザボーイですが、他のアードルフやギーゼラ、他の護衛騎士達も、充分レティーツィア様大好きっ子な側近達です。

その中でもオーブリーの変人度が高いだけで、無自覚に他の側近みんなの『レティーツィア様愛』も異常に高いです。

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