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決意


「レティーツィア、其方はこの私から見ても驚くほどの大量の精霊の加護を得ており、さらに土の精霊王のこの私とも契約しているのだ。 それに難関である精霊の目も既に手に入れているのだ。

 つまり、其方は精霊魔法を使う上での基礎は既にできているということだ。」


「そうなんですね。」


「どの精霊魔法を使う上でも大事になってくる精霊との意思疎通とイメージだが、これは心を落ち着けることが大切なのだ。」


「……心を落ち着ける、ですか?」


「そうだ。

 精霊魔法を使うならば、精霊とのコミュニケーションが大切になってくるな。

 精霊と上手くコミュニケーションが取れていないと、どんなに魔力属性や魔力量が高くても精霊との意思疎通が上手くいかずに精霊魔法が何らかの形で失敗してしまうことになるのだ。」


「あの、精霊っていっても精霊の目を手に入れてから今もふよふよと私の周りを光っているのが見えていますけど、精霊の声も何も聞こえてこないです。

 精霊の声が聞こえないのにどうやってコミュニケーションを取ればいいんですか?」


「あぁ……、それはレティーツィアならばコツさえ掴めば精霊とのコミュニケーションは簡単だろうな。

 本来ならば、精霊の目を手に入れることや、たった一つの精霊からですら精霊の加護を得ることのハードルは限りなく高いものなのだ。

 その難しさのために精霊の目か精霊の加護を得ることのどちらかが出来なくて、精霊魔法を使うことを断念して諦める者が多いのが現状だ。

 その点ではレティーツィアは既に精霊の目を持っている上で大量の精霊の加護を得ており、さらに私との契約までできているのだ。

 ……ある意味其方は精霊魔法を使う上で規格外に飛び抜けて優秀であるといえるな。」


「……」


「精霊とのコミュニケーションが上手くいかないと、精霊たちが勝手に善意でしてくれる行動の統制を取れないということになる。

 望んでいないことを統制の取れていない精霊たちが誤解した善意という、ありがた迷惑で勝手にしてしまうことになってしまうことになりがちなのだ。

 特にレティーツィアは大量の精霊の加護を得ているからな、自分の加護で繋がりができている精霊達をコミュニケーションをとって統制できなければ危険になるだろうな。

 まぁ、私のような賢く優秀な土の精霊王ならばレティーツィアの望まぬことはしないが、他の其方に大量の加護を与えている無垢な精霊達の手綱はコミュニケーションをとってしっかりと握っておかなければ暴走されてしまうぞ!

 ハハハハハッ!」


「……」



 レティーツィアは精霊魔法を使いたいとばかり思っていたので、精霊の目を手に入れられたことや何故かわからないが既に大量の精霊から加護を得ていることも、精霊魔法を使う上で都合が良かったしラッキーだった、くらいにしか考えていなかった。

 だが、ハルトムートの話を聞いたら予想以上に大量の精霊の加護で繋がりがある無垢な精霊達とコミュニケーションが取れずに統制が取れない状態にしておくことは危険なのだとわかった。

 無垢な大量の精霊達とコミュニケーションを取らずに統制を取ることを放置してしまったら、レティーツィアが望んでいないことが起こってしまうかもしれない危険性があるということだ。



(……思ってた以上に大量の精霊の加護を得ているって大変なことなのね……。 これは、飛行魔法を使うことも大切だけど、無垢な大量の精霊達を私が暴走させないためにも、何としても精霊とのコミュニケーションを取らなくっちゃいけないわね……!)



 レティーツィアは思い返してみれば、お風呂を出たあとに服が綺麗に畳んであったことを思い出した。

 あのとき、ハルトムートは大量の加護を受けている精霊達が自主的にレティーツィアのために役に立とうとして動いた、と言っていた。



(あれ、……もしかして既に私に大量の加護を与えてくれている無垢な精霊達は、私のためを思って善意で活動してしまっていることじゃないの……? これは、早急に私が大量の加護を受けている精霊達の手綱を握って統制を取らなくちゃ、いつか私じゃ収集がつかなくなっちゃいそうだわ……。)



「わ、私!

 必ず精霊とのコミュニケーションを取って意思疎通をとれるように頑張ります!」


「む? そうだな!

 熱意があるのはいいことだぞ!

 レティーツィアは頑張り屋さんだなっ!

 ハハハハハッ!」




 ーー精霊との意思疎通とイメージには心を落ち着けることが大切……。



 ハルトムートは、心を落ち着けることが大切だと言っていた。

 レティーツィアは動揺する心を深呼吸をしながら無理矢理落ち着かせ、とにかく心を落ち着けることだけに意識を集中させた。

 レティーツィアのためを思って無垢な大量の精霊達が善意でやってくれている行動なのに、レティーツィアが意思疎通を放棄してしまった結果で精霊達の統制が取れなくなってしまうのはダメだと思う。

 無垢な大量の精霊達の行動は全てレティーツィアを思っての善意であって、悪意の行動ではないのだ。

 レティーツィアさえ大量の精霊達とのコミュニケーションを取れるようになって意思疎通ができれば、精霊達の行動は統制が取れるのだ。



 今、レティーツィアには大量の精霊の加護がある。



 その大量の精霊の加護の膨大な力は、レティーツィアが努力して精霊達とコミュニケーションを取って統制が取れれば、良い方向に力を向かわせることもできるのだ。

 レティーツィアはただ心を落ち着けて、精霊との意思疎通とイメージすることに専念した。


 

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