設定集④『単語集・2』
【データベース・2】
【単語】
〇《星間放送》
人間たちの営みを『配信』として異星体に向けて放送する──『放送局』によって管理された、異星体向けの配信サイト。人間の無意識、“見てほしいと言う気持ち”によって配信が開始される。熟達した星狩りは、配信のオンオフを自由に切り替えることができるが、素人は無意識のうちに配信を始めて、配信を終わらせている。人間の無意識を受信する仕組み、と言ってもいいかも。
視聴中は『閲覧数』や『高評価数』なんかも当然表示される。
月野は日本の配信の中でも上位TOP10には入っている。強火ファンのスパチャのせいだよね。『月の王者』さんはいったいどれだけ月野に貢いだのか……本人も覚えていないらしい。めちゃくちゃ金を投げているように見えるけど、本人が大富豪だから痛くもかゆくもないんだとか。
〇《星狩りの制服》
濃紺を基調とした、ブレザータイプの戦闘服と言われているが──一見して学生服。この制服につられて周辺地域から人気が出そうな──洒落な学生服すら、星たちを喜ばせる演出の一環。ワイシャツ姿でもギリギリ制服判定をくらう。
十八歳以下は、ほとんど制服の着用が義務付けられているのが常。着ているだけで、経験値ブーストがかかる。ちなみに、制服の効果は二十二歳まで適応される。大学生でも制服を着てもいい、というか星的には全然ウェルカムらしい。年増が頑張って若作りしてるのいいよね……と言う派閥が明らかにいる。たぶん奴らとはいいお酒が飲める。
ちなみに制服には、製造者の魔力によって特別な装甲が付与されている。普通に装備として優秀、銃弾とかのダメージも軽減してくれるらしい。神かよ。具体的に言うとダメージ二割カット。神性能で草。あと胸や股周りの装甲はやけに厚いらしい。ポロリがない元凶だが、二十三歳を超えるとその恩恵をあずかれない。初心者専用装備。
〇《衣装》
制服の適応外に出た星狩りは、新たに星たちからのウケを狙うための衣装を探す。経験値ブースト欲しいからね、しょうがないね。キャラ付けになって配信の視聴率も増えるし……。
そして渡辺さんが行き着いたのが黒スーツに赤ネクタイ。別に好きでそんな恰好をしているわけじゃない。夏場は死ぬほど暑そう。本当に無理な時はワイシャツ姿になるとか。
星狩りは私服勤務も認められているけど、自分に合った衣装を探すのが一般的。学生というレッテルを取り上げられた大人たちは、新たに自分を探すのである。
〇《交流戦》
例年、夏(八月の中旬頃)に開催。各『県』ごとに星団を招聘し、戦っては交流を深める親睦イベント。ソシャゲで言う水着イベントみたいなもんで、この時期が近づくと星たちのテンションも高くなる。勢いで投げ銭したり、後見星に成るとか言い出しちゃったりするし、経験値ブーストもすごい。
夏だ! 水着だ! スイカ割りだ!!
なお月野は二日間寝込んでた模様。何やっとんねん。
ちなみに語られていないが、探偵事務所のメンバーは全員お見舞いに来てくれていた。いい子。全員根はいい子なので深堀をしていきたい。そして結姫乃は月野のために特別に用意していた水着をお披露目する機会を失った。お泊りの時に着てくれるといいね。ちょっとエッチな奴。
ちなみに交流戦で例年何があるかと言うと~
《一日目》
①ビーチバレー
これは鉄板。一つだけスキルの使用を許可したビーチバレー。得点とかも、作中通り。合理的・効率的な選択は、星たちからはあまり好まれない。結姫乃はせっかくの頭の良さを活かして月野にいいところを見せる予定だったので、内心キレていた。もっと肩の力抜けよ、ってことらしい。結姫乃は星たちがいる空に向けて静かに中指を立てた──。
②海で遊ぶ
一日目は基本的に、ビーチバレー以外に主要なイベントがないため海で遊ぶ人たちが多い。なお、月野は面接を行った足で結姫乃の部屋に連れ込まれ食べられたせいでそんな暇はなかった模様。せっかく海に来たのに海で遊ばない主人公がいるらしい。来年はしっかり海を満喫するんだぞ。
③BBQ
夜は特別にバーベキュー。肉も野菜も海鮮も食べ放題。最高のひと時。雰囲気を出すために焚き火なんかもちらほらある。食事をしながら星団の皆としゃべったり、食事を終えてから星団外の交流を深めたりする。ちなみに作中では省略されているが、月野はここでかなり探偵事務所の皆と仲良くなっている。特に愛理に懐かれた。『抱っこ』や『おんぶ』で空からの景色を見せていた模様。お前お兄ちゃんかよ。お兄ちゃんだったわ……(納得)
月野はさりげなくメロい。お兄ちゃん属性がある。
④就寝
ただ寝ると見せかけた恋バナとかいろいろ。そこで朝桐とか虚木と仲を深める予定だったのに──ママに呼び出されたかと思ったらすごい電流攻めされて二日間寝込むとか何??? かわいそう。
《二・三日目》
まさかの主人公不在期間。スイカ割りとかキャンプファイヤーとかしてたらしいっすよ、一応。行間は各々が各自で補完するんだ! ここでミヤは星団内の皆と打ち明けたらしい。さりげなくコミュ力が高い。
最終日はみんな知っての通り、作戦会議と交流戦本戦。
〇《瞳に宿る深淵》
後見星が契約者に対し、強い思い入れを見せることによって『契約者の目の中に勝手に住んじゃう』ことによって生じる、瞳の奥底に宿った『深淵』。生物としての類似性により、深淵は比較的『異星体』に宿りやすいが、人間も深淵を宿すこと自体は可能。(ただし、異星体と比べてめっちゃ貴重)
実は、これが作中で言われている《魔力》の正体──その一端である。後見星に愛されることで特殊能力に目覚めていた、ということ。
人間側で、現状《魔力》を持っていると明確に明言されているのは、月野、虚木、アザミの三名のみ。
五秒間見つめることで、深淵は時折顔を出す。気性が荒い奴なんかはすぐ出てきちゃうから、これによって異星体の判別や駆除が進んでいる。
五秒間見つめても反応がなかったら? まぁ、星狩りの本部に持っていけば検査自体はできるんで……逃げずに連行させてくれます? あっ、無理? そっか……。
ってなっちゃうけど、まぁ侵略するような奴は大抵気性が荒いから大丈夫っしょww
エルママは本当に慈悲深いので、契約した人間/異星体問わず、全員の瞳の中に住んでいる。さすママ。ちなみに、深淵同士が対峙すると《睨み合い》が発生するときがある。
「何ガンつけとんねんコラ」「あ? てめぇぶっ潰すぞ」
という後見星同士の応酬。作中でミヤとメアが対峙した際に、一瞬なりかけた。ビビッて後見星が退散すると、星戦の使用自体が困難になる。逃げないでくれ……と思ったけど、ママは絶対に逃げないので一安心。やっぱママだわ。ちなみに結姫乃についている《獄雪の皇子》さんなんかは、状況によっては逃げる。
誉れとかないんか?
星戦も詠唱しないと使わせてくれないし……結姫乃さんは他にいい男探した方がいいんじゃない?
ちなみに、星としての格自体は《アルテミス》(虚木についている後見星)と同じだけど、アルテミスさんは何があっても逃げない。やっぱり純愛しか勝たん。
〇《蓋然性》
確率を司る虚空の審判者。世界を面白くするためのシステムそのもの。神々の作為が絡んだ《本物の確率》。
一般人が奇跡を起こす確率と、配信者が奇跡を起こす確率は同等ではない。星々に愛されることによって、確率に補正をもらった寵愛者は、一般人と比べて易々と奇跡を起こす。
星A「あの人間が幸せになる確率を増やして♡」
蓋然性「いいよ♡」
みたいなやりとりによって補正が加わる。要は、星の意志自体が確率に反映される。ので、星に愛された人間が事故によって死ぬ確率はマジでゼロに等しい。月野くんはトラックにひかれることはないと思っていいぞ♡
逆に言うと、異世界転生するような人間は星に愛されてないんすねぇ……(この世界から、蓋然性によって排除されている)。
星B「あの人間ぶち殺して♡」
蓋然性「あ? テメェみてぇな雑魚の言うことなんか聞くかよ」
みたいなパターンも頻出。星としての格が足りないと、蓋然性さんは取り合ってくれない。蓋然性は強い奴に命令されないとあんまり動かない。仮にも確率を司ってるからね、不正利用とかしちゃダメだよね……。
星C「あそこであの人間殺したら面白そうじゃね?」
蓋然性「あっ確かに」
結局世界を面白くするシステムなので、世界が劇的に面白くなるなら、割と無茶な命令も聞いてくれる。
おい(激怒)
でも賽を振るのは人間だし、強ければ確率にも抗えるし……人間の皆さんは頑張って生きよう。
〇《極点》
星座から【逸話】を授与されることによって使用可能になる、星戦や『超新星』を除いた奥義のようなもの。逸話の中で起きていた現象の一部を『抽出』・『分割』することによって一種のスキルとして成立させている。
α/β/γの三段階の深度がある。
極点α:phase1【予兆】
・ 概要:【物理的再現】
外部スロットへの初期接続(30秒後)より解放される第一形態。
契約する星座の『有名な逸話』や『特徴』を、現実世界の物理現象として局所的に再現します。
実は、戦闘開始三十秒後にしか、極点は使用できない。蓋然性さんが『最初から必殺技ぶっぱはダメっしょ』ってことで禁止した。虚木がしょっぱなから極点αを使わなかった理由。バフ系は前戦闘から持続するので便利。
フェーズ1は物理現象としての再現なので、本当にやばいことは起こりずらい。
極点β:phase2【侵食】
・概要:【法則の適応】
物理的な攻撃から一段階深度を増し、星座の神話に基づく『法則』で現実の物理法則を上書き(侵食)する段階です。【予兆】で展開した現象を触媒とし、現象から特定のルールを抽出し、世界に適応します。
現象の物理的再現ではなく、逸話の中の法則を現実に適応してしまう。
虚木の【極点β:狩猟王の憑霊術】」をより正確に言い表すなら、狩人が獣を狩る──絶対的捕食者としての法則の適応。月野視点だと数十個のスキルを並列使用してる化け物に見えてたけど、虚木が勝つ法則が世界に適応されてたからしゃあなし。極点βには同じくβで対応するか、星戦を頑張って取っておくしかない。αより明らかに格が一つ上。ただ、星魂の消費量は多いので、どうにかしのぎ切れば殺せる。
極点は例外なく時間制限があるから、頑張って凌いで♡
ちなみに虚木は極点βを切った時点で、残りの星魂量は一割とかそこらだった。もっと省エネして月野を殺す方法はあったと思うけど、出し切ろうぜって言われっちゃったししょうがないよなぁ。
スイートだぜ月野ォ!!
極点γ:phase3【終末】
現状未登場。というより、登場しない方がいい。
実のところ、大震災の原因は異星体によって【極点:γ】を使用されたことが原因だったりする。
〇《大震災》:2010年に発生した『東日本大震災』以後、四年周期で発生し続ける人為的な震災の総称。震災を引き起こしているのは、無論《異星体》だが、“震災を引き起こした異星体”を指揮する人間──《星飼い》の存在が示唆されている。
>詳細①
【東日本大震災】(2010年)
《関連異星体》:くじら座(五ツ星)
《確認された事実》
震災の原因は、五ツ星に分類される特級異星体「鯨座」(ケトゥス)の局地的な顕現である。
当該異星体が最初に空間を破断し顕現した座標は、日本列島の東部沖合に横たわる大深海溝(日本海溝)の最深部、水深約八千メートルの暗黒領域である。地底から生じた、もしくは我々が最初から存在を認知できていなかった『鯨座』は海面への浮上を開始した。
未曾有の大激震の真の原因はここにある。あまりにも規格外の質量と超重力を帯びた巨躯が、海底から「尾鰭を振って泳ぎ出した」という、ただそれだけの物理的な反動によって、数万年の均衡を保っていた大陸岩盤が限界を迎え、砕け散ったのである。
結論から述べれば、「鯨座」は自らの足や這う力を用いて、乾いた陸地へ直接「上陸」したわけではない。
この異星体は、津波を陸地へと叩きつけることで、沿岸部の都市を物理的に粉砕し、強引に『海そのものを拡張』した。彼は、家屋や防潮堤を押し潰しながら進む黒い泥水の波の只中を、悠然と“泳いで”侵入してきた。
波に飲まれ、泥水の中で辛うじて意識を保っていた数少ない生存者たちの《記憶処理》を行う以前の記録には、共通する証言が残されている。
『濁流の底から、巨大な銀色の鱗が通り過ぎていくのを見た』
『水没した市役所の屋上を、山のような巨大な獣が喰らいつくしていた』
『ばけものがいた』
《カバーストーリー》
太平洋沖を震源とする巨大な海溝型地震、およびそれに伴う未曾有の津波災害として公表。
死者:二十万人。
行方不明者数:三十万人。
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こわい。なお、この頃は《星狩り》の組織が設立して三年程度しかないため、対処のマニュアルなどがなく蹂躙された模様。今やればこんな無様な結果にはならないけれど、単純に訓練の時間が足りなかった。
これが原因で、異星体の弾圧運動が強まり、《星座》となるハードルが劇的に上がった。震災以前と以後で、星座になる難易度は五倍くらい違う。震災より先に星座になれた『全天八十八星座』さんとかはかなりラッキー。
東日本大震災は『鯨』の仕業でした。被害規模は大震災の中で三位。
今年これが起きるかもしんないってなったら、そりゃ星狩りさんも警戒するわ。
実は、自分の重量を無視して、自由自在に泳ぎ回ることそのものが、鯨座さんの【極点:γ】だったり。
一生地底の底に沈んどけ……。




