地図の示す場所
というわけでやってきました。トレントの魔王がくれた地図の場所。
そこには、ポッカリと穴を開けているダンジョンの入り口があった。
もちろん、イルンの街の近くにある有名なものではなく、全く別の新しいものだ。
もしかしたらそのダンジョンに繋がっている可能性はあるかもしれないが、少なくともまだ見つかっていない部分ではある。
なるほど、ここで修行か攻略しろと。
海に自爆特攻しているだけでは強くなれる気がしないからな。
なんかいいアイテムとかスキルとかをもらえると嬉しい。
というわけで、いざ入場。
俺は穴に足を踏み入れ、中に入る。
このゲームはダンジョンに入るのにゲートみたいなものを潜る。
今回は洞窟型ダンジョンで、見た目は洞窟だがそこにはゲートがあってそれに触れると内部に転移する。
だから、実際にそこが繋がっているわけではないのだ。
運営が言うには、塔型のダンジョンや、森型とか色々あるらしいがまだ見つかっていない。
「さて、やるか」
入り口の空洞の大きさでは絶対にあり得ない大きさの洞窟に転移してきた。
うーん、洞窟型かぁ。
暗いから苦手なんだよな。
まあ、アルベリオンもまだ復活できないしさっさとクリアするため、どんどん進んでいこう。
それにしても、大洞窟ってすごいな。
ひんやりとした空気と、ところどころで水が流れているような音。
本当にゲームとは思えない。
「・・・!」
と、敵か。
目の前に出てきたのは、ゴーレム。
遺跡で出てきたのと同じくアイアンゴーレムだが、何故か光り輝いていてオーラが違う。
なんだ?
とはいえ、こいつは精々アイアン。しかも攻撃が物理攻撃しかないはず。
俺の強化された反射スキルが火を噴くぜ。
ブン!
ゴーレムは俺との距離を詰めた後その巨大な手を振り上げ、俺に振り下ろす。
速い。明らかに強化されている。
そんな重そうな物体に殴られた俺は吹き飛ばされる。
うーん、前会った時より断然強いな。
でも、HPは削りきられていないし【食いしばり】も発動していない。
というか今までの敵がおかしすぎただけだ。
なんで当然のようにHP極振りの俺をワンパンしてくるんだ。確かに防御力極振りに比べたら弱いけど、それはそれとしてもおかしいだろ。
なんか逆に安心するな。
「・・・!?」
と、そんなことを考えているとゴーレムくんがびっくりするジェスチャーをする。
それが攻撃して死んでいないことに対する驚きなのか、攻撃されて安心している俺を見てなのかは分からないが。
やっぱりゴーレムは感情表現が豊かでいいな。
今まで出会った敵種の中で一番感情表現が得意かもしれない。
そして、もう一度ゴーレムは俺にパンチをしてくる。
が、まだ死なない。
そして、当然それだけ殴っていると反射ダメージが嵩む。
「・・・?」
そのまま、ゴーレムは死亡。大爆発を起こした。
「うおっ」
初めて見た爆発に俺は思わず腕を被せて自分を守る。
その後は特に何も起きずに、爆発が静まり返る。
俺自体は完全に爆発に巻き込まれたが、自分で起こした判定になっているのか俺にダメージは入らなかった。
まじか。あんなに爆発するんだ。
トレントの領地の半分を消し去った時は、眩しすぎて目を閉じてたからな。どんな挙動していたかとか分からなかったのだ。
ただ、洞窟の中だと崩落する可能性があるからあんまり爆発して欲しくはない。
爆発の有無の設定はできないから、敵にエンカウントしないことを祈るしかないんだけど。
しかも、さっきの爆発で洞窟内に爆音が響き渡ったから、中にいる魔物たちに場所が割れているはずだ。
すぐに襲いかかってくるやつは襲いかかって来るだろうし、さっさと次に進もう。
まあ、進んでいるうちに襲われるのは仕方がない。割り切ろう。
それにしても、さっきのゴーレム強かったな。なんだったんだ?
簡単に考えられるのは、アイアンゴーレムのように見えて別の素材で作られていること。あるいは、魔王などの上位種によって強化されていることだろう。
正直、どっちもありえる。が、今この段階で判断するのはまずいだろう。
俺的には魔王がいる方がいいな。その方が経験値を多くもらえるし、強い称号とかも手に入るだろう。
魔鉄とかならそれはそれで強い装備に繋がるからいいんだが。
そう考えると、トレントの魔王にはいいものを教えてもらったな。最初に出会った敵一体の時点でなんらかの強化が起きそうなのだ。
ワクワクするなぁ。
そんなこんなで、俺は次の戦闘を求めて足早にダンジョンの奥深くに潜っていくのであった。
◇◇◇◇◇
「ナニガオキテイル」
ジンが侵入した洞窟の最奥では1匹の魔王が頭を抱えていた。
彼はゴーレムの魔王。
オリハルコンで作られた体は黒光りしており、どんな魔法も剣も通さない。
彼自身このダンジョンで生まれ持った力『ゴーレム生成』を使って鉱石を用いて子分を作り、世界征服を企てていた。
現時点では約1000体。
そろそろ侵攻に出ようと思っていた矢先、突然上層に配置していた一体の手下の反応が途切れる。
そして、立て続けに一体ずつ反応が消えていく。
ただ、オリハルコンゴーレムは何が起きているか理解していなかった。
いや、理解できなかった。
彼の世界征服の野望が一人のプレイヤーに打ち砕かれる時も近い。




