↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
暴君陛下は人の心が読める~本音しか言わない元ヤン令嬢を溺愛中~  作者: S@Y@


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
57/64

第五十八話 公爵家への召喚

 翌朝。


 アルフォード公爵家。


 公爵は執務室で書類を確認していた。


 そこへ。


「旦那様。」


 使用人が青ざめた顔で入ってくる。


「何だ。」


「帝城から、書状が届いております。」


「帝城から?」


 公爵は怪訝そうに封筒を受け取る。


 皇帝の紋章。


 それを見た瞬間。


 公爵の顔が強張った。


「……陛下からか。」


 封を切る。


 中には短い文章が書かれていた。


『本日、正午までに帝城へ出頭せよ。』


 それだけだった。


「……。」


 公爵の手が震える。


 クラリスとエレノアも書状を覗き込む。


「お父様……。」


「どうして呼び出されたの?」


 公爵は答えない。


 だが。


 心当たりはいくらでもあった。


 レイナの誘拐。


 帝城への侵入。


 皇帝への襲撃。


「……まずい。」


 公爵が低く呟く。


「何が?」


 クラリスが尋ねる。


「陛下は、おそらく全て知っている。」


 エレノアの顔が青ざめる。


「でも……証拠は?」


「分からん。」


 公爵は書状を握りしめる。


「だが、皇帝が何の理由もなく我々を呼び出すはずがない。」


「……。」


 クラリスとエレノアは黙り込む。


 公爵は二人を見る。


「いいか。」


「帝城では余計なことを言うな。」


「レイナについて聞かれても、何も問題はなかったと言え。」


「はい……。」


「分かったわ。」


◇ ◇ ◇


 同じ頃。


 帝城。


 レイナは朝食を終え、庭園へ向かっていた。


 すると。


「レイナ。」


 カイゼルが廊下の先から歩いてくる。


「おはよう。」


「ああ。」


 レイナは笑う。


「今日、なんか忙しそうだね。」


「少しな。」


「何かあった?」


 カイゼルは一瞬黙る。


 そして。


「今日、公爵家を呼んだ。」


 レイナの表情が固まった。


「……アルフォード公爵家?」


「ああ。」


「そっか。」


 レイナは少しだけ目を伏せる。


 カイゼルはすぐに気づいた。


「嫌なら、会う必要はない。」


「でも。」


 レイナは首を横に振る。


「逃げ続けるのも嫌。」


「ちゃんと終わらせたい。」


 カイゼルはレイナを見る。


「分かった。」


「ただし。」


「何?」


「余がそばにいる。」


 レイナは少し笑う。


「うん。」


「それなら大丈夫。」


◇ ◇ ◇


 正午。


 帝城の謁見室。


 大きな扉が開く。


「アルフォード公爵家の皆様がお見えになりました。」


 公爵。


 クラリス。


 エレノア。


 三人が入ってくる。


 広い謁見室の奥。


 皇帝の玉座に、カイゼルが座っている。


 その隣には。


 レイナが立っていた。


「……レイナ。」


 公爵の顔が歪む。


 クラリスとエレノアも、レイナを見る。


 レイナは何も言わない。


 ただ、まっすぐ前を見ている。


 カイゼルが口を開く。


「アルフォード公爵。」


「はっ。」


「余がお前たちを呼んだ理由は分かっているな。」


 公爵は頭を下げる。


「……何のことでしょうか。」


 カイゼルの目が細くなる。


「まだ誤魔化すか。」


 公爵の背中に冷たい汗が流れる。


「余は。」


「お前たちがレイナをどう扱ってきたのか。」


「全て調べた。」


「……!」


 クラリスとエレノアの顔が強張る。


 カイゼルは続ける。


「そして。」


「レイナを生きたまま連れ戻そうとしたことも。」


「帝城へ侵入させたことも。」


「余を狙ったことも。」


 一つ一つ、静かに告げる。


「全て知っている。」


 公爵は何も言えない。


 カイゼルの声が低くなる。


「さて。」


「どう説明する。」


 謁見室に、重い沈黙が落ちた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。