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第86話

「それは、ケイティ、不吉な前触れを予感させますね」


「とんでもない。念のためです」


 青い空を通過し、雲を貫通し地表へと急降下していく。整えられた着陸場所は、何の問題もないようだ。ラルが管制塔とやり取りしている。相手は落ち着いたものだ。ラルは無性に苛立った。立場の違いだろう。いつ、トラブルが勃発してもおかしくないのだから。不安が刹那の間に増幅器にでもかけられたかごとく増大する。ラルの瞳孔にはすべてを破壊するような、明瞭としない何かが映し出されているようで、単調なセンテンスでは表現できそうにない。


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