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66・シンの事情 その三

すみません!やっと書けました!


ではどうぞ!

 「でも実は一つ、どうしても気になることがあるんです。俺達も会った盗賊ですが、伯爵に雇われてるって話があったんです。それが本当なら、父さん達を殺した盗賊も伯爵と繋がってるかもしれないんです。俺はそれについて伯爵に真実を聞きたいです。妹のことが第一なので、それは絶対じゃなくていいんですけど」

 「それはそうだけどね。どうせ行くなら全てはっきりしないと。シンと妹がこれから生きていくのに、憂いは晴らさないと」

 「……………はい」


 とりあえずシンの事情は分かった。

 要はマレッティの街に行ってトリロ伯爵に会って、炎晶石を渡してシンの妹を返してもらう。ついでに盗賊と繋がってるって話の真相も問いただすっと。


 シンの妹の奴隷契約は、僕の隸属魔法で解除できるから話をつけて返してもらえれば大丈夫。


 「先ずはマレッティの街に行かないとね。全ての話はそれからになる。出発は明日の早朝にしよう。今日はしっかり休んでおくように」


 瑠華の言葉に全員が了承の返事をしてそれぞれ思い思いに動き出す。


 話をしていたら結構時間が経っていたようで、窓の外は茜色に染まり始めていた。もうすぐ夕方の鐘が鳴り響くだろう。




 瑠華は食料と情報を求めに街に出ることにした。シンは今まで気を張りつめていたので疲れていると、宿屋で休んでいる。

 尤も例の盗賊の件があるから、シンが街を出歩くのはマズいかもしれないという一抹(いちまつ)の不安があったので、瑠華はマリアとムツキのみを連れて宿屋を出た。

 シンには食事を置いてきましたよ。



 宿屋を出る前にシンに渡していた物を返してもらった。だが〔輝ける白き光〕と〔死神の衣〕はそのままにしたが。これ等は瑠華には必要ないし、装備品なので使わないと勿体無い気がしないでもないので、このままシンにやってしまっても構わないと瑠華は思っている。

 シンが受け取るかどうかは別にして。



 〔穏やかな風〕のローブを纏うとやはり違う。これは手放せないなと瑠華は自分に苦笑してしまう。



 料理の屋台が建ち並ぶ通りに出て、端から順番に大量に買っていく。定番の一角兎(ホーンラビット)やボア種の串焼き、黒パンに肉や野菜が挟まったもの、葉に包まれた香ばしいタレがついたステーキ、様々なパンや食後の甘いものや果物など片っ端からアイテムボックスに入れていく。

 人混みに紛れて然り気無く、ね。


 勿論、合間にマリアとムツキと一緒に食べながら。美味しい匂いに二頭がバシバシと肩を叩くので。



 街を歩きながら人の話に耳を傾ける。

 人は食事をしている時は口が軽くなる。楽しい話、面白い話、噂話は食事の(さかな)になるからだ。

 

 色々な話があった。

 今日の出来事、自分や家族、知り合いの話、ピンクい話、勇者やその仲間達の話、そしてトリロ伯爵やマレッティの街の話。


 勇者達の事も気になるが、マレッティの街関係を重点的に聞いてみた。

 やはり伯爵に対しては悪口雑言ばかりだった。どうやら“英雄様”を侮辱したのは本当らしい。だがその内容については誰も知らないようだ。


 ならどうして人々はこんなに信じているのか?


 それはルッシャート国王と国の重職に就く者、近衛騎士などが否定しなかったらしい。公言したわけではないみたいだが、否定しなかったら肯定したも同然だと国民は思ったそうな。



 “英雄”としては頭を抱えたくなる話だ。



 更にどうしてそんな奴未だに伯爵の()を与えているのか?


 国王がトリロ伯爵を廃爵したなら、マレッティの街は(すた)れることなんてなかったかもしれないのに。


 まぁ、やむを得ない理由があるんだろうけど。なかったらマレッティの街を愛している者達が悲しすぎる。


 他にもシンが言っていたように、伯爵は盗賊と手を組んでるというのもあった。


 何故そんな噂が流れたのか?


 マレッティの街周辺に最近盗賊が蔓延(はびこ)っているらしい。コッシュトーの街の冒険者や、サランヴィーネの街の領主の騎士団や冒険者達がいくら捕らえても減らないらしく、よく調べたらコッシュトーで捕まってもすぐに解放されるとか。


 だから伯爵が盗賊と手を組んでるなんて噂が広まったらしい。



 これはあまり関係ないかもしれないが、伯爵には趣味が悪い収集癖があるらしく、それに関して恐ろしい執念を見せるとか。

 ただ何を集めているかは話にはなかった。




 伯爵についてはこの三つがとても多かった。

 どれも“伯爵は怪しいです”って言ってる感じだ。これ等がどうシンの事情に絡むのか。

 はたまた関係などなくとても単純なのか。


 全ては伯爵に逢ってからの話になる。




 新しい情報が得られなくなったので宿屋に帰ることにした。更に詳しい情報を求めるならこの後酒場に行くのがいいんだろうけど、今日行くのは止めておこう。



 酒場は僕にとって鬼門でしかないからだ。





 宿屋に帰るとシンが横になっていた。覗き込めば微かに穏やかな寝息が聞こえてくる。

 シンが寝ているなら、従魔達と少し話をしよう。



 まだシンには話せない秘密のハ・ナ・シ。







読んでいただいてありがとうございました‼


見直しが全然終わらなかった…………まさか休み後半が全くの手付かずになるなんて!


これから時間を見つけて一気にやりたいです‼本当に申し訳ありません‼

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