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65・シンの事情 その二

すみません!凄く短いです!

 「周りの人達が街を離れていって、街からどんどん人がいなくなって、両親は店をやっていたので大変でしたが、コッシュトーやサランヴィーネに移ったこの街の人達の(つて)でなんとかやってこれました。

 うちはトリロ伯爵とも何度か取り引きしていたことがあるんですが、伯爵の話を聞いてから取り引きはしていなかったんです。英雄様を侮辱した伯爵の顔など見たくないと」


 ふむ、話の流れから見て伯爵と何かあったかな?

 でもその前に一つ気になる。


 「シンのご両親は随分英雄…………様にその……」

 「神聖視してる?」


 こら!テト!折角(せっかく)避けようとした言葉を言うんじゃない!

 身体が痒くなる!


 「えぇっと両親の話では昔、英雄様に助けて頂いたことがあるらしいです。俺が生まれる前の話みたいですが」

 「ほぉ、やるな英雄も」

 「ふふふ、素敵な英雄ね」


 従魔ちゃん達、不謹慎だよ?

 今は真面目な話中なんだから。


 でもシンが生まれる前って一四年くらい前ってことだよね?

 僕はまだ旅にすら出ていないんだけど、何処で助けたんだろう?


 「それでですね、今から二ヶ月くらい前に伯爵から取り引きの話がきたんです。父は初めは断りましたが、街の人達の為にって言われて断れなかったみたいで、父は取り引きを受けました。

 取り引きの内容は、サランヴィーネの街から荷物を持ってくるというもので、両親と従業員二人と一緒に出掛けていきました。

 ですがサランヴィーネの街から帰ってくる時に、盗賊に襲われて死にました。四人共」

 「ご両親は亡くなっていたのか……………」

 「はい、ですが両親の死を悲しむ間もなく、領主が家にやって来ました。“盗賊に奪われた荷の弁償をしろ”と」


 まぁ、一度引き受けたなら弁償をしなくてはならないよな。その為の炎晶石かな?


 「どうしてご両親が盗賊に殺されたって分かったの?四人供、亡くなったんでしょ?」

 「たまたま旅人を馬車に乗せていたらしくて、その人が教えてくれたんです。その人も酷い怪我をしていて、辛うじて逃げてきたらしいです」

 「そう」

 「それでですね、俺には一つ下の妹がいるんですが、伯爵は妹を荷の弁償に差し出せと言って、妹を無理矢理奴隷にしたんです」


 話が一気に重く急展開した。でも無理矢理ってのはいけないよね?

 この世界では借金で奴隷に堕ちる人は勿論いるけれど、廃れた街で商売が出来るくらい(つて)があるなら、荷の弁償をするくらいのお金は工面できそうなのに。

 シンが子供だから、相手にされなかった?

 それとも弁償が高額だったか?


 「弁償は出来なかったの?」

 「そんな話をする暇などなく、伯爵はいきなり来て一方的に告げて妹を奴隷にしたんです。俺の目の前で」


 シンが悔しそうに俯き、身体を震わせる。


 「両親が死んでしまって、店も無くなり、もう俺には妹しかいません。伯爵に“弁償は必ずするから”となんとか話をしたら、炎晶石を持ってきたら妹と交換してやると言われて…………」

 「それでヴァルザ火山に炎晶石を探しに行ったのか」


 成る程ね。だからあんなに必死だったのか。そりゃ、家族の為なら必死にもなるだろうけどね。

 無茶にも程があるって話だよ。


  でもトリロ伯爵は本当に炎晶石を(ほっ)していたのか?シンの妹と交換って、手に入らない確率の方が高いよね。

 でもシンがもし、ヴァルザ火山で炎晶石を手に入れられなかったり、シンが死んでしまっても伯爵には損はない。

 既に妹は手にいれて奴隷にもしてるんだし。




 さて、この事柄には裏があるのだろうか。



 

シンの事情についてはもっとじっくり書きたいので、この話は書き直すと思います。


いつも読んでいただいてる読者様、申し訳ありません!


そしてありがとうございます‼

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