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魔法陣の向こう〜呪いの魔女グレイシアの物語〜  作者: サンガツワサコ


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幕間/ポリアンナとメリッサの会議

「…て状況よ。やばくない?」


「ヤバいヤバい!だって、師匠、1人で出てくつもりでいるじゃない?無理だって!1人で生活できるわけないじゃない!お金の使い方だって知らないかもよ?財布持った事ないでしょ、きっと。世話人が必要よ。ランバートは?ついてかないの?」


「いや、まだ聞いてないけどさぁ。聞けば行くっていうと思うけど、あいつ一応伯爵家の跡取りじゃん?イーブン子爵が許さないんじゃない?」


「イーブン家…奥方のオデット様は諦めモードよ。弟君が確か既婚でどこだっけ?伯爵家の長子を娶ってるから、後継はそっちで良いかもーって話してるの聞いたことあるわ。確か双子ちゃんのお孫さんがいるのよ」


「マジで?じゃあランバート巻き込む?え、でもさ、あいつまで連れて行ったら私出れないじゃん?」


「え?姉さんが行くの?陛下が許さないんじゃない?」


「いや、だってさ、世代交代するでしょ?私はシュドリウス殿下の時代の人ではないわけよ。そこはさ、ポリアンナに任すわ!ヴィクターとベルモンドつける!あ、女弟子のフプリーとラキアも押し付けるけど!」


「フプリーはわかるけど、ラキア?」


ポリアンナが記憶を辿るように首を傾げる。


「うちの新人よ。ピッチピチの15歳来年学園を卒業予定!有能!」


「うわぁ、マジで。あれ?男弟子もう1人いなかった?」


「20歳のダニエル?あいつはレオンハルトに押し付けようと思って」


「レオンハルト破門扱いって話もあるのに?」


「んなもん、周りが勝手に言ってるだけで、師匠はなんも言ってないし。師匠の魔法陣弄り倒してる筆頭じゃん?ランバートでも良いけど、まだなぁー」


「なんだ、結局ランバート連れてく気満々じゃん」


「だって男手欲しいじゃん?だけどさー、師匠に襲いかかるようなやつじゃ困るしさ」


「いやいや、ランバートだってわからないよ〜。今はともかくさ

…ちょっと待って!私まだ引き受けるとは言ってないわよ?そもそもわたし、王宮魔術師じゃないし!」


「うん、まぁ、そこはどうとでもなるんだけどさ。あんた、外で色んな魔法陣展開して航路の安全確保だの街道宿の整備だのやってたから、実績十分でいつでも資格交付出来るし。

でもまあ、当面お願いしたいのは、師匠の家よ!あと、侍女とか、使用人!男入れる時はおじいちゃんで宜しく。若い奴は危険!師匠、無駄に美女オーラ出てるから」


「えー、でも、王都でたらきっと目眩しかけるんでしょ?」


「そうだけどさぁ、いくら魔法かけたって、あのピカピカ魔力のオーラよ?魔力持ちだったらフラフラ行くんじゃない?」


「見た目おばあちゃんでも?」


「そんな気しない?」


「あーーー、するかも。なんて言うか、そばに置いておきたくなる感じ?」


「それそれ!所有欲が湧くと言うか」


「まぁ、それはわかるかも。えーーーなに、家探しかぁ。まぁ、必要よね。でも、家の使用人は最低限にしとかないと目立つわよ。姉さんも一緒に住むの?」


「一緒に住みたいけど、無理だろうなぁ。あの人、隠居するつもりでいるのに、弟子連れは良しとしない気がする。そう言う意味ではランバートもぜったい置いていかれるわよ。でもって、来るなと言われたら、ランバートも絶対ついていかない。少なくとも直ぐには」


「じゃあそこはまぁ、時間差で?

ところでさ、師匠の呪いってどこまで有効なのかなぁ。今も変わらずなんでしょう?師匠の実年齢幾つよ?」


「んー、わたしの12個上だから、62?見た目は私の娘で通るわね。目眩しかけないなら母娘で行けるかな…いや、無理か…あんな美人、産めるわけないわー」


「62かぁ。うちの母の2個下だな」


「え?あんた、何歳の時の子?」


「平民を舐めんなよ!私は母が17歳の時の子よ」


「17?!子どもじゃん!いや、早く結婚する貴族もいるけどさぁ。子どもは魔力が安定してから考えるんじゃないの?」


「貴族はね。平民は魔力少ないし、安定するのは割と早いのよ。私は隔世遺伝なのかなぁ。」


「ああ、おじいちゃんが王宮魔術師だっけ?」


「ひいおじいちゃんよ。子供の頃によくヴィンセント様の話をしてくれて。学校にいた頃から天才だと言われていて、絶対に王様になるんだと信じてたから魔法爵になった時には驚いてたなぁ。ヴィンセント様が亡くなってからも、勿体無いってずっと言ってて。でもうちの師匠が魔法爵になったら、すごく納得してた。魔力が似てるって」


「ああ、それ。ヴィンセント様を知る人はみんな言うわね。間違いなく魔力引き継いでるよね。どうやったんだろう?あんなことできるって、どんだけ規格外なのよ」


「伝説だよね。まぁ、師匠も相当だけど。ちょっと探ろうとしたって全然弾かれちゃったしなぁ」


「え?!師匠の呪いの魔法陣?探ったことあるの?」


「え?逆に無いの?気にならなかった?伯爵家出身なのに、王家の魔力プンプンな感じ?」


「いや、そうか。そこに触れたことはなかったな。いや、マジびっくりよ」


「どっちにしたって探れないのよ、あれ。師匠も無理だって言ってたし。王宮出れば変わるんじゃ無いかな。

…そういえば、いま王宮魔術師て何人居るの?半分隠居してる人は弾いて、実働してるのって、どれくらい?」


「40弱かな。あちこち散ってるけど。研究メインでろくに顔出さないやつを含めれば50超えるけど」


「そのうち、師匠を直接知ってるのは?」


「…8人?

でも黒ずくめ師匠しか見てないはず。少なくともここ15年は」


「黒ずくめの姿もここ10年くらいは見せてないかも」


「確かに!あー、それもあるか。魔法陣が無ければ、バレないんだけどなぁ。呪いの魔女が健在なのは、魔法陣でバレバレだしなぁ。いっそ、公的に死んでもらう?」


「それが1番確実よね。ちょっとさ、師匠の説得して、しばらく封じ込めとこうよ。魔法陣作っとくわ。機密性高いやつ」


「そうだよねぇ。絶対追いかけられちゃうもんね。隠すかぁ」



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