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変化に初めに気がついたのは、シュドリウス王だ。
魔法爵が返上されてから五年。
塔の天辺に輝く魔力の光が、その色が変わった。
すなわち、魔法陣の魔力が変わったのだ。
それは王国の守護に影響するような変化ではない。
王国の大半の人は気が付かない程度の変化だ。
王に呼び出されて、メリッサとポリアンナが王宮の地下を訪れた。
静かに魔力を湛えている魔法陣。
気づかないレベルの、小さな喪失。
「グレイシアは?」
静かな問いに、メリッサが応える。
「ご無事です」
「解呪したということか」
ポリアンナが目を閉じる。
「陛下。あれは、呪いではありませんでした」
どう言う事だ、と問うような視線に応じる。
「祝福です。彼女への、そして、王国への」
「王国へ?」
ポリアンナは柱の魔法陣に触れる。
「ヴィンセント様はご自分のいなくなった後の守護を、グレイシア様に託されたのです」
「…だから」
シュドリウスが呟く。
「だから、彼女は王国に仕え続けたのでしょう」
変わらずに。
ヴィンセントの願いそのままに。
ヴィンセントは、
間違いなく、この国の王だった。
あと一話で終了となります。




