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41話 作戦会議

「どういうことだ!アイリスが捕まってるなんて!護衛はどうなったんだ‼︎」


 いつもの穏やかな雰囲気からは想像もつかない激しい怒り様で、カイルは青ざめて声を荒らげた。


「お静かに!殿下!ここにいることがばれては事ですぞ!」


 公爵が小声でカイルを諌めた。


 カイルの部屋にジルコニア公爵と、カイルが情報を集めさせていたアルバートが集まっていた。


「…どうやら、マリーサに買収されていたようですな…」


 公爵は冷静な表情で静かに呟いた。


「落ち着いてる場合か‼︎僕は助けに行く!1秒でも牢なんかに入れておくわけにはいかない!」


 カイルは居ても立っても居られず、思わず立ち上がった。


「お待ちください!殿下が行けば目立ちすぎます!心配なのはわかりますが、あなた様も追われていることをお忘れなく!


あなた様のような王に相応しい方が、間違っても命を奪われるようなことになっては絶対にいけません!」


 横で控えていたアルバートが必死に訴える。


「その通りだ」


 公爵もアルバートの意見に賛成し、静かに頷く。         

 公爵はこの国の未来はカイルに掛かっていると思っていた。


 マクロス殿下も悪い人間ではないが、人を疑う目を養うことも上に立つ者には必要。


 素直過ぎるマクロスでは、後ろに潜む者に好きに操られかねないと兼ね兼ね懸念していたのだが、やはりその勘が当たってしまった。


「…今やもう、この件はカイル殿下とアイリスだけの問題ではありません。


我が公爵家もマリーサと、それに操られるがままのマクロス殿下とによって、地に落とされようとしているのです。


しかし、あの狡猾な女のことだ。

きっとそれだけでは済まないだろう…


カイル殿下を追い落とし、我が公爵家を追い払い、その次にあの女は何をすると思いますか?」


 公爵はそう言ってカイルを真っ直ぐ見た。


「…?……まさか!……父上か?」


 カイルは愕然としてソファに腰を下ろした。


「…おそらくは。

この国の王位継承は、その王の寿命が尽きた時か、或いは王自身が譲位すると決めた場合に行われます。


今の盲目なマクロス殿下に、王は自ら王位を譲ることはない。


マリーサにとって、次に邪魔になるのは王。

間違いなく、狙ってくるでしょう。

マリーサを必ず仕留めなければなりません。


それに、アイリスが今牢から出されれば、また狙われるだけ。

今はそこにいた方がマリーサを油断させられ、アイリスの身も逆に安全と言えるでしょう」


「…そんな…」


 カイルは膝の上に置いた拳を強く握りしめて唇を噛んだ。 

 公爵はその様子が目に入ったが、一刻の猶予もない今、気にせず話を続けた。


「…しかし、私が動けば全面戦争は避けられません。


我が公爵家は第一王子に追随する家門が連なっております。私が反旗を翻せば、第二王子側との対決は避けられません。


そうなれば、多くの血が流れてしまう。

あのマリーサ一人のために、我が国の大切な命を奪われるわけにはいかない」


「……ではもう一度、マリーサを嵌める方法が必要だということだな?」


「その通りです。

それを早急に考えねばなりません」


「……わかった。少し考えさせてくれ…」


 カイルは俯いてじっと思案した。

 他の者もそれぞれ静かに案を練る。


「…いい案がある。目には目をの方法が…」


 そう呟いたカイルを、公爵とアルバートが振り返る。


「アルバート、今から書く手紙を父に急ぎ持って行って貰いたい。公爵も、すまないが協力を願いたい」


「何なりと」


公爵は胸に手を当て俯き、アルバートは片膝をついて、承知しました、と言った。

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