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現代神話のエルカヴァリア  作者: 白卯兎 健太
日本編
25/44

広場へピクニック

 ~ホーパステリウム拠点 魔法訓練所~


 大阪の拠点の情報はすべて削除されており、結局めぼしいものはなかった。だが逆に大阪を見捨てたということは、恐らく連中は日本をあきらめた可能性も出てきている。これでホープによる日本統一実現もいよいよ現実味を帯びてきた。

 俺は魔法の制御力を高めるため、特に出撃がない日はこうして訓練をしている。しかしここ最近、魔法の制御力が急激に上がったような気がする。今までは苦労してたのに、ものすごい成長力だ。今まで体作りに励んでいたからかな?と思ったが、ソランジュ曰く、そう簡単に上達できるものではないらしく、慣れるまでには早くても一年はかかるという。俺ってすげーな!……と、いかんいかん。しっかり気を引き締めねば。


『そ……天……あんたほんとに天!?』

「ほんと、以前とはまるで別人みた~い」

「俺もびっくりしているよ。なんか体も身軽に感じたし」

「すごいですね……。制御力が前回とは比べ物にならなくなっています」


 いろいろな魔法を放ったが、どれもこれも威力の力加減もできるようになったし、これで無駄に魔力を消費する心配もない。


「しかしどうして急にこんなに上達したの~?」

『アルファの操縦技術も上がっていたし……』

「……あれ?」

「ん?どうしたのアルマちゃん?」

「そういえば前回のミッションの日の深夜、確か天さんは散歩に出かけていましたよね?」

『え!?目が覚めていたの!?』

「え……?散歩……?散歩なんて――」


 真夜中に散歩した記憶はないし、夢も見なかった……あれ?そういえば散歩したような気もする……。散歩した記憶はないが……。なんだこれ……どういうこと?

 あの日の自分の記憶があやふやだ。まるでそこだけ記憶がぽっくりと無くなっているような……?


『天……?』

「そういえばあの日……なんか記憶があやふやだな……。もしかしたら本当に散歩しに行ったのかも……」

「いえ、私がしっかりこの目で見ましたし、当時のカメラなんかも映っているはずですよ!間違いありません!」


 アルマちゃん、顔が近いですよ……こんなかわいい子に顔を近づけさせられたら……。

 顔の温度が上がってくる。


『天、あんた顔赤いわよ……』

「天は女性慣れしてないんだ~(笑)」

「ああ、ごめんなさい天さん」

「いや、いいよ……以前までは女性とあんまり話をしたことないんだよ……」

『ああ…それは……』

「お気の毒に~」

「変に慰めんでくれ……かえって傷つく……」グスグス…


 ▼吉川天に精神的30のダメージ


 でもそこまで話したことはないわけじゃない……。少なくとも一日数回会話するといった程度なんです!ああ、だんだん泣きたくなってくる……。


『じゃあ、今日の特訓が終わったら、後でみんなで確かめましょ!』

「「おー!」」

「……少なくとも俺の努力のおかげでいきなり上達したとか考えてくれないのか――て俺もしゃべっているうちにだんだん怪しくなってきたよ……」


*********


 魔法の訓練が終わった後、俺たちは拠点の警備室にカメラのデータを確認した……。


「え~と……あ、いたいた!」


 昨日の深夜、確かに廊下で俺が映っていた。身に覚えが全くないが、証拠がきちんとある。


「あれ?本当だ……じゃあなんであの時の記憶があやふやなんだろ?」

『――ていうか、天……あんた本当に起きていたのね……気づかなかったわ』

「まあそのときイヴリーンは眠っていたからな。気づかないのも仕方がない」

「しかし……天はどこに向かっているのかな~。あ!外に出たよ!」

「そりゃ、真夜中の散歩ですもの。外には出るでしょう」

『しかしこの時間に外に出るって……寒くなかった?』

「だから俺、この時の記憶があやふやなんだってば!」


 外のカメラを確認する。俺が何かに導かれているように歩いている。次のカメラの映像を見る。すると、俺があるところで止まり、道から外れ、茂みをかき分けて進んでいた。


「え?ここに何かあるの?」

「え?わかんない……」

『とにかく現場へ行ってみましょう!それなら何か秘密がわかるかも!』


 イヴリーンが目をピカピカさせている。まぶしい!こ…これが噂の“シャイニングアイ”というやつ……いや、何でもない。忘れてくれ……。


 そんなわけで俺たちは外へ出て、そのカメラがあるポイントまで行く。





……実はこの時、俺たちは気づかなかったが、俺が映る前にカメラには映ってはいけないもの(白い女性)が一瞬映っていた……。あとそれと……映像から俺が消えた数秒後にも何者かが……。


*********


「外に出たのはいいけど、今日は寒いな……」

『ほんと……風が冷たいわね……』


 う~ん……。ここ最近は暖かくなってきたというのに……。また冬に逆戻りか……


「ここね!」


 例のカメラの場所だ。確か俺はここで茂みの中に入っていったんだよな……。


『確かここら辺の茂みだったはず……あ!道があった!』


 茂みの中から道を発見した。分かりづらいところにあるな。


「こ、こんなところに道があったなんて……」


 どうやらアルマちゃんやソランジュも知らなかったようだ。二人とも、とても驚いている。


「……???」

「どうしたのアルマちゃん?」

「この道に違和感があって……そもそもこんな道なかったはずだと思いますけど……」


へ?道なかったの?でもこうしてあるけど……。あれか?一定のストーリーを進めて何かしらのイベントを迎えて隠し道路が出現したとかなんとかかな?ゲームとかそういう要素もあったな。


「まあまあ、アルマちゃんもピクニックを楽しもうよ~(笑)」

「いつからピクニックになったんだよ」

「お弁当も持ってきたわよ~?」

「「『え!?いつの間に……』」」


 ソランジュってマイペースなんだけど、意外と準備が速い。まあいいや、ちょっと腹が減ってるから、たまにはこうしたところで食事をとるのも悪くはない。

 足場の悪い道路をしばらく歩くとぼろぼろの橋がある。


「ちょ、ちょっとここ落ちませんか!?」

「大丈夫よアルマちゃん。天が渡り切れてアルマちゃんが渡れないはずないんだから~」

『そうよ頑張ってアルマちゃん!』

「……」


 すげー引っかかる言い方だなお前ら。俺はそんなお前らにじジト目で返しておくよ。

 ぼろぼろの橋を渡ったら広場に出るが、そこには何もなく、ただの行き止まりだった。


『ちょっと!何もないじゃない!!』

「いや、俺に怒られても困るよ!」

「天ってここに何しに来たの~」

「知らんわ!」

「まあ、久々にいい運動にはなりましたし、冒険も楽しかったですしね。私は満足ですよ」

「じゃあみんな~ここで食べましょう~」


 ここでランチタイム。しかし、自然に囲まれてからの昼食とはいつ以来だろうか……。なんだか小学生時代を思い出したよ。あの頃は楽しかったなあ……。まあ、中学、高校も変な奴らもいたから楽しかったけどな。


「しかしこんなところにこれだけの広場があるなんてちょっと不自然よね~?」モグモグ

『本当ね……それだけでなく、霊力が一切感じられないわ……モグモグ……あ、これおいしい』

「確かにここにいるだけでも違和感しか感じません……ほんとにおいしいですね」モグモグ

『どうしてここには霊力を感じないのかしら……少なくとも精霊族があまり近づける場所ではないわね。……それにしてもソランジュって料理うまいわね』モグモグ

「私じゃなくてセシルが作ったのよこれ~」ゴクゴク

『ほんとセシル君って何でもできるよね。どこぞの誰かさんたちもできればいいのにね』


 そのどこぞの誰かさんたちというのは俺とレオンとセドのことだろう。あいつら俺を見てそう言っているし間違いない。ていうかさりげなく割と超重要なことを緊張感のかけらもなく普通にぺちゃくちゃと喋ってますが……。あと食事のスピードも速いな!だんだんなくなっていってるし……。


「一応レオンも料理できるわよ~(笑)」

『えええええ!!!あのレオンが!?なんであいつが料理スキル習得済みなのよ!』


 料理スキルって……。しかしレオンが……意外だ。


『天!あんたも料理ぐらいできるようになりなさい!レオンの料理なんて食いたくなくなるくらいに!』

「お、落ち着けよ!料理は得意じゃないけどやるときは頑張るから……!」


 そうだった、こいつレオンとは犬猿の仲だった!けどレオンの料理は食べたことないけどうまいのかな……?


「大丈夫ですよイヴリーンちゃん。レオンはごく稀にという程度しかしませんって」

「ところでレオンってどんな料理が得意なんだ?」

「基本的には麺類が得意ですけどカレーや焼き肉もサラダもかぼちゃスープも作れますよ。ただ、作り方がものすごくアバウトなのですが……」

「適当にマヨネーズや塩コショウをまいたりするから、おいしい時もあるけど塩辛い時もあるのよね~」


 おい、ちゃんと料理しろよレオン……。まあ、ジャ〇アン系のイカレタ材料を使うような料理よりは食えるもんだろうけどさ……。今も思うんだがなぜ彼らは料理に虫とか何とかを入れるのだろうか?

 こうして俺たちは適当に喋り時間を潰し、拠点に戻っていく。


『結局、ピクニックしに来ただけだったね』

「何もなかったけど楽しかったわ~」

「楽しむのはいいですけど、この件はリーダーに報告したほうがいいのかもしれません。リーダーもあの道の存在は知らないはずですから」

『……急に道ができたっていうのも変だし、やっぱり何か封印されていて、その封印が解かれたって感じなのかしら?』

「その可能性しかないでしょうね。もしかしたら天さんの記憶も何かしら封印されているのかもしれません」

「俺の記憶が封印?」

「ある真神器には、記憶を封印する力があるそうです。その真神器さえあれば天さんの記憶の封印を解くことができるのですが……。ちなみに記憶喪失とは違い、何かしらのきっかけで戻ることはありません」

『その真神器はどこにあるの?』

「それがわかんないよ……。かすりもしない」

「天が真神器をいじくって記憶を落としたのかしら~?」

『ねえ、その真神器って能力を上げることとかできるの?』

「真神器ですからね……。情報が少なすぎて今のところはまだ何とも言えませんね」

「そ、そうか……」


 俺の記憶・・・・・・封印されたらしい。









~イヴペディア~


*シャイニングアイ・・・目から光を出して相手を目くらましするいやらしい補助技(纏い術、精霊術)。最悪の場合、失明させる。味方がいるとやや使いづらいか。ちなみに私はそんな技覚えてない。

*霊力・・・精霊族が精霊術を使うための力。霊力の少ない場所は精霊族から好まれない。

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