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現代神話のエルカヴァリア  作者: 白卯兎 健太
日本編
22/44

禍々しき真神器

 おや?こんなところに面白い人間を見つけた……。なるほどね。君はここの世界の人間ではないのか。ならちょうどいい、この僕と契約をしてみないかい?君をここに呼び寄せた張本人を。彼は君たちを利用して戦争を拡大させている。君たちは彼らのおもちゃなのだ。悔しくないかい?それに君は死にたくはないのだろう?

 ならばさあ、この僕とともにこの世界の元凶を滅ぼさないかい?お礼として、僕が君に元の世界に戻る手伝いをしてあげよう。まあ君に拒否権なんてないけどね……。



――さあ、目を覚ませ………





「んん~ん……ん?」


 目が覚めた。まだ夜だ。相変わらずベッドにはイヴリーンが小さくなったまま寝ている。


「?」


 何者かから呼ばれているような気がする。イヴリーンにそっと毛布を掛けて、廊下に出ていく。途中、アルマちゃんとばったり出くわした。


「あら?天さん、こんな時間にどうされました?」

「あ、アルマちゃん。ちょっと寝付けなくて……」

「夜のお散歩ですか?魔物が時々出てくるので気を付けてくださいね!」

「忠告ありがとう」


 廊下を歩いて外に出る。散歩といっても拠点内だ。薄暗い道を歩いてふと気になる茂みをかき分けると舗装されていない道がある。


「こんなところに道があるなんて……ん?」


 今、女性が見えたような気がする……。この時、俺はなぜか恐怖というものを感じなかった。

 とりあえず道なりに進むと古い石橋があり、石橋を進んだ先に洞窟がある。今のところ、魔物はばったり出くわしていないが、周りを警戒しながら先に進む。ぼろい石橋だが、大丈夫!余裕で渡れる。石橋を渡り切り、洞窟に入る。すると……


「うわぁ……なんだここ……なんかスゲーな……」


 洞窟の中は遺跡だった。なんていうか…某RPGにでてくる遺跡で、ところどころボロボロになっている。 天井には蝙蝠が舞っている。罠がないか確認しながら奥へ進む。時々スライムなどの魔物とばったり出会うが、魔法で撃退する。


「そういえば、魔物と戦うのは初めてだな……」


訓練した甲斐があったものだ。最初は不安だったが、相手が弱いとずいぶん楽だ。ヴァリアントのおかげだな。


「!……女の人だ!」


 女性の後ろ姿が見えた。女性は左へ曲がり、あとをつけていく。女性は俺が見失わないように、曲がるまで待ってくれているようだ。この女性は果たして何者だろうか……?

 俺は女性を追跡しながら遺跡の奥へ進む。しばらく進むと、大きなフロアに出た。


『………』

「うわ!?で…でけえ!」


 大きな部屋に待ち構えていたのは全長5メートルはあるドラゴンだった。どうやらこいつはこの遺跡の守護神ボスのようだ。なんかごつごつとしていて堅そうだな……。

 とりあえず“火炎符”で攻撃する。


『………』


 だめだ、全然聞いてない……。すると、ドラゴンは口から砂煙を噴出した!


「うわっ!」


 反応が遅れてしまい、思いっきり目に入った!目が痛い!


「あああ……目が、目があああ!」


 ……って誰かさんのようなセリフを思わず吐いてしまったが、とにかく目が痛いので、安全な場所まで後退しながら、“纏い術「目治し」”をかける。目の痛みやかゆみは消え去り、目を開けれるようになった。 両眼から涙が流れているようだ。


「クソ……よくもやってくれたな!」


 俺は通路から魔法を放ち、攻撃を加える。ドラゴンは再び口から砂煙を吐き出す。


「そう何度も同じ手には……!」


 俺は“鎌鼬の符”を唱え、魔法符から風とその刃でドラゴンの砂煙を吹き飛ばす。


『ぐぎゃあああ!!!』


 よし、効いてる効いてる!鎌鼬はドラゴンに命中し、少しひるんだ。

 今度は“氷柱の符”を唱え、小型のつららマシンガンが、ドラゴンに命中する。


『グルルルルル……』


 ドラゴンは何かしら魔法を唱えようとしている。何が来るかわからないので、“結界符”を用意しておく。

 ドラゴンが紫のブレスを吐く。それを結界で何とか防ぐが……


「な、なんだ今のブレスは……?紫のブレスなんて聞いたことないぞ!?」


 考えられるのは闇か毒のどれかだろう。……と思ったけど、足元には砂が落ちていた。土属性?しかし落ちている砂はただの砂だ。とりあえずわけのわからないものは慎重に対処しなければならない。


『………』


 クソ……このフロアあの奥にある通路に行きたいのに行かせてもらえない。このドラゴンもしぶとく、ことごとく俺の攻撃に余裕で耐えている。今までは人間相手というか、兵器相手に兵器で戦ってきた。生身で戦ったことなど一度もなかった。銃があればまだどうにかなっただろうけど……。

 でも異世界はこういうものか。むしろ今が異世界ファンタジーっぽいな!なら俺もかっこいいところを見せようじゃないか!

 ……と思ったが、俺のとる行動は常に“いのちだいじに”。痛いのは嫌だし、死にたくもないしな。


“閃光符”


 まずは目くらまし!長い間暗い中にいたはずなので、光に弱いのかもしれない。実際俺が“火炎符”で攻撃した際に目を閉じていた。衝撃に備えてるというよりかは、眩しそうに見えたから。


『ぐぎゃああああああ!!!』


 お!見事に食らった!効果は抜群だ!

 さあ、今のうちに攻撃だ!“氷柱の符”をドラゴンにぶつける。頭部は頑丈そうなので、横腹等の弱点になり得そうな部分を狙う。確かドラゴンは氷タイプが弱点だしな!(ポ〇モン脳)

 ドラゴンは苦し紛れに紫のブレスをはいてくる。幸い結界ではじき返すことができるので、それほど苦労はしない。よし、魔力が回ってきた!そろそろとどめを刺そう。“陣術「絶対零度」”!!!

 ドラゴンの足元に魔法陣が出現し、絶対零度の吹雪がドラゴンに襲い掛かる!!!


『ぐあ………』


 ドラゴンは悲鳴を上げる間もなく、凍り付いてしまった。


「ふううう!怖かったな……」


 おそらく俺がヴァリアントのおかげで勝てたようなもんだ。ノ-マルなら余裕で死んでいた。


 奥の通路へ進もう。女性が立っていたが、俺が向かうとまた再び歩き出した。薄暗い中で長い通路を歩く。しばらく歩くと壁がある。行き止まり?


『………』


 女性が壁に手を当てると魔法陣が浮かび上がった。すると壁は消えていった。すると祭壇が見えた。


「すげえ、なんだここは……?」


 周りの壁画を見てから、祭壇のほうへ近づく。


「あれ?」


 なんと先ほどまでそこにいたはずの女性は消えていた。普通ならホラーであるが、当時の俺はなぜか恐怖心がわかなかった。

 祭壇の上には禍々しいオーラに包まれた神器がある。おそらく真神器に違いない。しかしなぜこんなところに真神器が……?

 祭壇を上り真神器の目の前へ……。普通なら呪いがかけられているかもしれないと触るのはためらうだろうが……俺はこの神器に呼ばれている気がしてならなかった。それにこの神器を触っても害はないとなぜか確信した。


 神器を触る――


 神器が指に触れた途端にその神器は俺の体に吸い込まれてしまった。


「あ……」


 空間が歪む……




*********



 目が覚めると、俺の部屋にいた。何か夢を見たような気がするが、なんの夢だったのかが思い出せなかった。


『おはよう、天!』

「おはようイヴリーン」


いつもの日常だ。



*********


 ちなみに前回のミッションで捕虜からいくつかの有益な情報を引き出せたらしい。中には貴族出身の捕虜もいた。最初、捕虜は俺たちにおびえていたが、俺たちが悪い人間じゃないとわかると、EUNの内情について快く教えてもらった。


まずEUNの兵士の構成について、およそ七割弱が戦争奴隷および孤児であること。

世界のどこかに、人間工場があること。

本部と支部、四大組織、それから親衛隊がそれぞれ独自で動いていること。

また、各支部と四大組織の関係が最近急激に悪化していること。

ヴァリアントはファイヴスの途中まで研究が進んでいること。

それから極東支部の兵器工場の所在についても判明した。


 ここまで情報は引き出せたのは大きい。俺たちは間もなく、EUNを日本から追い出す作戦に入った。



******

~イヴペディア~

*人間工場・・・人間を生み出す工場。15~30歳までの女性を拉致、強姦し、妊娠させ、体が壊れるまで子供を産ませる。用済みとなった女性はどこかに連れ去られる。子供は男なら戦争奴隷として、女ならそのまま人間工場に収容される。

*戦争奴隷・・・主に囚人や一部の死刑囚等の犯罪者(冤罪も含む)、借金を払えない人、人間工場で生まれた男の子など。


今回のモンスター

★水粘土・・・日本版スライム。水色のアレ。顔がない。主に粘液を飛ばして攻撃する。

★吸血蝙蝠・・・大型の蝙蝠。主に吸血攻撃。狂犬病は魔法で治せる。

☆アルマジロドラゴン・・・アルマジロトカゲみたいなやつ。今回のボス。主に砂煙、毒煙攻撃をしてくる。光と氷が弱点

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