富山の遺跡のマスコット?
俺が目覚めてしばらくして、みんなが俺の部屋に来た。今回も俺の夢について話すことにした。
「フロレンツィア皇女なら、エルメル帝国で間違いない。彼女も表舞台には出なくなったが、やはりそういった事情があったんだな」
「フロレンツィア皇女といえば、一度だけ、男装していたんだよな!」
「あれは確か……プライベートでお忍び旅行のはずが、一部の熱狂的で変態的なファンによってばれてしまったんだよな。まあ、確かによく見れば、彼女っぽい顔をしていたんだけど、それにしてもよく見つけたなって思うよ……。ストーカー的なファンって怖いね……」
「ま、マジか……すごいなそいつら……」
「まあ公にばれてしまったけど、裏では、何回も男装していると思うわよ~」
「いや、間違いなくそうだと思うよ……。俺の夢からおそらく彼女は性同一性障害らしいし……」
「FTMか……」
「ところで、皇女さまは今どこにいらっしゃるのかな?」
「情報がない……。今のところ、消息不明だな……」
「なあ…もしかしてもう捕まっていたりして……?」
「あり得るな……」
「真神器の力を最大限に引き出せる能力か……。連中に悪用されたら最悪だな」
神器とは、不思議な力を込められた道具。大きく分けて、真神器(超古代に作られた神器)と偽神器(現代に作られた神器)の二種類に分けられている。
エルクも偽神器の一種らしい。偽神器は一般的には魔道具ともいわれる。なお、彼女の不思議な能力が発揮されるのは、真神器のほうだ。真神器はなぜかリミッターがかけられているものが多く、超古代技術の研究がなかなか進まない大きな原因になっている。
とはいうものの…ヴァリアントの研究は進んでいるし、もしかしたら皇女はもう捕まっているかもしれない。
それとフロル皇女殿下は正式名称はフロレンツィア皇女らしい。
「しかし…天の夢はほんとに不思議だね。これもやはりフォースによるものなんだろうか?いや、フォースのなんだろうね。俺たちはそういう夢を見ないから。フォースについてはまだまだ分かってないからな……」
「けど最初、ぐったり休んだ時はなんもみなかったけど……」
『まあ、たまにはそういう日とかもあるんじゃないの?』
「そうなのかー。俺、天の夢の話を聞いてるのすごくワクワクするんだけどなー」
「ほんと、興味ある……」
「次はなんの夢を見るのかな~(笑)」
「え!?俺また寝込むこと確定なの!?」
「まあまあ、次も見れるとは限らないでしょ」
「「「え~!!!」」」
少なくともこいつらは、俺が覚醒したときのみ(根拠はないが、普通に寝ても不思議な夢を一度もみなかった)不思議な夢を見るのを知っているだろうに……え~!!!……って、こいつらそんなに俺の体を酷使したいのかよ!?友達だと思っていたのに……がっかりだぜ!!しかもこれ起きるとき、超だるいんだよ!熱出しているみたいに!
「お、お前たちここにいたか」
「リーダー!」
俺の部屋にリーダーとソフィアさんが入ってきた。
「どうしたんですか?」
「先ほどBSが、富山の遺跡に調査部隊を送り込んだという報告が入りました」
「ただ、あの遺跡には、それなりに強力な防衛システムが起動しているという情報も入っている。奴らが防衛システム攻略後でくたばった後に奇襲をかけて殲滅し、俺たちが遺跡の内部を調査する…という内容だ。勿論、場所が場所なだけに、何が起こるのかもわからん。油断せずに作戦を遂行してくれ」
「近いうちに作戦行動に入りますので、準備をお願いします」
富山だけでなく、全国の超古代遺跡からも言えることだが、基本防衛システムが設置されてある。Sゴーレムといったモンスターをはじめ、様々な無人兵器が出ている。この世界はモンスターも普通にいるが、化学や魔法が発達した今、ハンターにとっては、それほど脅威ではなくなっている。しかし超古代遺跡に出てくるSゴーレムだけはレベルが違い、エルクを使っても苦戦することがあるそうだ。しかも再生能力付き!腕からもレーザーを放つ。至近距離からぶん殴られたら、AFで防げないうえに、上半身を急旋回してくるので実質死角がない(以前戦った蜘蛛型と同じ)。遠くから狙撃するのが正攻法だ。
因みに今回の遺跡の防衛システムはBランク。S~Eランクと無駄に細かく分けられているが、Bランクということは、油断すると普通に死ぬレベル。逆に言うと油断しなければ、案外どうにかなるレベルである。玄人はね……。俺はまだ、素人だしな……。フォースの覚醒条件さえわかればなぁ……。玄人基準だと、Sランクはどうにでもならないレベル。Aランクは油断しなくても致命傷を食らうレベル。
「なるほど!漁夫の利を上級化させるんだな!」
「ん?漁夫の利なんてよく覚えたな?けど上級化って何!?エルメル語のエルのこと?日本語の得るとは全然違うんだけど、誰が嘘を教えたんだ!」
「カトレアからだぜ?」
「日本人じゃねーのかよ!」
じゃあ、カトレアって子に嘘教えたのは誰だよ?明ちゃん?
リーダーはすぐに部屋を出ていき、ソフィアさんは残った。
「ところで、防衛システムはどんな奴が出ているの?」
「こちらです」
ソフィアさんがタブレットをこちらに見せる。ていうか…タブレット浮いてる……
Sゴーレムは、ドラ〇エやF〇とは違って岩ではなく、粘土の巨人だ。しかも浮いてるし……。なんか想像していたのと全然違うなぁ~……。まあ…異世界だし、あちらの世界の想像上のモンスターと現実は違うのだろう。そういえばゴーレムって泥人形のことらしいな。
そのほかのドローンは、…なんか、もや〇とボールみたいなやつだった。どんな攻撃してくるんだろ……。これが富山の防衛システムかぁ~。なかなか面白そうな敵だな(笑)。とは言っても油断したら、最悪の場合、本気で死んでしまうが……。
「なんかこの敵面白いね~(笑)なんて名づける~?」
「白いも〇っとボールでいいだろ………」
『まんまじゃない!ハイ却下!』
「ちっ………」
「じゃあサッカーベースボールでいいな!」
「セド…お前のネーミングセンスのひどさにむしろ脱帽するわ……」
「それで蹴ったり、160キロからデッドボールしたり……絶対けがするよ」
「怪我ってレベルじゃないと思うよ……特にデッドボールは……。トゲが心臓までぶっ刺さって死ぬわ。じゃあニードルボールとかでよくね!?」
「天、お前もネーミングセンスねーじゃん!」
「うるさいな……」ギク!
『もういっそのことバクテリアでいいわよ!』
「却下………」
「じゃあ、ダイヤモンドグレートフォースボールでいいんじゃね!?」
「名前が長いし、しかもイタいぞ……」
「ところで名前なんてわざわざ付けるんだね?」
『天の世界は名付けないの?』
「うん。多分気にかけもしないと思う……て言うか、戦争なんかしねーし」
と、俺たちはなんだかんだ話し続けていたが……
「ヤマアラシのような名前とかはいかがですか?ヤマアラシほどとげはありませんが……」
「ソフィアさんナイス!動物から名前を持って来ようぜ!」
「さすがソフィアちゃん(笑)。ハリネズミやハリモグラ、栗の名前でもいいかも」
「なるほど……そういうふうに名前を付けるのですな」
というわけで俺たちはこの兵器の名前について語り合ったが……
名前は結局“ガンガゼ”……改めて俺らのネーミングセンスは壊滅的だと知った……。やっぱ俺も人のこと言えなかった……。無駄な時間を過ごしたな……。
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~イヴペディア~
*ちなみにこの世界の人間は、いろんなものに名前を付けたがる。納豆の一粒に豆太郎と名付ける奴とか。
*ネットでは、北海道、秋田、群馬、やまなしずおか(富士山)、京都、奈良、大阪、岡山、鳥取、島根、高知、福岡、佐賀の各道府県に遺跡が存在するという噂がある。根拠は日本史などから上げられるが、大体説得力はなく矛盾点もある。あと何かしらネタにされる都道府県も追加されている。




