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現代神話のエルカヴァリア  作者: 白卯兎 健太
日本編
15/44

ミッション3「EUN琵琶湖基地襲撃」

 さて、現在俺たちはエルクのコクピットに乗って出撃合図を待つ。

 なんでも俺が胸糞悪い夢を見た日に富山県で超古代遺跡が見つかったのだとか。現在EUNの調査部隊が超古代遺跡に派遣したという情報も得た。そこで俺たちは調査部隊の退路を断つためにまたそれぞれ別行動をとることにした。因みに今回は、俺とセシルがタッグを組むことになった。ほかの2人は、陽動を行っている。現在、EUNの部隊は偽情報にまんまと釣られているらしい。またレオンは、ミッションエリアの南方に所在するEUNのドローン研究施設に侵入する。


《セシルさんと天さんにもう一度作戦内容をお伝えします。今回のミッションは、滋賀県の琵琶湖に所在するEUNの基地の無力化が最終目標です。防衛システム(砲台やレーダー等)を破壊してください。セシルさんは、メインコンピューターおよびサブコンピューターにハッキングしてください。また、近隣の敵拠点から増援もあり得ますので、その場合、速やかに撃破してください。》


 セシルたちは、犯罪工作や暗殺などの黒いスペシャリストだ。EUNにいた時期が長いからな。ハッキングなんて余裕なのだとか。こういう時はものすごく役に立つ。





******




~ミッションエリア:滋賀県 琵琶湖~



《天、前方に見えるのが今回の目標だ。砲台が多いうえ、思わぬところに伏兵や地雷などの設置型の兵器に注意すること。また、水中には敵機が潜んでいる可能性もある。ここも注意ね。ある程度、敵機を壊滅させたら俺はハッキングを開始する。それでは作戦開始》

「了解!」


 うっすらと見えるあの基地……思った以上にデカかった。それにしても琵琶湖なんて初めて見たよ!日本一大きい湖って本当にすごいな!海のように見えるぜ!


 今回のミッションは水中にも敵が潜んでいる可能性がある。こういうミッションでは魚雷を装備していく。水中にまともに攻撃できるのは魚雷くらいだからな。さらに水中でも作戦行動がとれるように、特殊な術式を機体に組み込んだ。ついでにドローンも9機ほど。

 ところで、偽地球の琵琶湖の一番深いところで1500メートル以上もあるらしい。深過ぎね!?基本的に地上からのエルクのレーダーはあまり水中の様子をうかがえない(せいぜい、水深300メートルほど。しかもタイムラグがある)。高性能のレーダーさえあれば何とかなるが、消費電力が無駄に高く(通常のエルクの作戦行動時間は、機種にもよるが人型は大体60分程度だが、これを装備すると、45分)コストもレーダーの中では一番ダントツで最悪。ここら辺どうにかしてほしいなぁ……。因みに魚形といっても、偽地球の戦闘機が水中にいるようなものだ(もともとは魚みたいな飛行機のような(?)エルクが多かったらしく、今でもそれがまだ主流である)。


 とりあえず俺たちは、施設がある人工島へ向かう。


『水中に複数の機影を確認!』


“システムエラー発生。修復プログラムを起動します”


「うわ!レーダーが!」

《一気に突破って行きたいけど、ECM(電子対抗手段)搭載の水中戦闘機を排除しないと……》


 う~む……さすがにぬかりないなぁ~


《仕方ない、水中で仕留める》

「やっぱりこうなったか……」


 結局俺たちは、湖の中に入ることになった。特殊な符を組み込んだおかげで水中でも活動できる。大きな泡が機体を包むものの、エナジーが符に食われるため、流石に最高スピードまで上がらない。湖は濁っていたが、ここは目を閉じて魔波を前方に発生させ、位置情報を得る。

 戦闘機は十数機いるようだ。ECMがひどいために、魚雷が敵機に追尾できない。うぜえ……。ついでにドローンは後方で待機してもらう。ECMでFCSがやられているので、攻撃できない。ホントにうぜえ……

とりあえず敵機が攻撃してきたので、AFを展開しながら敵機に近づき、ブレードで斬る。よし、ちょっとエナジー残量が気になるけど、この調子。ひと昔の俺なら、距離感すら分からず、接触したりして詰んでたかもしれないが、今の俺は違うぜ!やっぱ訓練って大事だな。


《天!どうやら、貝の形をした戦闘機がECMを搭載しているようだ。貝の形をした戦闘機を優先的に狙って!それから、……くっ!基地から魚雷が来る……十分気を付けて!》

「マジか……了解!」

『今回のミッションはいつも以上に厳しいわね……。攻撃が激しいから、AFは展開したままがいいかもね。私も魔波を飛ばすから、見つけたら教えるね』

「サンキュー!イヴリーン」


 敵機を排除しながら、貝を探す。イヴリーンが位置を教えてくれるので何とか少しずつ減らせている。一方で、セシルは一人で貝を5機も撃破しているらしい……すごいなぁ。

 貝の形、貝の形っと……。ちょっと頭上に何かが……うわ!魚雷が来た!

急いで回避行動をとるものの、2発食らった。しかもAFを破りやがった。


「うわ!いててて……火力高いな……」

『一発でも直撃したら、まずいわね……』

「すまないがイヴリーン、魚雷が来たら知らせてくれないか?」

『分かったわ!』


 しかし、なんとも頑丈な泡だな……全然弾けない。まあ、弾けてもらっては困るんだけどね。


“ECM濃度の低下を確認。システムの一部が回復します。マナ残量10%。チャージしてください”


 FCSがついに回復した!よし!これで魚雷が撃てる!さあ、反撃開始だ!


「こいつら……よくも好き放題に暴れてくれたな……魚雷の雨を食らえ!」


 ついでに魔法盤でマナをチャージ!気が付いたら2%まで減っていた。危ない危ない……

ようやくFCSが回復した俺たちは、本格的に反撃し、頭上から降ってくる魚雷に注意しながら敵戦闘機を壊滅する。


“ECM濃度0。全システムを回復します”


「ふう~、何とか終わったけど……これだけでもきついのにまだ地上がある……」

《でもまあ、何とかミッションの山場を越えたから、あとは大丈夫だと思うよ。》

『そうね!』


 早速俺たちは水中から出て、基地に向かう。さらに、ドローンもこちらに合流した。


“敵性エルクの接近を確認。非常警戒レベルを5からMマックスに移行。セキュリティー部隊は敵性エルクを速やかに排除せよ”


 基地から砲台が姿を現す。さらにヘリや戦闘機も続々と出てくる。

俺たちは、セキュリティー部隊と激しい戦闘を繰り広げる。砲台の攻撃は、火力が高いので直撃をもらうわけにはいかない。冷や汗をかきながら、着実にセキュリティー部隊、防衛機構を破壊していく。


「うお!?」


 砲台の強力なレーザーが目の前を通り過ぎた。危ね……


——フッ


 !……よし、今なら一気にいける……

 一気に急接近し、砲台にブレードを真正面から突き刺す。そのあとブーストで飛び、上空にいたヘリを、スナイパーで撃ち落とし、高速で移動する。


『そ、天!ちょっと……というか!めちゃくちゃ荒いわ!』

「大丈夫だ……気にすんな」

『あんたは心配ないわよ!私がやばいの!!……ほんとにやばい……あんたの膝の上で休ませて……』

《天……覚醒したか?……よし、今からハッキングを開始する》


 俺の操縦はかなり荒いらしい。でも問題ない。セシルは特定のポイント地点からハッキングを開始している。俺が敵の目を惹きつけていればいい。


《ひ!?》

《なんだあいつは!?》

《今までと動きが違う……》

《た……助け……ぐう!!》


 よし、敵はこちらを注目している。しかし敵側も随分と動揺しているようだ。まあ無理もない。これがおそらくフォースのアビリティだろうから。恨むんなら、EUNを恨むんだな。


《よし、ハッキング完了》

《セシルさん!天さん!敵増援を確認しました。“ブラックローズと思しき機体”が2機がこちらに向かっています!》

《ブラックローズだと!?》

『ブラックローズって……あのブラックローズ!?』


 ブラックローズとは、EUNに所属する世界4大組織の一つ。世界4大組織はEUNの中でも、最も権限が強い組織。上層部は、ぬるま湯につかったような貴族の坊ちゃんやおっさん(無能)が多いが、エリート部下が非常に多いので、BSの連中は、そいつらに何度もやられている。そいつらは、俺たちが今まで交戦しているようなEUNの軍事局支部の連中を見下しているらしい。実際に、兵士の一人一人が凄腕なので支部の連中は不満はあれど、言い返すことはできないようだ。

 EUN市民は世界4大組織が一斉に動き始めたら、世界は一週間足らずで沈黙するといわれるほど。しかし、2年も経っているにもかかわらずBSを沈黙させきれていない。今の情勢は、EUNとBSはほぼ互角もしくはごくわずかでEUNが優勢という程度だ。


《ただ今、レオンさんが任務を完了し、こちらへ向かってきています。しばらくの間、辛抱してください》

《レオンがこちらに来るならまだ何とかなるか……?しかし機体のダメージも溜まってきている……このままではこちらが不利だな。とりあえず、こいつらをさっさと蹴散らそうか。奴らが来る前に!》

「了解した」


 またイレギュラーが発生したな。相手はブラックローズ。おそらくフォースのことも知っているのだろう。今までのボス敵よりは苦戦しそうだ。

 戦闘機、砲台を次々と破壊していく。ドローンが6機やられたが、まだ3機残っている。これらをうまく利用できれば勝機はあるはずだ。


《ブラックローズがミッションエリアに到達します》

「来たか」


 前方に黒いエルクが2機見えた。ブラックローズの兵器はみんな黒い。NSだ。


《へへ……あいつらがホモピスエリウムとかいう奴等か……?》

『ホモ……!?』

「し!」

《ホモピスエリウムではなくホーパステリウムだ。エルメル語で希望の流星群……だったか?》


 そういえばホーパステリウムの意味、今初めて知ったな……


《希望の流星群ぉ~?あっははは!希望の流星群かぁ~!いやぁ~かっこいいでちゅね~(笑)?銀河とかにしろよ~。んまあ、ごみクズに銀河なんざ似合わね~か(笑)》

《この世界に希望の流星群を届ける。おそらくそういう意味で名付けたんだろうな》


 一人の男がこちらを馬鹿にしているが、もう一人の男はマシな性格をしているな。


《それにしてもなんだこのざまは……。所詮支部の役立たずどもか……。雑魚がごみクズ2匹に負けてんじゃねーよ!》

《このような弱小組織に後れを取るとはまさに地国連の恥さらしどもだな。このような連中は本来、私たちがわざわざ出向く程の価値などなかったはずだ》


 前言撤回。もう一人の男もろくな性格をしていない。


『あいつら……私たちのことを馬鹿にしているわよ!』

「取り乱すなイヴリーン。大丈夫。あいつらは俺たちが心を折る」

《あ~ん?俺たちの心を折るだって?ハハハハハ!おい!ごみクズフォレンゼルがなんか言ってやがるぜ!》

《フッ……弱い犬ほどよく吠えるか……。この国はいい言葉があるな。……あまり調子に乗るなよ小僧……。貴様ら“フォレンゼル”ごとき、私たちが本気を出すほどのものではなかろう。貴様らなど所詮、井の中の蛙大海を知らず!》

「俺たちはフォレンゼルと呼ばれているのか……?」

《彼らは俺たちやBSの人間を人としてみなしていないからね……。しかしよくそんな難しいことわざを覚えようとするもんだよ》


 なるほどなるほど。俺たち反逆者は物か動物扱いか……。しかしそのようなやつがEUNの上のほうにいるのかよ……EUNも末期状態だな。


《貴様ら低能どもには一生理解できぬようなことわざだがな》

「残念だが俺は日本人だ。お前よりは知っているつもりだし、たとえ井の中の蛙だとしてもお前たちの蛮行に何もしないより、何かをしてたほうg」

《黙れよ劣等人種が!貴様らのようなカスが、世界に混乱を陥れているんだろうが!支部やミランダ、BSとか神谷とかいうような雑魚に勝ったからって調子乗ってんじゃねえよ!!!》

「ミランダ?神谷?」

《ミランダは天たちがこの前戦った飛行型アルファの名前だよ。神谷は明典の名字》


 ああ、あいつか。そういえば女性だったな。あいつ、ミランダっていうのか……。


《世界を、俺たちをこうさせたのはお前たちではないのか?全世界の人類を守るべきEUNが、不祥事のみならず、各国に圧力をかけ、孤児や一般人を誘拐し、ヴァリアントの被験体にしたり、無意味な虐殺などを行うお前たちが》

《無意味な虐殺だと……?ハハハハハ!笑わせるな!あの犯罪ごみどもは裏でお前たちフォレンゼルとつながっていたのだ!殺されて当然な連中だろうが!》


 男のその声を引き金に、再び戦闘が開始する。ドローンは開始20秒ほどで3機ともミサイルで一気に撃墜されてしまった。だがこいつらの動きは、確かに凄腕レベルではあるが、少なくとも明典やミランダほどでもない。ミランダごときだとか豪語していたが、まだ最初の二人のほうがより洗練されていた(ミランダはともかく、明典はなかなか荒い動きをしていたが、初心者だったころの俺から見ればむしろそれが恐怖だった。それにセシルの追撃を危なげなくかわすなど、今思えばやはり玄人レベルだった)。井の中の蛙とは、こいつらのことを指すのではないか?しかし、機体のダメージは徐々に増えてきている。一気に決めなければやられるのは間違いない。


「というわけで、一気に決めることにする」

『え?』

《な!?》


 俺が急接近してきたことに相手は驚いているようだ。しかし、相手もブレードを構えて対応しようとする。流石にデカい口を叩くだけあって、瞬時の判断はいい。だが俺は最初からブレードで勝負する気はなかった。エルク付きスナイパーを至近距離で、ブレードを持つ左腕ごと吹っ飛ばす。そして敵機のすぐ横を通過する。


《ぐわあ!……き、貴様……まさか……!》


 急旋回をし、再び高速で接近する。


《化け物め……来るな来るな来るなあぁぁぁぁぁぁ!!!》


 相手も必死にマシンガンで攻撃するが、俺のAFに防がれている。俺はブレードで斬撃し、さらにエルク付きスナイパーで至近距離からとどめを刺す。


《クソがあぁぁぁぁぁぁ!!!》


 敵機は爆発した。たいしたことはなかったな。


『あの……ブラックローズを倒すなんて流石ね……!……て言いたかったけど、拍子抜け……』


 一方セシルといつの間にか合流してたレオンもブラックローズの機体を破る。


《き、貴様らのような……フォレンゼルに負ける……。だが……黒いの……。貴様がフォースであると……報告させてもらったぞ……!これで貴様らに勝ち目は……》


ドゴオォォォォォン!!!!!!!


 機体が爆発した。


《ふう、何とかなったな》

《だがこれで天がフォースであると判明し、EUNにばれてしまった》

《それについては仕方がない。まだフォースについて分からないことだらけだ。今後はもっと厳しくなるだろうな……》

《……敵反応の消滅を確認しました。作戦は終了です。お疲れさまでした。帰還してください》

《了解。これより帰還する》


 ……今日も無事に終わって何よりだ。しかし、EUN戦は今後も厳しくなる。ヴァリアントをうまく使いこなせなければ勝てなくなる……もちろんエルクも。

 いろいろ懸念が残る中、俺たちは帰還した。





*********

~イヴペディア~

*フォレンゼル・・・エルメル神話に登場する、正義に楯突いた蛇の堕ち神。エルメルでは、蛇は蔑称に使われる動物であった。

*ブラックローズ・・・主に中東地方を支配している。今回は最下層の雑魚のほうだろう。世界四大組織はなにかと傲慢な奴等が多く、評判もあまりよろしくなかったり。


今回の敵

*春惜月・・・ル〇バドローン。マシンガンやミサイルを装備。

*西ヶ原・・・地上型兵器。ミサイル、マシンガン。「にしがはら」

*屋島・・・魚型兵器。貝の形をしており、動きが鈍いが耐久力はある。ECMも搭載する嫌な奴。魚雷を装備。「やしま」

*鳴門試作機・・・ドローン魚形。超小型魚雷。「なると」

☆エルカヴァリア

*ユーフラテスMK3・・・ブラックローズが主に使用している人型兵器。

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