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ひまつぶし  作者: ずみ
18/25

じゅうはち

木と魔物とコン蔵10日目以上20日目未満


あれから何故か街から離れる方へと進んでいた。

理由は…


「タロー様、解体する魔物の追加です」

「タロー、こっちもよ。どんどん来るわね」

「クゥン」モグモグ

「もう夜遅いんですけどー」

「水の補充をお願いします」

「果物があったら採取してきてね」

「クゥゥゥゥン」

「…行ってきます」


食べ物を求めて進んでいる。と、言ってもいいくらいの食事量にある。

その底無しの食欲を満たすための優良な獲物が魔物だった。

こちらを見つければ襲ってくる。

つまり、勝手にお肉が近寄って来る。という状況になる。


…水場からちょっと離れても、争ってる音や血の匂いで集まってきちゃうもんな…


鍋を片手に紫色の人の形をしたものがのんびり歩いている。


「暗いんだから果物なんて見えないよ。おっ、ミカンっぽいものあった」


魔力を回し高い木の上に登り、鍋に入るだけ採っていく。


「…水が汲めない。戻るかぁ」


戻る時は叩く音や走り回る音がする方に行く。

すると、グミで囲んで作った安全地帯に戻ることができます。


「果物あったよ」

「ください」

「わたしにも」

「クゥ」サッ ガブリ

「じゃあ、これを置いて水汲んでくるね」ドサドサ

「はーい、気をつけてねー」

「待ってください」

「行かないで休んでもいい?」

「行ってください。ただ…その前にこの魔物を食べられるようにして下さい。今、すぐです」

「…はい。」


短時間離れただけなのに、狩った魔物が山のように積まれていた。


…魔物の量が多過ぎるな。昼頃にここに着いて、大きな音で呼び寄せてからずっと途切れることもないし、ゴブリンしか出てこない。今までの場所なら、同じ種類で複数体ずつってパターンだったのにな…


瘴気を吸い取り、肉の山にしたあとで囲いの外に出る。

囲いの中に入る時に戻していたグミをまた頭から足先まで纏い、小さな池へと足を向ける。


「しっかし暗いなぁ。」


前方の木の陰からガサガサと音がする。


「運がないなぁ。進みたい方に居るのかぁ」


障害があるのは分かっているが、そのまま真っすぐ歩いていく。


「うわっ。数がいる」


見えるだけで6匹、見通しのいいところではないのでもっといるかも知れない。


「うー、動けない。なにも全員でしがみついたり噛み付いたりしなくてもいいだろ。あーっ、不気味な顔を近づけるな。」


こちらに危害を加えることができないだろうと、無視して突っ切ろうとしたが纏わりつかれてしまった。

何をされてもグミを貫通されることは無かったが、全身ゴブリンを装備した状態になると身動きが取れなくなってしまった。


「魔力を回せばなんとかなるかなぁ。ちょっと面倒。…こいつらから生きたまま瘴気を吸い取ったらどうなるんだろう」


視界もゴブリンに埋め尽くされているため何を触っているか分からないが、右の手のひらのグミを戻し触っているものから瘴気を吸い取ってみる。


…むっ?右手の肘から先が軽くなった。あれ?こいつら次々と離れて行く…


右手が軽くなったあと、右側の方からどんどんとゴブリン装備が解除されていく。


…お前も離せ…


顔を覆って視界を奪っていたやつを引き剥がし、そいつからも吸い取ってみる。


「ぐったりしたなぁ。おうっ!共食いしてる」


数匹のゴブリンが1匹のゴブリンに群がっていた。


「初めて見たなぁ。魔物は瘴気を含んでても食べれるんだな」


水を汲んでくる途中なので魔物を持っていても余計な荷物になると思い、手に持っていたゴブリンを放り投げた。


「あれ?投げたゴブリンも襲われてる」


新たにゴブリンの集団が出てきて、放ったゴブリンに群がった。


「むむっ?また共食い?瘴気を抜いたら仲間だと判別できない?もしかして、最初に食われてたヤツも俺が瘴気を抜いてたヤツか?」


ゴブリン達は飢えているようでこちらには目を向けず一心不乱に貪っている。


「…少し遅くなってもいいよね。帰り道で襲われて水をぶち撒けちゃうかもしれない。うん。実験、じゃなくて確実に帰るために必要な事だよね」


先にいた集団の端にいた1匹に目星をつけ近付いた。


「集中しすぎ。簡単に触れた。」ペトッ


瘴気を吸い取るとすぐに倒れ込んだ。


「すぐ近くに倒れたのに。瘴気は関係ないのか?」


倒れたゴブリンを気にすることもなく食べ続けている。


「よしっ。分からん。ここに居るやつ全部から瘴気抜いちゃおう」


手の届く所から順番に瘴気を抜いていく。


「うわっ、また増えた」


目の前の集団が全て倒れた時に新手が姿を現した。


「1、2、3…8匹か。あぁ、グループで行動するのか。えぇー、こっちに来るの?」


もうゴブリンを装備したくは無かったので距離を取り、いつでも逃げることができるよう身構える。


「んん?倒れてる奴らに群がり始めた?うわー、見てるのが辛い…これは瘴気を抜いた奴が食われる、は確実だな。グループ単位での仲間意識はあるのか?いや、調べなくてもいいか。」


またもこちらを無視して食事を始めたので、近い所から順番に瘴気を抜いていく。

今回は新手もなく、順調に事を終えることができた。


「あれ?息をしてない。へぇ、ゴブリンって瘴気が無いと生きていけないのか。そういえば、後から来た奴等はこっちの方から出てきたなぁ。何かあるのかな」


ゴブリンが出て来た方を見たが、他の方向との違いは無いように見えた。


「寄り道、じゃなく興味、でもなく危険な何かがあるかもしれない。確かめないと安心出来ないよね」


言い訳を頭に思い浮かべながら探検に向かった。

歩き始めて程なくして地面に大きな穴が空いているのを見つけた。


「大きさは10メートルくらい?深さは…暗すぎてさっぱり分からないなぁ。明かりをとれるものもないし、水汲んで帰るか。んっ?」


穴の中からゴブリンが出てきた。

木の陰に身を隠し様子を見てみることにした。


「何か音を立てないように気を使ってる?」


そろりそろりと歩き穴の中を振り返る。

何かに警戒しているように見える。


「木の棒が落ちてるなぁ。これは…やるしかない」


先程ゴブリンまみれになったことを思い出しニヤニヤしながら足元にあった棒を穴の中に投げこんだ。

ゴブリンが棒に気付き、目線が棒を追っていく。

手を伸ばすやつもいたが届かず、奥の方まで飛んでいきカランと音がした。

ゴブリン達は穴の奥を見つめ動きを止めた。


「どうしたんだ?奥に何かあるのか?えっ?」


トットッと軽く小さい足音がしたすぐ後に大きなトカゲの頭が見えた。


「うゎぁー、あれ何?あっ、ゴブリン食われた。逃げ…られないよねぇ。6匹居たのかぁ。全部食われたなぁ。」


グミで何とかなるのか気になった。

気になってしまった。後悔はするつもりはない。


「2人と生きていたい。だけど、やってみたい。よしっ、帰ろう」


とりあえず相談してから考えよう。と、自分の意思を押し殺…そうとしたのに大トカゲはこっちを見ていた。


「こっちに来るなよ。後で相手にしてやる…かもしれないんだから」


願いは虚しくトットッという音を立て、まっすぐ俺に向かって走ってくる。


「まだ分からない。俺は見つかっていない…可能性がある。けど、グミで囲いを作っておこう。食べたら美味いかなぁ」


ドンッと音がした。

足元が少し盛り上がった。

トカゲの方のグミのくっついていた所が削れながら陥没し後退していた。


「逃げなきゃ!」


魔力を回し、身体能力を強化する。

そして、拳を握り優しくトカゲに触れる。


「俺は何やってんだ!?吸い取れ!」


自分の行動が理解できないまま出来ることをする。

瘴気を吸い取り始めると、すぐにグラリとよろけていた。

トカゲは頭からぶつかって来ていて、拳が触れたのは鼻先だった。

勢いが削がれたのをいいことに更に踏み込む。

額に取り付くことができた。


「吸い取ったのは有効だった。って事はだよ。」


魔力を回し、剥がされないようにしながら全開で瘴気を吸い取る。

動きは鈍くなっているが、俺にとってはまだまだ脅威だ。

頭を振られ、木にぶつけられ、地面に擦り付けられて遂に離してしまった。


「あぁ、俺もここまでか。2人共ごめん」


それが最期の言葉に…ならなかった。


「撤退はやっ!助かったからいいけど!」


トカゲが居なくなったので急いでその場を離れ、2人と1匹の所へと戻った。


水を鍋いっぱいに汲んで。


気分で書きます。

気分で投稿します。


中身も気分次第で。



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