じゅうろく
木だけじゃなく魔物に囲まれて始まる2日目
昨晩は倒しては瘴気を抜いて食べれる所、皮、食べれない所に分けていた。
その合間に囲いの外に出て水を汲んでくる。
そしてその水を沸騰させて飲水を確保していた。
「水はある、肉はある、囲いは消えそうな気がしない。寝ていい?」
「わたしも寝たい」
「ミヤコはすぐ休んでも大丈夫です。タロー様は瘴気の除去は終わりましたか?まだなら即座に行動に移してください。」ドサッ
…終わったかって聞きながら次のを持ってくるのか。ナナゴは肉のことになると押しが強いな…
「これをやれば終わり。ナナゴも寝とかない?」
「私は襲撃に備えて起きています」
「たぶん中には入ってこないよ」
「入れないと理解したら離れてしまうかもしれないではないですか。肉を逃したくはありません」
「ここに居るとずっと寝れなくなるんじゃない?」
「しかし、肉が…」
「いけ!ミヤコ!ナナゴを捕まえろ!」
「むぅあー。ナナゴも一緒に寝ましょー」
「ミヤコ!離してください。ちから!つよっ!」
「ナナゴ、諦めて、ほら、手足をバタバタしない。ミヤコはそのまま抱き枕を離すなよ」
「タロー様。ニクを。にく!」
「あれ?これは、何かに憑かれてる?俺はお祓いのし方を知らないのに。とりあえず体の方を包んでおくか。…疲れが溜まってたんだろうな、もう寝ちゃった」
…うん、やっぱりグミの中でも動けてる。この3人だけなんだよなぁ。他のやつは魔物も人もエルフも拘束できるのに。囲いのグミに何かを投げても通り抜けないけど、水を汲んで戻れたってことは持ってる物は通っちゃう?グミってでっかい抜け穴とかないよな?まぁ、もう何日か見張りをしておけばいいか。俺の感覚的には眠れるけど、寝なくても問題なさそうですなんだよなぁ…
「さて、解体をす…。うーん、皿にしている葉っぱが足りないなぁ」
水の入った鍋を火にかけてから囲いの外に出る。
ゴリラと遭遇した後から、外に出る時は必ず全身を包み込むことにしていた。
「待ち伏せされてるなぁ。」
大きめの葉のなっている所に近づくと狐っぽいのが座っていた。
「お前は襲ってこないのか。まぁ、大きさが片手に乗っちゃうくらいだもんな。…肉食うか?」
手を伸ばしたが逃げることも近づく事も無く、目だけ手の動きを追っていた。
「嫌がってないなら連れて行くか。」
そっと拾い上げ肩に乗せてみる。
「大人しすぎ。頭撫でていい?おぉっ、グミ越しだとわからん」
何枚か葉っぱを採って囲いの中に入ろうとして、狐が囲いにぶつかって落ちた。
「!!コン蔵!悪かった!クッ、こんな時にゴブリンが!囲いの中に入ることが出来れば!コン蔵!悪い!グミで包んで。苦しそうだな、ナナゴにはこうしたんだったかな、送り込む。「ヴヴヴゥゥ。ヴゥ。ゥンヌ゙ゥゥーン。」もう安定した?」
ゆっくりとバスケットボールくらいのグミを囲いのグミに押し当てていく。
すると狐のコン蔵が無事に囲いを通り過ぎ、中に入る事ができた。
視線をゴブリンの方に向けると、コン蔵の通った所をカリカリと引っ掻いていた。
…ふぅむ。でかくねぇ?前のやつは腹くらいの高さじゃなかったかな、こいつは俺より頭1つ分高いなぁ…
「大きさだけで見た目は変わらないから、成長期ってことだろうな」
ゴブリンの腕の位置や体の向きを見て、懐に俺の体をねじ込む。
「ここまで来れば。右手で鼻を左手で口を塞ぎ、グミで呼吸をできなくして。ゴブリンの手をスルッと躱しながら、中に戻ります。コン蔵、どう?見てた?」
「見てたわよ」
「うおっ、ミヤコ起きたの?」
「ずっと微睡んでたのよ。この小さなフォックスが中に入って来たから目が覚めちゃったけど。…警戒しとかないとね」
「コン蔵を抱っこしながら警戒って。むしろ心を開いてんじゃん」
「うっさいわね。わたしはトイレに行ってから、また寝るわね。タローもほどほどで寝ときなさいよ」
「はいよ」
ミヤコが簡易的に作った便所へと向かって行った。
その便所は森に入って直ぐにミヤコが提案してくれたもので、穴を掘り半球の濃いグミを上から被せる形だ。
片付ける時はグミを吸い取り穴を埋めればいい、簡単仕様となった。
意外だったのは拭くのに使うのがゴブリンの皮だった。
…きれいになれば何でもいいらしいけどゴブリンの皮、布、柔らかめの葉っぱの順で人気らしいんだけどなぁ…
「元がこれなんだけどなぁ」
ズズンッ
視線を戻すと丁度ゴブリンが倒れていくところだった。
「ぱっと見では猿っぽい。でも、動きは人っぽい。遅いけど。顔は何が近いのか、シワの深い魚?深海魚とかでいるかな?そろそろ引っ張り込むか。うん、入ったな。顔のグミを回収して。あっ、コン蔵。ミヤコに連れてかれてたけど、戻ったんだな。こいつたべる?」
コン蔵が近付き、匂いを嗅いだと思ったらすぐに離れた。
「へぇー、魔物でも魔物は食えないのか。」
「クゥゥン」
「瘴気を抜いて、ほら。」
「クゥゥン」
「見た目は変わらないから、食べれない物って認識なんだろうな。じゃあ」スッスッ
「このフォックス、魔物を食べるの?」
「そのままは食わなかったから、瘴気を抜いたところ。」スタスタ ジュウウ
「野生でしょ?火を入れても食べるの?」
「さあ?見た目が変わるから試しに食べてみるかもしれないよ」
「クゥゥン」
「近付いて来ないわよ?そのお肉、冷めたら固くなるわよね。しょうがないからわたしが食べてあげるわ」
「そんな、残飯処理みたいなことをさせるわけにはいかないよ。俺が食う。」パクッ
「…あと2つくらい焼いてよ。」
「ぐふふ。最初から素直になれよ。げへへ」スッスッ ジュウウ
「ありがと。気持ち悪いわね」
「コン蔵も来たか。俺らが食べたから、大丈夫そうに見えたかな」スッスッ ジュ
「ちゃんと焼かないの?」
「コン蔵が食べたことあるのが生肉だけだろ?…そもそも肉食べるよね?」
「さあ?前世で狐は雑食だったと思うけど、こっちのフォックス種はどうかは分からないわね」
「鼻先に近付けて。おっ、食べた。ガツガツいくなぁ。」
「この子がお腹壊したらどうするのよ」
「ざ、じこせきにん」
「…それもそうね。食べ終わったみたいね。眠そう。よしっ、一緒に寝るわよ」
「連れてかれたなぁ。さて、残りをバラすか」
気分で書きます。
気分で投稿します。
中身も気分次第で。




