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木が生えている1日目
水の消費が多く補給を予定していた所まで保たないと言うことだそうだ。
その関係上、遠回りになるが道程で水場が点々と存在している方に行くことになった。
道中、食べれそうな野草や、木の実を見つけては集めながら進んでいく。
「ナナゴ、今日は水の補給できる所で野宿?」
「そうです。正確には水場が見えるが、少し離れている場所です」
「すぐ近くの方が便利じゃない?」
「魔物や動物も水を求めて近付いて来てしまいます。」
「見える範囲なら、こっちも見つからない?」
「ええ。見つかります。それでも水を飲むことを優先して、とりあえずですが襲っては来ません。なので、こちらは見つけたら逃げます。」
「戦わない?」
「先ずは逃げます。水場の近くには水を飲みに来た他の魔物が居ることが多いので参戦か連戦になってしまい、こちらが窮地に追い込まれてしまいます」
「なるほどなぁ。水場からどれくらいの距離を離すと襲ってくるのかとか、魔物同士ではどうなのかとか疑問はでてくるなぁ」
「それは調べられないわよ。調べようとしたやつが襲われちゃうもの」
「そうです。それがわかっても、最善が逃げることです」
「…もし、だけど逃げ切れなかった時は?」
「そうよね。戦うの?」
「……逃げ切れなかった話を聞いたことが無いです」
「逃げ切れたってことは、何故か追いかけて来ないのね」
「もしくは、追いつかれて負けてしまった?」
「…わかりませんね。」
「負ける方は考えなかったわ」
「まぁ、何とかなるだろ」
「そうよね。」
「そろそろ水場が見えてきます。過ごしやすい所を探しながらいきましょう」
「わかった。どんな所が良いんだろ?」
「私は単独で夜を明かしたことしかありませんが、木の上で夜が明けるのを待ちました」
「わたしにはちょっと辛いわね。」
「俺も落ちちゃいそう。ミヤコはどうしてた?」
「大勢でだったから大量の見張りと数で撃退してたわ。今回とは違いすぎるわね」
「うーん。もう寝やすい所でいいんじゃない?」
「魔物が襲ってきたらどう…にでもなるのよね」
「なりますね。止まってください。ちょうどここは平らな所ですし、そこの岩の隙間から水が流れ出て来ています。ここにしませんか?」
「水場まで徒歩0秒よ?」
「タロー様のアレで囲ってもらえば安全です」
「あー、アレね。アレアレ」
「はいはい。アレをアレるよ」
「はい。アレってください」
「ぬーん。はい。アレったよ」
「ありがとね」
「通れますね。ありがとうございます」
「うんうん。とりあえず水の補充するか」
「タロー様。鍋で沸騰させた後、冷ましてから水の袋に入れてください」
「煮沸して殺菌するのか」
「それです。これは昔の転生者から教わった知識だそうです。」
「わたし、知らない」
…どっちだ。王国では失伝しているのか、ミヤコが腹を壊そうが気にならないからわざとそのままなのか。聞こえなかった事にするしか…
「他に伝わってることって何かある?」
「いろいろあるはずなのですが…パッと思い浮かぶものは、イエスロリー「わかった。」とてもいい言葉なのに何故止めるのですか。」
「えーと、どんな意味って聞いてる?」
「子供は無限の可能性に溢れていて尊い存在であるから、罪人が触れて汚して良いものではない。と言う意味です」
「あぁー。うん。いゃぁ。まぁ。そのー。ゔゔーん。間違ってはいないけど、合ってもいない。と、言いますか。そのですねー、むむーん。伝えられた意味は正しいって言やぁそうにゃんだけど、にゃうーん、にゃれはミニャコのにゃけんも聞かにゃいといけにゃいにゃー」
「タロー。言いたいことは分かったけど、混乱しすぎ。犬語になってるわよ」
「これは暗号なのですか?猫の鳴き声が混じった言葉に、犬語という解釈は私には理解出来ません」
ナナゴの言葉にミヤコが顔を赤くして俯いた。
「ナナゴ。これは意地悪ではないということを言っておく。世の中には知らなくても良いこと、知ったら後悔すること、ミヤコが猫と犬を間違えることが存在す「ミヤコパーンチ」ヴァーッ」
「ナナゴ。これは意地悪ではないということを言っておくわよ。世の中には知らなくても良いこと、知ったら後悔すること、言ったら後悔させられることが存在するのよ。絶対忘れないで」
「…」コクコク
顔の赤いミヤコの言葉にナナゴは真顔で頷いた。必死に。素早く。
俺はグミの外まで飛ばされ、何かふんわりとしたものにぶつかって止まった。
「比喩表現じゃなく胸が痛てぇ。うっ、触ると硬いものがゴリゴリ動く。肋骨だよなー。折れてるってこういう事か」
…こんな時にも安心の、力を、違った。魔力って名付けたんだった。えーと、安心の魔力をグールグル。グッ。頭を叩いたの誰だ!あっ。どもっ。たまたまなんです。ゴリラさんの水飲みを邪魔するつもりは無かったんドゥッ。おい、釈明の途中だろうが!心の中で。全身包み込みクロスカウンター!おおぅっ痛く無いけど2メートルくらい飛ばされた。靴底に土が張り付いてる。なるほど。靴底にくっついていたんじゃなく靴底が張り付くことが出来る仕様ね。じゃあ、いんふぁいとだ。魔力をもーっとグールグルで、接近、ゴリパンチ躱す、ゴリラの口に手を入れる。あれ?どうすんのこれ…
「油断したな!これが狙いだったんだ!」
…さぁ、どうしよう…
「タロー様!もう少しの辛抱です!」
「待てぇーい。余の作戦でおじゃる」
「ぐふっ、ふふふ。ふぁーはっはっはーーーー」
ナナゴとミヤコがグミの壁から出てきた。
突っ込んで来そうなナナゴを止めると、ミヤコが腹を抱えて笑った。仕返ししてやる。絶対だ。
…手を引き抜くか、右手を救出するために左手を右目と左目の間にドーンッ。失敗した。鼻を塞いだ形になった。ファァッ、鼻で息を吸おうとしやがった。つい漏れちまったぜ、グミが。おっ、様子が。成る程、息が出来ていないのか…
「…苦しいか!お前は俺の頭脳に負けたんだ!」
ヒャッヒャッヒャッヒャッーーー
…まだ笑ってやがる…
「タロー様!」
長い時間が経った気がする、漸くゴリラが地に伏した。
「タロー様!」
「ナナゴ!勝っ「魔物を持って囲いの中に入ってください!グズグズしないで早くしてください!」ハイ」
勝利の余韻に浸ることもなく即座に行動する。
ゴリラの魔物はとても重く、魔力を多く速く回しても何とか引き摺るので精一杯だった。
「あれっ?ゴリラが囲いの中に入って来れない」
「ヒャッヒャッ、タロー。プックク、どいてー。フフフ」
ミヤコが笑いながらゴリラの首に何度も剣を落とし切り離した。
…こえええええ!わらってる!笑いながら切りつけてる!こええええええ!…
俺は近くでナナゴと抱き合って、恐怖を紛らわせていた。
「フウーッ、笑ったわぁ。タロー、これで入るはずよ」
「はっ、はいっ!ミヤコさん!入ったっす!」
「フフフッ、何その喋り方。何で2人でいちゃついてんのよ。フフッ」
「そんなこと!いちゃついてるなんてありません!これは!そう!温めあってたのです!」
「ナナゴは俺とは嫌だったんだ…」
「そうではないです!…あっ、水場で騒ぐから魔物が近寄ってきました!」
「囲いの中から剣の刃の部分が当たるようになるまで引きつけるわよ。ちょっと時間があるからタローは瘴気を抜いといてよ」
「あいよ。むーん、思ったよりも魔物は行動が遅いなぁ」
「そう?なんでそう思ったの?」
「俺さ、結構長い時間戦ってただろ?その間に来てないよね?」
「?、魔物が来てもおかしくはありません。しかし、経過時間としては短かったです」
「ゴリラの呼吸を阻害してから倒れるまで10分は掛かったろ?」
「わたしの体感では30秒もかからなかったわよ」
「私としても10秒ちょっとくらいです。」
「短期決戦だったのさ」
「で、ゴリラの瘴気抜きはやってるの?」
「おわってるよ」
「早すぎるわよ。だんだん慣れてきたんじゃない?」
「確実に早くなってますね。まるでそうなるのが当然のように瘴気が移動していってます」
「実感はないなぁ。出来るからやってるだけだし。そうだ、鍋に水を汲んで来るね」
「外に出るのですか。…グミに包まれれば無傷で戻って来れますね」
火を起こし、水を沸かし、水を冷まし、乾いた木を拾って山にしておき、火が弱くなったら焚べる、そして瘴気を抜き、肉を切り出し、炙っては食う。
最初の方にどんどん魔物が集まってきていたが、明け方頃にはポツポツとしか見かけなくなった。
「徹夜して魔物狩りやっちまった」
「夜通しお肉食べちゃったわよ」
気分で書きます。
気分で投稿します。
中身も気分次第で。




