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『しーちゃんと記憶の図書館』第167話

三つ星の下で



その夜、図書館の屋根の上は、静かな世界だった。

しーちゃんは毛布を羽織り、三つ星をじっと見上げていた。



すると、背後から足音が近づく。

振り向くと、そこに立っていたのは──あの“封筒”と同じ香りを纏った女性だった。



「……あなたが、見つけてくれたのね」


女性の声は、風に溶けるようにやわらかい。

しーちゃんがうなずくと、女性は空を指差した。



「この三つ星はね、約束のしるしなの。

 遠く離れても、心が迷わないように」



その言葉を聞いた瞬間、しーちゃんの胸の奥に、誰かの笑顔が浮かんだ。

まだ思い出せないけれど、たしかに自分の記憶の中にいる人。



「続きは……星がもうひとつ増えた夜に話すわ」


そう告げて、女性は月影の中へと消えていった。



しーちゃんは小さくつぶやく。

「星が四つになる夜……」

新しい謎が、また静かに灯った。


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