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『しーちゃんと記憶の図書館』第164話
星の声を聞く夜
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丘の上に腰を下ろし、
しーちゃんは静かに耳を澄ませた。
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風がやわらかく頬をなで、
花の香りが夜気に混ざって漂う。
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「……ほら、聞こえる?」
おばあさんがささやく。
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遠くで小川が流れる音にまじって、
かすかな鈴のような響きがした。
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それは、星が瞬くたびに生まれる小さな音。
どこか懐かしく、胸の奥をやさしくたたく。
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「星って、しゃべるんだね」
葵くんが驚いた声をあげた。
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おばあさんは笑いながらうなずいた。
「大事なのは耳じゃなく、心で聴くことなのよ」
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その夜、しーちゃんはひとつの約束を心に刻んだ。
「この音を、忘れない」




