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『しーちゃんと記憶の図書館』第162話

星の丘



丘の頂上にたどり着くと、

そこには広い空と、遠くの山並みが広がっていた。



昼の光に包まれた景色は、

まるで金色の布を広げたようだった。



おばあさんが静かに目を閉じる。

「ここよ……私があの物語に描いた丘は」



葵くんはノートを開き、

空の色、風の匂い、鳥の声を一つひとつ書きとめていく。



女性は足もとに咲く白い小花を指さした。

「この花、物語にも出てきたでしょう?」



おばあさんは微笑みながらうなずく。

「ええ。主人公が星の光を見つける場所に、必ず咲いていた花なの」



丘の上に立つ三人の影が、

やさしく重なって、風の中で揺れていた。


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