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『しーちゃんと記憶の図書館』第151話

第零書庫の手がかり



「第零書庫……」


その言葉を声に出した瞬間、

奥の間の空気がわずかに震えたように感じた。



棚の端に、厚い目録帳が立てかけられている。

表紙には金色の文字で「館内目録」とあるが、

ページの半分は空白だった。



しーちゃんは、最後の方をめくった。


そこに、小さく書かれた一行があった。


零 − 扉の位置は、風の来るところ。



「風の来るところ……?」


図書館の中で、風を感じる場所といえば限られている。

正面入口、読書テラス、そして——



しーちゃんの脳裏に、

天井近くの小さな窓から光と風が差し込む「吹き抜けの踊り場」が浮かんだ。



握りしめた銀色の鍵が、

ほんの少し熱を帯びた気がした。

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