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『しーちゃんと記憶の図書館』第148話

鏡に映ったもの



水面の波紋が静まると、

鏡の奥に一枚の風景が浮かび上がった。



それは、見知らぬ小さな村だった。

木造の家々、煙突から立ちのぼる白い煙。

冬の匂いが画面から伝わってくるようだった。



しーちゃんは岸辺で息を呑んだ。

少年の耳にも、遠くから子どもたちの笑い声が届く。



映像の中心に、一人の少女が立っていた。

赤いマフラーを巻き、

雪をすくい上げては笑っている。



その笑顔に、少年は妙な既視感を覚えた。



「……この子、知ってる」

水面から顔を上げ、震える声でそう言った。



しーちゃんは目を細めて問いかけた。

「あなたの記憶?」



少年は首を振った。

「違う。でも…夢で何度も会った気がする」



鏡の中の少女は、手を振っていた。

まるで“こちら”を知っているかのように。


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