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『しーちゃんと記憶の図書館』第147話

夜明け前の川



空はまだ群青色で、

川面だけがかすかに光を返していた。



少年はゴーグルを額に上げ、

「水、思ったより冷たいね」とつぶやいた。



しーちゃんは岸辺で懐中電灯を構え、

光の輪をゆっくりと水面にすべらせた。



川の底に、何かがかすかに輝いている。



「見える?」

「うん…丸い…金属みたい」



少年は深呼吸してから、

水の中へ静かに身を沈めた。



冷たい水が肌を刺す。

けれど、その奥に見えたのは──

丸い鏡のような板。



鏡の縁には、見たことのない模様が刻まれていた。



手を伸ばそうとした瞬間、

鏡の表面に、まるで波紋のように“映像”が広がった。


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