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『しーちゃんと記憶の図書館』第145話
川底に眠るもの
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老人は立ち止まり、
川面をじっと見つめた。
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「水害の夜、村の大事なものが
川にのまれたんじゃ。」
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しーちゃんが首をかしげると、
老人は声をひそめた。
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「“水鏡”と呼ばれる、不思議な鏡だ。
映すのは姿じゃなく、心の奥の景色…
それを守る者を、水守と呼んでおった。」
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少年の目が輝く。
「じゃあ、その鏡はまだ川の底に…?」
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老人は静かにうなずいた。
「流れの底で、まだ眠っとるはずじゃ。
ただし、触れられるのは“選ばれた者”だけだ。」
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しーちゃんは、胸の奥が少しだけざわめくのを感じた。




